2024年8月18日日曜日

晩秋の雪景色【斜里岳】

 2024年もお盆が過ぎ秋に向かいつつある今日この頃皆様如何お過ごしでしょうか?

いやーそれにしても今夏も暑い!
もう冷房無しじゃ生きられない気候は地球が人間を減らしにかかっているとしか思えませんね。自分が生きていられるのも後40年前後、その頃にはどうなっているのか悪い意味で楽しみです!笑

さて、気が向いたのかあまり間を置かずブログ更新となります。
今回は2022年10月に登ってきた斜里岳の山旅レポとなります。

「斜里岳」(1547m)
*小清水町の平野から望む
2022/10/9
コース:清岳荘登山口⇔山頂(旧道↑新道↓)

斜里岳はもともとアイヌ語の「オンネヌプリ」で「大いなる山」という意味で呼ばれていました。その名の通りオホーツク側の清里町や小清水町からはどっしりと裾野が広がる単独峰として望めその存在感は圧倒的です。
山の名前というのはその土地の名を冠するものが多いですが、北海道の山の名前はその山の存在価値(理由)を意味しているものが多い気がします。なので、個人的には斜里岳よりオンネヌプリを正式名称にして欲しいですね。

斜里岳は2017年に登った羅臼岳と合わせて登る予定でしたが、その時は元台風の熱帯低気圧による悪天で泣く泣く断念した事があり、今回は5年来のリベンジとなります。

前泊した宿の駐車場から斜里岳を望むと、天気はばっちりですが前日の降雨が山頂付近は雪だったようで薄っすら白くなっています。さすがの道東10月頭はもう冬ですね(苦笑)
とは言え天気予報からはある程度想定通りで雪山装備もばっちりなので予定通りレッツゴー!

コースは清里町の清岳荘前からの定番コース。
斜里岳に登る人の9割はこの登山口を使う人気の登山口ですが、もうオフシーズンなのか駐車場に車は5台程度。
しかも自分も含め全部レンタカー。まあ百名山あるあるですね(笑)

しばらく平坦な林道歩きですが、この看板から本格的な登山スタート。


基本は沢沿いの路で渡渉も多いですが水量も少なく、石の上に乗りながら濡れる事なく歩けました。ただバランスとる為のストックはあった方が良いですね。

とりあえず順調に旧道と新道も分岐である二股まで来ました。
沢登りが難しいようなら新道ですが、この調子なら問題無さそうだったので旧道コースへ!

…まあ、これが苦労の始まりだったんですけどね(汗)


旧道コースに入りしばらく歩くと傾斜もきつくなり、ちょっとした滝登りになってきます。

夏だったら「水冷たくて気持ち良いーー、水しぶき気持ち良いーー!」なんてわいわい言いながら登れると思うんですが…

もう登れそうな路が全部凍ってるんですよ…

水が流れてない所はもうカチンコチンでツルンツルン。滑り止め無しだったら絶対登れない状態です。
もちろんチェーンスパイクは持ってきていたので装備しましたが、それでも足を置く場所をちゃんと考えないと厳しいレベルで、結局は水が流れている場所の方が凍結してないので安全だという事がわかり、流れの端の方を登っていきました。


緊張感のある滝登りは続きます。
もちろん水温はかなり低いので身体に水を被る事になったら一大事。
早朝スタートをちょっと後悔していました。

新道と再び合流すると沢も細く傾斜も緩くなりほっと一安心。
薄っすら雪も積もっており、今シーズン初めての雪の感触を楽しみながら登っていると…

陽が射すと同時に透き通る青空と白く染まった山頂稜線が広がりました。

うわーー!
今までの苦労と疲れが吹き飛ぶ瞬間はやっぱり最高です!

山頂直下の稜線に到着。
降雪は10cm程度ですが、すっかり雪山の趣。
前日まで紅葉も始まってない関東にいた自分にしてみれば信じられない景色ですね。
やっぱり北海道は特別だ!

この景色をゆっくり堪能したいところですが、既に南側からは雲が湧いており時間が無さそうなので急ぎ山頂へ向かいます。


山頂までの稜線歩きは低いハイマツ帯で好展望の路。
前方には山頂とオホーツク海、後方は根室海峡が望めます。
やや切れ落ちた部分もあり、雪も安定してないので足がもってかれる場所もあり注意して進みます。

そして山頂!
オホーツク海方面は大展望!ありがとうございます!

南側も雲多めながら稜線部と根室方面の山々が望めました。

30分くらい山頂でのんびりしてるとどんどん雲が掛かり気温も下がってきたので帰路につきます。

下山は迷わず新道へ。
いや、あの凍結旧道を下山で使ったら普通に死ねるよ(笑)


新道は好展望の尾根路。
沢登りも斜里岳の魅力ですが、ちょっと危ないと感じたなら新道ピストンでも十分楽しめそうですね。

気温も上がってきたせいか雪も落ち始め朝に見たあの白銀の世界も緑多めに。
早朝出発で凍結旧道には難儀しましたが、あの雪の景色に出会えたなら結果オーライかな。


行きはまだ薄暗かったのであまり見えなかった紅葉を楽しみながらの下山です。
紅葉はもう少し残ってるかな~って思ってましたが、ほとんど終わってる感じですね。
本当に北海道のグリーンシーズンは短いです。

清岳荘前登山口に下山完了。
早朝に比べて車も増えて人の入りもまあまあだったみたいですね。

5年前に断念した斜里岳ですが、こんな良い日にリベンジできて本当に良かったです。
斜里岳の楽しさの一つになってる旧道の沢登りですが、あれが楽しめるのは夏だけですね。季節の境目に行く人はその時に応じた準備を怠らないように!笑

以上です。

2024年7月28日日曜日

霊峰を望みながら【奥大日岳(北アルプス)】

みなさんご無沙汰です。
HMSひろです。実はブログ書いていたの覚えていますか?笑

半年以上前から「ブログを書く」という行為が生活から抜けてしまい、変わりに何をやっていたのかというと…、特に何もやっていないんですよねー
ブログに費やしていた時間はどこに消えてしまっているのか不思議でなりません(汗)

さて、今回は1年半ぶりの山旅ブログです。
今日は時間を持て余していたのか、久々に書いてみたいと感じたのでこの気持ちが残ってるうちにPCに向かっております。

前回の山ネタは熊野古道だったので…
今回のネタは2022年9月の「奥大日岳」ですね!(古っ!)

長文打つのも久々で上手く書けるかわかりませんが、お付き合い頂ける幸いです。

「奥大日岳」(2606m)
大日岳から望む奥大日岳(正面) *奥の両脇は剱・立山
2022/9/17~18

奥大日岳は立山・剱と同じ山域にある1座。
立山・剱の存在感が圧倒的過ぎるのでそれらより知名度は低いですが、少し山に詳しければ知ってる人は多い気がします。
自分ももちろん立山・剱はもう登っていますが、称名滝は一度は見たいと思っていたので、称名滝観光を含めたコースを考えたところ、称名滝イン室堂アウトを大日小屋一泊で歩くことにしました。

<1日目>

1日目は9月3連休初日。
好天も期待できるという事で立山駅から室堂までのアルペンルートの当日券は既に2時間待ちという大混雑。
ま、自分は称名滝スタートなんで関係無いですけど見てるだけでちょっと疲弊しますね(笑)

称名滝(称名平休憩所)までは立山駅からバスが出ていますが始発が少し遅いので、タクシーを利用しました。もちろんバスの方が安いですが、人の少ない時にゆっくり余裕を持って登りたいですしね!

称名平休憩所からスタート!
誰もいないと思いきや、前日の道路夜間通行止めの前に入って駐車場で車中泊してた人達がちらほら。

休憩所から20分程度で称名滝に到着。


生では初めて見ましたが圧倒されますね。
想像以上です。この両脇の大岩壁を作り上げた水の力…やっぱり自然って凄い!
しばし時間を忘れて魅入ってしまいました。

称名滝だけで満足してしまい、もう帰っても良いんじゃね?なんてちょっと感じてしまいましたが、登山はここからが本番。気合入れていきましょう!

地図見てわかっていましたが、称名滝が作り上げた岩壁をほぼ直登するのでスタートから急登続き。9月半ばといっても近年ではまだまだ盛夏。この日も好天だったので気温がぐんぐん上昇し汗が止まりませんでした。


そして急登を登り切った先には大日平という天国が広がっていました。
涼しい風が吹き抜けており急登の疲れが癒されます。

大日平の端には大日平山荘があります。
宿泊小屋としては使い難い位置にありますが、自販機もあり休憩スポットとしては有難いです。

また、この山荘の裏手からは不動滝が望めます。切り立った断崖と合わせて称名滝に負けず劣らず立派な滝です。


大日平山荘を過ぎると大日岳に向かって再び急登。
なかなかハードなコースに感じましたが、後を振り返ると弥陀ヶ原と薬師岳が望め気持ち良く登れます。
そして、弥陀ヶ原を通るアルペンルートではバスがひっきりなしに走っており、なんだかモヤモヤした気分に…。自然保護と観光産業、これが両立できる日はくるのでしょうか…

大日小屋が見えてくるとこの急登ももうすぐ終了。
そして、この先にはこの山旅で一番楽しみにしてた景色が待っているはず…

おおおおーーー!剱岳様ーーー!
久々に痺れる景色。来て良かったと思える瞬間。

まだ、小屋に入るには早かったのですぐ横の大日岳に登頂。
正面には明日登る奥大日岳、その奥の両脇には剱岳と立山。立山好きならここは来るしかないですね。最高の景色、ありがとうございました!

この後少しガスってきた事もあり大日小屋にチェックインしてのんびりした山時間を過ごします。
大日小屋はランプの宿としても有名で、ランプの温かみや夕食後のご主人のギターの弾き語りもあり、特別な山時間を過ごす事ができます。


そして日の入り前、雲の間から夕陽が顔を出した瞬間、黄金色に染まった剱岳が姿を現しました。息を飲む絶景…、長い山人生でもそうそう出会えない景色に心が震えました…


<2日目>

2日目は大日小屋を出発して奥大日岳を経由して室堂に下山します。

朝日は雲に隠れてお預けでしたが、視界は良好で剱・立山を正面に望みながら気持ち良く歩けました。人も少なく人気の山域とは思えないほど静かな路…、最高ですね。

正面に奥大日岳を望みます。
富山側から見ると立山の前衛であり壁となる山、霊峰に続く試練の路としては十分な重厚感を感じる事ができます。

後ろを振り返ると昨日泊まった大日小屋と大日岳。
まあまあアップダウンあるので歩く予定のある方は気合を入れて下さい。

そして、奥大日岳山頂へ。
昨日の大日岳より、より剱岳が近くに望めます。
剱沢からの剱岳も良いですが、こっからの方が先鋭さが際立っていてカッコイイですね!

室堂に向かって下る頃には稜線に雲が掛かり始めてポツポツと弱い雨が振ってきました。
天気が持ちそうなら別山まで脚を伸ばしてみるつもりでしたが、そのまま室堂に下る事に。

雷鳥沢キャンプ場までやってきました。
連休中日の昼過ぎで賑わってますが、これから天気が下り坂とあって撤収し始める人が多いように感じます。

では、室堂に向かって登山開始(笑)
標高差としては大した事無いんですが、雷鳥沢に着いた時点で身体的には登山が終わってるので意外に堪えるのですよ…

室堂までの途中では地獄谷を奥に奥大日岳を望めます。
比較的冬も登り易い山だそうで、冬の立山も一回行ってみたいので計画してみようかな~

室堂に到着!
お疲れ様でしたーーー!

9月連休で混雑を避けて選んだコースですが大正解でした。
混雑が苦手であまり行かない北アルプスですが、メジャールート意外ならまだまだ楽しめそうですね。

朝一のアルペンルートで室堂インできれば称名滝アウトで日帰りで行けるコースですが、1泊にして映り行く陽の中で剱・立山連峰の景色をみれて良かったです。

みなさんも日帰りだと勿体ないので計画される方は是非1泊で!

以上です。
久々の長文山ブログでしたが、読んで頂きありがとう御座いました!

気が向いたらまた書きます!笑