2022年11月27日日曜日

古の町石道を辿って【高野山】

 あれ?前回の山旅ブログはいつ書いたっけ?
って考えてしまう程度に更新頻度が減ってしまった本ブログ。

温泉ネタは気分が乗ればさくっと小一時間程度で書いてしまうのですが、書くことが多い山旅ネタは書く頻度が減ってしまっています…
本ブログはライフログとの側面が強いので、記録として残しておきたい気持ちは変わらないんですけど、仕事の環境も少し変わり忙しくなってるせいでおざなりになってますね。

でも、残しておきたい山旅はどんどん溜まる一方…
これはいかん!って事で久々に時間を作って書いてみました。

そんな訳で久々に紹介する山旅は2022年の5月上旬に紀伊半島遠征で行ってきた高野山です。

「高野山(金剛峯寺)」(標高1009m)
2022/4/30
コース:慈尊院(町営無料駐車場)→笠取峠→二ツ鳥居→笠木峠→大門→金剛峯寺→奥之院
(帰路はバス、高野山ケーブルカー、電車で九度山駅へ戻り駐車場まで徒歩)

高野山と言えば紀伊半島に連なる紀伊山地にあり、平安時代に弘法大師空海が修験の山として開山し、現在は真言密教の聖地となっています。
近年では「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産の一部となり道路も整備され多くの人が訪れる観光地となっているので「登山をする山」と印象を持ってる人は少ない気がします。
自分もいずれは訪れたい観光地と考えていましたが、調べるうちに空海が開山の際の登拝道が今も使える事を知り、高野山行くならここを歩くしか!と考え今年のGWに行ってきた次第です。

では紹介!

駐車場は「道の駅柿の郷くどやま」と「慈尊院」の間にある町営無料駐車場を使いました。
トイレもあって基本24時間開放しており九度山駅へも徒歩圏内なので日帰りで町石道歩くなら良い場所だと思います。


駐車場から10分程度歩けば町石道の起点である慈尊院に到着。
慈尊院は弘法大師が高野山開山の際に表玄関として伽藍を創った場所で町石道の正式な起点となります。
当時、高野山は女人禁制で女性はこの慈尊院でお参りするしかなかったので女性が多く訪れていたからか、現在は女性に縁のある子宝や安産、良縁などに御利益があるとされています。
写真はアップしませんが、おっぱいがいっぱい(笑)

そして、ここから高野山に至る道にはこの町石と呼ばれる石柱が180本あり、その180番目がここに在ります。高野山に在るのが1番目なのでカウントダウンする感じですね。

では、本日はよろしくお願いします。


登り始めると登山道と言うよりは里山の田舎道といった感じの道が続きます。
高野山までは約20キロ、その間に180本の町石があるのでまあまあな頻度で立っています。
最初は全部の町石を写真に納めようと思っていましたが、途中で飽きてやめてしまいました(笑)

登り始めて間もなく九度山町展望台に到着。
明け方まで雨が降っていたので雲多めですが、差し込む光りとキラキラ光る紀の川が神々しかったです。
…今思い起こせば町石道でここが一番展望良かった気がします(汗)


展望台を離れるとやっと登山道っぽくなってきますが、距離は長く標高差は少ないので傾斜はかなり緩やか。小気味良く進む事ができます。

町石も古い物が多いせいか、隣に新しい町石が立てられてる所もチラホラ。
ちょっと違和感がありますが、何もしないと風化していくだけなので、歴史を残す意味でも必要なんでしょうね。

途中の二ツ鳥居。
その名の通り2つの鳥居が並んで建っているのは少し不思議な感じ。
今は石製ですが、開山当時は木製だったようで。

二ツ鳥居の近くからは「かつらぎ町」が眼下に見渡せます。
素朴な田舎町ですが、平核無柿(ひらたねなしがき)というブランド柿の生産高は日本一!。お土産に買った干し柿は美味しかったのでみなさんも是非に!

さて、町石道も後半戦。
正直、見える風景はそれほど変わる事なく単調な道が続きます。
そもそもは修験の道という事なので、あえて単調にして自分と向き合う時間を作る、って意味もあるかも知れませんね。

矢立峠で高野山に至る一般道とぶつかります。
水平距離では高野山まで後少しですが最後の登りはキツいとの事なので茶屋で一服。
GWなのでまあまあ賑わってました。

町石もラストスパートの如く間隔が短くなってる気がします。
絶対立てる時距離感間違ったんじゃないかと思えるほどに(笑)

そして、高野山の正式な入口である大門に到着。
思ったより大きくてその存在感はなかなかで、長い距離歩いてきたせいか身が引き締まる思いです。

大門を過ぎると、そこは人と車があふれるただの街…

…おかしい?
登山してたのになんで下山してるんだ?今までにない不思議な感覚に頭がバグりそうでした。

そして、いよいよ1番目の町石とご対面。
お疲れ様でした!


そのまま、金堂と壇上伽藍に登拝の報告と引き続きの安全山旅の祈願。
今日はありがとうございました。

その後は金剛峯寺へのお参りも済ませ、ランチやスイーツを楽しみながら奥の院へ。
いやーホントに山の上って感じは皆無ですね。

奥之院の入口です。
奥之院の中は基本写真撮影NGなので写真はこれだけですが、弘法大師空海さんが今も入所されてると言われてる最も奥の燈籠堂にお参りしてきました。
また、燈籠堂に至る途中には歴史的な有名人のお墓や、なかには企業・会社のお墓まであってなかなか興味深い場所でした。


帰りは奥之院入口からバスで高野山駅へ行きケーブルカー・電車と乗り継いで九度山駅へ降り立ち本日の山旅終了となりました。

歩きたいと思っていた高野山町石道、無事歩き通せて良かったです。
思ってたより人里に近く登山と言うよりは里山ハイキングの趣でしたが、それはそれで普段の登山と違って楽しめました。
このブログを読んでくれる人は登山してる人が多いと思いますが、高野山に限らず山には古くから人々が歩いている古道がたくさんあるので、ピークハントとは別に古き日本に思いを馳せつつそういった道を歩いてみるのもたまには良いもんです。

以上です!

2022年11月13日日曜日

日本温泉巡り その121 小野川温泉「滝の湯」【山形県米沢市】

 さてさて2022年も残り2ヵ月を切ってしまい改めて1年の短さを痛感している今日この頃、みなさま如何お過ごしでしょうか?
何か1年の目標を立ててたみなさんはそれを達成できましたか?

自分はというと…
…うーん、何かあったはずですが忘れてしまったようです。(すっとぼけ)

さて、久々のブログですが、今回は温泉巡りその121として山形県米沢市の小野川温泉「滝の湯」を紹介します!

訪れたのは東北ではまだ残雪残る2022年4月の頭。

小野川温泉の歴史は古く開湯は1200年前に遡り、なんと小野小町が開湯したとも謂われてますが…
うーん、歴史というよりは伝説の類ですね(汗)

とは言え、山形県の奥座敷として多くの人々を癒してきた温泉なのは疑いようの無い真実でしょうね。

小野川温泉には多くの旅館が軒を連ねていますが、やっぱり一番に入るのは地元に根付いた共同浴場という事で「滝の湯」さんの湯を頂く事にしました。

では、いただきます!

いやーーー、アチチの湯が沁みますね~

湯は無色透明で微硫黄臭と微塩味の含硫黄ナトリウム カルシウム塩化物泉含ラジウム泉。
源泉温度は78℃とかなり熱々で湯船の湯は40℃くらいのアチチの湯。
わずかに湯船全体から香る硫黄臭が良いアクセントになっており、やや固めながらも身体に沁みる感じは一級品。
これは良い湯だ…!

湯船はシンプルに内湯だけですが注がれる湯量はなかなかに多く、お湯は常に新鮮そのもの。湯船も脱衣所も非常に清潔に保たれており、地元の方に愛されているのが良くわかります。

夏場に入るには少し熱すぎるかも知れませんが雪の季節ならきっと最高の温泉体験ができると思います。
今度は泊りで訪れたいと思える良泉でした!

来訪日:2022/4/3
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 <超絶名湯オススメ温泉 トップ5> 2022.11月現在
1位 籐七温泉「彩雲荘」(岩手県)
2位 明礬温泉「鶴乃湯」(大分県)
3位 黄金崎不老ふ死温泉(青森県)
4位 日景温泉(秋田県)
5位 乳頭温泉「鶴の湯」(秋田県)

<超絶名湯オススメ温泉(ランク外)>
見市温泉旅館 (北海道)
酸ヶ湯温泉 (青森県)
後生掛温泉 (秋田県)
玉川温泉(秋田県)
須川高原温泉(岩手県)
銀山温泉「永澤平八」(山形県)
姥湯温泉「桝形屋」(山形県)
鳴子温泉「滝乃湯」(宮城県)
野地温泉ホテル(福島県)
地獄温泉「清風荘」(熊本県)
新湯温泉「霧島新燃荘」(鹿児島県)
吹上温泉「みどり荘」(鹿児島県)

その他、極上オススメ温泉は「全国極上温泉マップ」にて紹介しています!

2022年8月23日火曜日

日本温泉巡り その120 霧積温泉「金湯館」【群馬県安中市】

 「母さん僕のあの帽子どうしたでせうね。ええ、夏碓氷から霧積へ行く道で落としたあの麦わら帽子ですよ。」

日本映画好きなら一度は目にした事のあるこのフレーズ。
そう映画「人間の証明」を代表する一文ですが、元があってそれは詩人 西条八十さんの「ぼくの帽子」という作品の一文です。

恥ずかしながら自分は「人間の証明」観てないので、どうしてこの詩が引用されたのかわかりませんが、この詩を読むと、いつかの遠い昔の青空と一緒になにか大切なものを忘れて、その忘れたものさえなにか忘れているような…そんなやりきれない気持ちになってしまうのは気のせいでしょうか…?

さて、前置きはこれくらいにして、今回紹介する温泉はこの詩の舞台となった碓氷峠近くにある霧積温泉「金湯館」になります。

訪れたのは6月初旬。
そろそろ気温も上がり温泉を楽しみにくくなる季節ですが、この「金湯館」は標高約1000mの山の中腹にあるのでこの時期温泉を楽しむにはちょうど良いと考えました。

また、アクセスには一癖あって宿まで一般の車は入る事はできません。
宿泊客は林道終点の駐車スペースに車を停めて30分ばかり山道を登るか、宿に送迎をお願いする必要があります。
(*日帰りの場合は宿の送迎は無いので徒歩限定になります。)

山屋の端くれの自分としては歩いて行く気満々でしたが、この時は途中の林道が工事中で駐車スペースまで車が入れない事から、宿の送迎バスを活用するしかありませんでした。
折角なら鼻曲山登山もしてみようと思ってたのですが、残念…

バスを降りて沢に向かって少しだけ降りると緑の木々の奥にその宿は突然姿を現します。
山の奥にしては非常に立派な建物ですが、所々山小屋の雰囲気を感じて個人的には良い感じです。

チェックインを済ませて楽しみの温泉へGO~!

お湯は僅かな硫黄臭で無色透明のカルシウム硫酸塩泉ですが、炭酸を豊富に含みあっと言う間に身体は泡だらけと、じわじわと沁みる感じが堪りません。

湯船は5人程度入れるかどうかの小ささですが豊富な湯量のおかげで鮮度は抜群。
湯温は38度程度のぬる湯でこの時期なら永遠に入ってられるベストな湯温。
内湯のみのシンプルさですが、外が見える窓は大きく開放感もまあまあですね。

時間もたっぷりあったので新緑と鳥の声を聞きながら最高の温泉時間を満喫しました。

湯冷ましに宿の庭まで散歩。
深い新緑の中、ゴロゴロ回る水車をみてると頭を空っぽにできますね(笑)
やっぱりこういう時間は必要…

世間から離れて山の空気をストレートに感じつつ温泉を楽しみたい方、おすすめです!

(オマケ)
この霧積温泉「金湯館」さんに入る前に、アプト道(旧碓氷線の廃線跡)を歩いてきました。




1枚目写真にあるめがね橋(碓氷第三橋梁)は有名ですが、それ以外のトンネル道や旧送電設備などなど、ちょっとした非日常を感じつつ冒険心をくすぐられる場所が多くオススメなので是非歩いてみて下さい!
小さなお子様は特に楽しめるような気がします。

来訪日:2022/6/4
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 <超絶名湯オススメ温泉 トップ5> 2022.8月現在
1位 籐七温泉「彩雲荘」(岩手県)
2位 明礬温泉「鶴乃湯」(大分県)
3位 黄金崎不老ふ死温泉(青森県)
4位 日景温泉(秋田県)
5位 乳頭温泉「鶴の湯」(秋田県)

<超絶名湯オススメ温泉(ランク外)>
見市温泉旅館 (北海道)
酸ヶ湯温泉 (青森県)
後生掛温泉 (秋田県)
玉川温泉(秋田県)
須川高原温泉(岩手県)
銀山温泉「永澤平八」(山形県)
姥湯温泉「桝形屋」(山形県)
鳴子温泉「滝乃湯」(宮城県)
野地温泉ホテル(福島県)
地獄温泉「清風荘」(熊本県)
新湯温泉「霧島新燃荘」(鹿児島県)
吹上温泉「みどり荘」(鹿児島県)

その他、極上オススメ温泉は「全国極上温泉マップ」にて紹介しています!

2022年8月20日土曜日

幻想筑波山【茨城県】

 約半年ぶり久々の山旅ブログになります。

いやーホント、山旅ブログを書く機会が減ってしまいました。
山に行くペースも以前より落ちていますが、やっぱり初見の山が少なくなっているのが一番の理由ですね。さすがに複数回登ってる山はよほどの事が無い限り新規にブログを書くことはありません。

と言っておきながら今回のネタは間違い無く自分が一番多く登っている「筑波山」。
おそらく年間5、6回は登っており、これまでで50回以上登っていますが、そんな自分でも今回の筑波山は一生で一回会えるかどうかの特別なもの。
さて、誰も見たことが無い筑波山、はりきって紹介していきたいと思います!

時は2022年2月11日。

この日の前夜は上空の寒波&南岸低気圧が通過し、関東でも数年に1回あるかどうかの大雪。そして土曜日休日という事で一般社会人の自分にとってはまたと無いチャンス。
迷う事なく早朝から突撃してきました。

スタートは筑波山神社前の市営第三駐車場から。
こんな日に登るの自分くらいだろー、と思ってましたが、5台ほど先着が。
変態はどこにでもいるもんですね(笑)

筑波山神社まで来ました。
関係者の方は雪かきで大忙し。
雪慣れしてない関東民の観光客の多い筑波山神社ですからね~。ご安全に頑張って下さい!

コースはみんな大好き御幸ヶ原コース。
もう登山口から自分の知ってる筑波山じゃありません。
これから先、そんな世界が広がっているのか楽しみ!!



…ここは本当にどこなんだ?
そう思わずにはいられない雪と静寂の世界。

ガスっていたおかげで一段と異常感がマシマシ。
標高600を超える頃には足首は軽く埋まるもふもふの新雪。
こんなにワクワクしながら筑波山に登ったのは初めてですね!


御幸ヶ原に着く手前で青空が広がってきました。
木々には雪の花が満開。


御幸ヶ原に到着。
純白の男体山が本当に見事。こんなものが見れるとは思ってませんでした。
女体山方面は新雪たっぷり!トレース一番乗りが出来なかったのが残念でしたね…


御幸ヶ原から女峰山に至る道、いつもは登山客や観光客で混み合っているメインストリートですが、この時はホワイト&ブルーのを独り占め!
新雪も膝下くらいまであり、念願だった筑波山でのラッセルを楽しむ事ができました。


そして、山頂へ!
新雪に覆われた山頂と青空は、どこぞの冬のアルプスと見間違えんばかりの雄大さ。
男体山方面の展望はしばらく待ってみたもののガスが抜けずに見れず終い、これだけがちょっと心残りでしたね。



下山は白雲橋コースへ。
パラパラと落ちる霧氷が陽の光りに照らされてなんとも綺麗でした。

帰り道からの筑波山。
陽の当たった斜面はもう雪は見えず、いつもの筑波山が戻ってきていました。
やっぱり、あの特別な筑波山は一瞬で無くなってしまうようですね。
早起きして登って良かったです。

毎日、家から仕事場から見えてる筑波山。
これだけ特別な日に登れてホント感謝です。
身近な山だからこそ見れる特別、そんな楽しみを教えてくれたような気がします。

以上です!