2019年6月30日日曜日

水田に映る春の雪「二王子岳」【新潟県新発田市】

2019年もいよいよ7月になり、夏山シーズンが本格的にスタート!
今シーズンもガシガシ行きますよ~。


って、気分良くシーズンインしたかったのですが、今年の梅雨はなぜか週末ばかり頑張ってくれてるおかげか6月はあまりお山に行けず、脚はもちろん気分もお山から遠ざかってしまっています。
ただ、脚も未だ本調子では無いので良い休足期間になっているとはいえ、ちょっと複雑な気分ですね…。

まあ、そのうち勝手にテンションも戻ってくると思うので、今のうちブログの方を進めてしまいましょう。

今回紹介するのは5月上旬に二人の山友さんと登ってきた「二王子岳」。
二王子岳は新潟県新発田市にあり、飯豊連峰の西に位置する日本二百名山です。

まだまだ残雪深い飯豊連峰が一番綺麗に見えるこの季節を狙い撃ちして登ってきました。
ではレポ行ってみましょう!

「二王子岳」(1420m)
*月岡温泉付近の水田地帯より望む
2019/5/12
コース:二王子神社⇔山頂(ピストン)


スタートは定番の二王子神社から。
(ってここ以外にコースあるのかな?)
登山口の神社は立派で駐車場も広くトイレもあり、ちょっとしたテン場もあり申し分ありません。
場所が場所だけにもっと山々してると思ってましたが、意外に人の手が入ってますね。
さすがは新潟の人たちには愛されてきたお山です。


では、クライムオン!
木々の間から差し込む光と、沢のせせらぎが気持良く良い気分で登っていきます。

あと新緑が本当に綺麗!

普段ペースを上げがちな樹林帯ですが、今回一緒に登った山友さんの一人はこの二王子岳と結婚してるといっても過言では無い地元の方。

この二王子岳にある動植物の話を聞いたり触ったりと非常にスローペースで登ってきます。

4合目付近の一王子避難小屋。
厳冬期も登ってる人は少なくないのは、こういうちゃんとした小屋があるからなんでしょうね。ありがたいことです。

避難小屋からちょっと横道に逸れると水芭蕉の群落地があります。
清らかな雪解け水のもと、元気いっぱい咲いていました。

4合目を過ぎる樹林帯も残雪いっぱい。
夏道もほとんど隠れてしまっているので、夏道は気にせずどんどん登ります。


5合目以降は木々も減り気持ち良い空が広がります。
あとは山頂に向かってひたすら登るのみ!残雪を踏みしめ、えんや~こりゃ!

やっとこさ二王子岳山頂が姿を現します。
山友さんは「五合目過ぎればすぐですよ~(笑)」とか言ってましたが、「まだまだ先じゃねぇか!」って心の中で叫んでました。

やっぱり青空のもと雪を踏みながら登るのは爽快!
今冬シーズンは正月の車の事故から始まり、初春のマラソン大会での膝の負傷と、なにかと雪山と縁が少なく悶々としたシーズンになってしまいましたが、この山行のおかげでスッキリできました。

そして、いよいよ稜線に出ると…

飯豊連峰がドーーーン!
ひゃぁぁぁ~最高!長い道のりの疲れが吹き飛ぶこの感覚久しぶり!
東北のアルプスといわれる飯豊連峰の重量感が感じられる良い景色です。

そして、山頂に到着。
ありがとう御座いました!

春の涼しい風が吹きぬけお昼寝でもしたい気分でしたが、前半のんびりし過ぎたせいか、もう13時過ぎ。休憩もそこそこに帰路に着きます。

最後に山頂からの飯豊をパノラマでドーーン!
飯豊本山から大日岳、北股岳、朳差岳と主なピークはほとんど見えてると思います。
飯豊には以前登っていますが、この絶景を見たおかげで、また登りたい欲が沸々と湧いてきました。


帰路では、登りでは春霞のせいではっきり見えなかった越後平野に広がる水田が綺麗に見えました。
飯豊のパノラマに劣らずこちらも絶景ですね!
泊まりでくれば夕日に照らされた水田群も最高に綺麗なんでしょうね。

そして16時前に下山。
二王子神社にも無事下山の感謝のお参り。
お疲れ様でした!

下山後、帰り道に水田に映った二王子岳が綺麗だったのでパシャリ。

新潟の方以外にはなじみの薄い山と思いますが、越後平野から望む二王子岳の存在感はなかなかのものです。
きっとこの風景は新潟の方々には毎年繰り返される日常なのでしょうが、この広大な水田地帯は二王子岳や飯豊の雪解け水あってこそのものであり、自分にとってこの風景は、山あってこそ人間に営みが成り立つ事を思い出させてくれる大切な風景に見えました。

更に、今回お付き合いして頂けた現地の山友さんには、山の見方(食欲的に(笑))か変わる程興味深い話を聞けて貴重な時間になりました。
ありがとう御座いました!

また、今後ともよろしくお願いします。

以上です。


2019年6月22日土曜日

日本温泉巡り その77 信州高山温泉郷「五色の湯旅館」【長野県高山村】

その77です。
今回紹介する「五色の湯旅館」さんは自分としては少々残念というか、後悔の残る温泉の一つです。

って、いきなりネガティブ発言で始まってしまいましたが、今の「五色の湯旅館」さんがイマイチ温泉だったという訳ではありません!
(そもそも本当にイマイチならブログに書きません)

実はこの「五色の湯旅館」さん、自分が温泉に興味を持ち始めた頃には、湯治場情緒にあふれる内風呂に渓流に面したワイルドな露天風呂と非常に魅力的なものでした。
しかし、立ち寄り湯はNGでハードルが高く、なかなか訪れる機会がないまま数年が…。

そして、最近になって近くの山に登る事になり久々に調べてみたところ、なんと最近まで一時休業し温泉錬は完全リニューアル、あの露天風呂も閉鎖になってしまったと知り「なんでもっと早い内に行かなかったんだ~!」と後悔。
普通なら「もう、いいや」ってスルーしてもおかしくない状況ですが、逆にあの時に行かなかった自分への戒めの念にかられ今回訪れてみる事に。

在るのは長野県の小布施から草津の方へ抜ける県道66号沿い信州高山温泉郷の比較的奥。温泉好きなら定番の山田温泉や松川渓谷温泉の先にあります。

外観はあまり旅館っぽく無くなんとなく無機的。
何も知らなければ旅館として営業しているものとは思えないですよね。

リニューアル後も日帰り入浴はお断り。手軽に入れないのは残念ですが、宿泊者としては歓迎ありがたいことです。

チェックインを済ませ、荷物を片付けて早速温泉に入りに行こうと部屋を出ると、女将さんが玄関の方から手招きしています。
何事かと思って行ってみると…。

玄関先にタヌキのお客さんが!きゃわわ!
餌付けしてる訳ではないですが、よく来るそうです。近づくとすぐに逃げてしまったので人馴れしてるって感じでは無さそうですね。

ちょっと、ほっこりした出会いもあったところで…、本命の温泉、頂きます!


はぁぁぁぁ~、久々の胸いっぱいの硫黄の香りがたまりせん~。

泉質は白濁した含ラジウム硫化水素泉。
その旅館の名の通り、その時々で温泉の色が変わるそうですが、自分の時はずっと白ってよりはややグレーの濁り湯。

リニューアルしてまだ間も無いので、温泉の濃さのわりにはまだ木の香りが残るくらいに非常に綺麗な湯船です。

露天風呂もリニューアル前の野天的ワイルドさは無いものの、渓流に突き出すように作られ、渓流の音と見渡す限りの新緑がひろがる開放感は素晴らしいものでした。

逆に鄙びた雰囲気は苦手だけどしっかりと濃厚硫黄泉が楽しみたいと思っている人にはこれとない場所だと思います!

昔ながらの湯治場の雰囲気は失われてしまいましたが、温泉は本物。
良泉でした!!

(追記)
宿泊した次の日に見に行った旅館の近くにある「雷滝」が凄かったです。
まるで雷の音のようだって事で名付けられた滝ですが、その名に恥じない、むしろそれ以上に大迫力な滝でした。
信州高山温泉郷に来た際には是非立ち寄ってみて下さい!



来訪日:2019/5/25
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<超絶名湯オススメ温泉 トップ5> 2019.6月現在
 1位 籐七温泉「彩雲荘」(岩手県)
 2位 明礬温泉「鶴乃湯」(大分県)
 3位 姥湯温泉「桝形屋」(山形県)
 4位 乳頭温泉「鶴の湯」(秋田県)
 5位 野地温泉ホテル(福島県)
 
<超絶名湯オススメ温泉(圏外)>
 ・登別温泉「夢元さぎり湯」(北海道)
 ・後生掛温泉 (秋田県)
 ・新湯温泉 共同浴場(栃木県) 

その他、極上オススメ温泉は「全国極上温泉マップ」にて紹介しています!

2019年6月15日土曜日

日本温泉巡り その76 奥出雲湯村温泉「湯乃上館 公衆浴場 漆仁の湯」【島根県雲南市】

その76!
温泉巡りとしては中国地方の温泉の紹介は初めてですね。

まあ、正直言うと中国地方って山や温泉目的では日本の中でどうしても優先度が低くなってしまう地域だと思います。(中国地方在住の方…すみません!)
自分も過去中国地方は何度も足を運んでいますが、その目的はアニメ「たまゆら」の聖地巡礼って事でメインは瀬戸内方面。

山と温泉目的って意味では前回ブログの伯耆大山が初めてでした。

そんな感じなので温泉に関してもあまり知識は無く、今回の遠征を切っ掛けに色々調べみると…
あるわあるわ、興味がある温泉がわんさか出てきました。
全国的にはあまりメジャーな温泉は無く、火山も少ないので温泉欠乏地域だと思っていましたが、想像以上に多くの温泉が湧いているようです。

さすがに今回の遠征中に行ける場所は限られてしまったので、今回は巡ってきた温泉の一つ、奥出雲湯村温泉「湯乃上館 公衆浴場 漆仁の湯」を紹介します!

訪れたのは伯耆大山登山の翌日、出雲大社お参りの帰りに立ち寄りました。
奥出雲湯村温泉が在るのは島根県雲南市、宍道湖より国道314を少し内陸に進んだ場所です。
この温泉は出雲国風土記にも「漆仁の川辺の薬湯」と書かれるほど歴史ある温泉だそうで、期待が膨らみます!

この公衆浴場の管理は道を挟んですぐ正面の「湯乃上館」さんが受け持ってます。
基本は公衆浴場に管理人がいますが平日等居ない場合もあるそうで、その場合は「湯乃上館」さんにお金を払います。

浴場のすぐ脇には斐伊川が流れ、鄙びた雰囲気と川のせせらぎが良い雰囲気を醸し出してますね~。

では、頂きます!


はぁぁぁ~、さらさらさっぱり!!

泉質は無色透明無味無臭のアルカリ性単純温泉。悪く言えば特徴の無い泉質ですが、この温泉では源泉温度が43度と最適温度の状態で湯量豊富にダバダバと惜し気も無く掛け流されており、新鮮そのもの!斐伊川のせせらぎと時折吹く涼しい風と相成って最高にさわやかな温泉となっていました。

基本、濁り濃厚温泉好きな自分ですが、さっぱり温泉もこういうレベルの高い場所があるのでなかなかあなどれません。

良泉でした!!

来訪日:2019/4/30
------------------------------------------------------
<超絶名湯オススメ温泉 トップ5> 2019.5月現在
 1位 籐七温泉「彩雲荘」(岩手県)
 2位 明礬温泉「鶴乃湯」(大分県)
 3位 姥湯温泉「桝形屋」(山形県)
 4位 乳頭温泉「鶴の湯」(秋田県)
 5位 野地温泉ホテル(福島県)
 
<超絶名湯オススメ温泉(圏外)>
 ・登別温泉「夢元さぎり湯」(北海道)
 ・後生掛温泉 (秋田県)
 ・新湯温泉 共同浴場(栃木県) 

その他、極上オススメ温泉は「全国極上温泉マップ」にて紹介しています!

2019年6月13日木曜日

春の大山雪化粧「伯耆大山」【鳥取県】

さてさて、国民の休日として公式に10連休となった2019年のGWですが、みなさまは如何お過ごしでしたか?
全体を通してもそれほど天気も悪くなくTwitterの山屋界隈では全力全開(全壊?)の山旅をされている方を多くみかけました。
…まあ、その反動でGW後は大人しくなった人も結構いたような気がします(笑)

自分の方は当初はテントを担いで4泊くらいで「大峯奥駈道」か「熊野古道」をロングトレイルする予定でしたが、4月上旬のハーフマラソンで痛めた脚の回復が間に合わずロングは諦め。
でも、一般的な日帰り登山に関しては問題なかったので、折角の大連休、遠征登山として車で鳥取県の「伯耆大山」まで行ってみました。

「伯耆大山」(1729m)
*県道45号線より望む
2019/4/28
コース:大山寺→(夏山登山道)→弥山(山頂)→大堰堤→大山寺

茨城から大山登山口までは片道約850キロ!11時間!
もちろん丸一日移動日に当てて前日夜イン。
最短の首都高→東名で行けば距離も時間も短いですが、連休中で渋滞は不可避。
高額の高速代払って渋滞に巻き込まれるのは勘弁なので、下道を絡めながら長野県・岐阜県の中央を突っ切る感じで行く事に。
そのおかげで時間は掛かりましたが高速代はだいぶ節約できました。

登山日当日、駐車場から望む大山。

あっれ~?
今日はGW前半で唯一天気が良い日だったはずですが、山にはガスが掛かりどんより曇り空。
周辺情報を見てみると天気悪いのはここらへんだけのようです。
なんてこったい…。

でも、昼過ぎには気圧の谷も抜け好天に向かう様なので、ゆっくりのんびりスタート。

コースは定番の夏山登山口から。
厳冬期には中国地方にあってもガチ雪山になる伯耆大山と言え、さすがにGWとなると山麓はほぼ夏山。
ただ、下から見ると稜線付近は前日までの悪天でうっすら雪化粧しているので、軽アイゼンをザックに忍ばせいざ出発!

登り始めはまず石階段。
大山は中国地方きっての山岳信仰の拠点であり、山麓は大山寺の寺領になっています。
こういった道は神聖の領域って感じで歩いていると心身が引き締まる思いがします。

途中の阿弥陀堂に寄り道。
登山者は多いですが、立ち寄っている人は少ない感じ。
個人的には登山ってものは山を感じるだけでなく、その山と共にある人々の営みも感じるのも一つの目的なので、こういった場所は出来るだけ寄るようにしています。

途中からは整備された一般的な登山道。
しかし、GWって事もあり人が多い多い。老若男女、学生の野外活動の様な団体もいて、とにかく賑やか。
話に耳を傾けると自分と同じく連休を利用して遠征してきている人が多く、天気予報に反してイマイチ天気なのをぼやいている人もいっぱいいました(笑)
だいたいみんな考えてる事は一緒なんだなぁ~。

そんなこんなで6合目。
ここから視界が広がり大山の迫力ある北壁が姿を現します。
いや~凄い!大迫力!

そして、人も凄い!(笑)

6合目以降は、しっかり登山道に雪が残っていました。
見た感じ滑り止めを持ってる人とそうじゃない人が半々くらい。
持ってない人は下山時は相当難儀している感じでしたね。
まあ、スベっても大怪我するような場所は無いのでうるさく言うつもりは無いですが、登山に関してはもうちょっと危機意識を高めた方が良い気がします。


急登を経て山頂直前になるとなだらかな稜線が広がります。
時折青空が見えるようになりましたが、展望はいまひとつ。
太陽さん、もうちょっと頑張って!!

とりあえず山頂(弥山)へ向かいますが、なんと標識待ちの列が…。
イマイチ天気なのに、さすがのGWといったところでしょうか。
急いでいるなら絶対スルーする状況ですが、どっちにしろ好天待ちをするつもりなので、自分も列に並びます。

伯耆大山山頂!
ありがとう御座いました!

山頂に立った後はしばし避難小屋で休憩。
見ての通りかなり寒い日だったので、避難小屋の中は大賑わい。
人一人座るスペースを確保するのも難儀しました。



しばらく好天待ちするものの、残念ながらタイムアップ。
それでもやや中腹の雲は無くなりつつあったので、再び山頂へ。

かろうじて大山の真の山頂「剣ヶ峰」を拝む事ができました。
確かに雪に覆われるこの稜線は凄い迫力でしょうね…。
やっぱり厳冬期にも登りたい!


帰りに山頂直下の木道もぐるりと一周。
登ってくる時には見えなかった日本海の美保湾や中海も展望できました。

下山は行者谷分かれから行者谷の方へ下り、大椻堤へ。
今日登っている人の多くはこのコースを歩いているようでした。

大椻堤からは大迫力の北壁は望めます。
この大椻堤には大山寺から散歩レベルで来る事ができるので、あまり登山者っぽく無い人たちも多かったです。

大神山神社奥宮まで下山完了!
お疲れ様でした~。
そして、今日の無事の下山を感謝してお参りも忘れずに。
…ありがとう御座いました。

この後は大山寺領内や、温泉、土産物屋と大山を観光気分で楽しんで16時頃に帰ろうとしたところ…

ぬはぁぁ!すっかり晴れたじゃないかぁーーー!

まあ、長い山人生、こんなパターンは何度もくらっていますが、さすがに片道850キロの遠征したきた身としてはこの青空を山頂で見たかったです…(ガックリ

以上!