2019年5月22日水曜日

かたくり天国「三毳山(みかもやま)」【栃木県佐野市・栃木市】

自分は長野方面に向かう際、時間がある時は節約のため高速を使わず下道で行く事があります。その際はだいたいは国道50号を走っているのですが、その途中で気になるお山がありました。

それが今回紹介する「三毳山(みかもやま)」です。
この山の事を知る前は近くを通っても「丘みたいな公園があるな~」って程度の認識しかありませんでしたが、ある時花の百名山を調べていると、なんとこの「みかも山」が入っているではありませんか!
なんでも日本有数のカタクリの群生が見られるって事で興味がぐんぐん湧き、カタクリのシーズンに登ろうって心に決めていました。


…って思ってましたが、標高と同じく山自体も控えめ(失礼)なので、いつの間にか存在が脳内の隅っこに追いやられしまっていました。

…で数年が経ち、今3月終わりの谷川岳雪中テン泊訓練の帰り、茨城に下道で戻ろうと車を走らせていたところ、カーナビに「みかも山」の文字が。
更に、ちょうど早春って事もありもしかしてカタクリのシーズン!?って色々思い出し、すぐ横の道の駅に車を止め、調べてみると予想通りカタクリが見頃だったので、急遽登ってみることにしました。

寄り道?もとい寄り山ですね!
山レポとしては短めですが、さっくり紹介したいと思います。

「三毳山(みかもやま)」(229m 最高峰は青竜ヶ岳)
*中岳(209m)標識

2019/3/24

スタートは「道の駅みかも」がある南口から。
カタクリの群生地だけなら東口から最短ですが、少し歩きたかったのでこちらからスタートしました。

とは言っても谷川岳帰りで時間はもう16時少し前くらい。
登山を始める時間ではありませんが、逆に人も少なくゆっくりカタクリが見れそうだと思い決行する事に。

南口からは公園内を走る周回バスの舗装道路を横切りながら直進する登山道を一気に登ります。

みかも山は山自体が県営都市公園として整備されており、ハイキングコースの他に様々に施設があり、このカタクリの季節を問わず多くの人で賑わっています。

登山道を登りきると三毳神社があります。

神社を過ぎると緩やかな尾根歩き。
気持いい早春の風が吹き抜けます。

場所によっては視界が広がる場所もあり、筑波連山が一望。
地元の筑波方面の山を一望できる場所ってあまり無かったので、この景色には感動しました!

みかも山南側のピークの中岳に到着。
みかも山最高峰の青竜ヶ岳までは更に北側に向かって1キロちょっと進む必要がありますが、今回はあまり時間が無いのでスルーして、カタクリの群生地の「カタクリの園」に向かって標高を下げます。



はーーーーー…。
思わず言葉を失ってしまいました。
これは予想以上の大群落。視界一杯に広がる淡い紫色の花は圧巻です。

これは来て良かったと思わずにはいられませんでした。


その後は舗装道路を歩いて南口の駐車場に下山。
思いつきの寄り山でしたが、良いものが見れました。

登山メインで行くと拍子抜けしますが、この群落は一見の価値があります!
みなさまの来シーズンお散歩気分で是非如何でしょうか。

以上です。

2019年5月19日日曜日

日本温泉巡り その75 東鳴子温泉「いさぜん旅館」【宮城県大崎市】

今シーズンも行ってきました鳴子温泉!
なんなやかんやで毎年恒例になりつつある鳴子温泉旅。昨年までは3月に宮城県で開催される「東北風土マラソン」に合わせて訪れていましたが、今年はタイミングが合わずマラソン大会は未参加で、合わせて鳴子も行かずじまいになると思ってました。
しかし、4月初旬の地元のマラソン大会で左足をガチで痛めてしまい、心と脚の湯治先として鳴子を訪れる事に。

今回訪れたのは鳴子と言っても東鳴子温泉。
以前、同じ東鳴子の高友旅館さんに宿泊し鄙びた雰囲気と濃厚タール臭の黒湯にノックアウトされてしまった事もあって再び訪れた次第です。

ただ、今回は高友旅館さんではなく、それと同じくらい名湯と名高い「いさぜん旅館」さんにやっかいになりました。

東鳴子温泉は本元の鳴子温泉より今でも湯治場の雰囲気を色濃く残しており、この「いさぜん旅館」さんも昭和16年開業と言う事で佇まいはまさに昭和。


今回は湯治錬に宿泊って事で部屋も必要最小限。
この「何もしない時間」を「何も無い空間」で過ごすのは本当に贅沢だと思います。

では、早速「いさぜん旅館」さん自慢のお湯を頂きましょう!!


「いさぜん旅館」さんには4つの湯船がありますが、最も人気なのがこの混浴の「炭酸泉(上)」と「鉄鉱泉(下)」です。

両方とも同じ部屋の中にあり壁一枚で仕切られていますが、それぞれ源泉は異なり、「炭酸泉」の方はこの旅館独自の源泉でやや黒味でタール臭がありラジウムを多く含むナトリウム-炭酸水素塩泉。
「鉄鉱泉」の方もナトリウム-炭酸水素塩泉ですが、旅館独自の源泉と東鳴子の共同源泉である東鳴子重曹泉との混合になっています。

「炭酸泉」の方は「鉄鉱泉」に比べタール臭も濃く濃厚でまるで薬液に浸かっている気分。デトックス効果が高いのも頷けます。でも、意外にさっぱりとした肌当たりで個人的には高友旅館さんのお湯よりも好みかも…。
湯温もややぬる湯って事で永遠に入ってられます。

はぁぁぁ~、たまらん!

このままウトウトしたい気分ですが、温泉成分が濃く15分以上の入浴は控えた方が良いとの注意書きがあるので残念気分で退散。

そして、そのまま「鉄鉱泉」の方へ。
こちらは旅館オススメの入り方にも書かれているように、「炭酸泉」の後に上がり湯として入るのがオススメだそうです。
確かにタール臭はするものの「炭酸泉」よりさっぱりしており、また熱湯なのでスッキリできますね。

この組み合わせは最強です!
良泉なり!

さて、残り二つは男女で入れ替わる「大豪寺の湯」と「ノンちゃんの湯」。
自分は「大豪寺の湯」の時に頂きました。
こちらは旅館共同で管理して共同浴場にも引かれている東鳴子温泉の代表的な源泉、東鳴子重曹泉そのもの。
先の湯船よりも広く新鮮が源泉がダバダバ掛け流されています。
湯温も高くガツンと東鳴子のお湯を堪能できます!オススメ!

いずれも、旅館独自の源泉と共同の源泉を上手く使っており、東鳴子のお湯を存分に満喫できる良いお湯でした!

やっぱり東鳴子は最高です!!

(オマケ)



なぜが旅館には多くのネコが徘徊しており、旅館のエントランスにはもちろん、隙があれば客間にも入ってきます。
自分も何度か部屋に入られたり、入浴を観察されたりと今までにない経験をさせてもらいました。
温泉もそうですが、ネコネコしたい方にもオススメの旅館です(笑)

来訪日:2019/4/20
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<超絶名湯オススメ温泉 トップ5> 2019.5月現在
 1位 籐七温泉「彩雲荘」(岩手県)
 2位 明礬温泉「鶴乃湯」(大分県)
 3位 姥湯温泉「桝形屋」(山形県)
 4位 乳頭温泉「鶴の湯」(秋田県)
 5位 野地温泉ホテル(福島県)
 
<超絶名湯オススメ温泉(圏外)>
 ・登別温泉「夢元さぎり湯」(北海道)
 ・後生掛温泉 (秋田県)
 ・新湯温泉 共同浴場(栃木県) 

その他、極上オススメ温泉は「全国極上温泉マップ」にて紹介しています!

2019年5月14日火曜日

神話を感じる巨石「竪破山(たつわれさん)」【茨城県日立市】

火山列島である日本には山に限らず様々な場所に多くの巨石や奇岩があります。
地政学が進んだ現在では、その性質や成り立ちの多くは解明されていますが、その奇妙奇天烈な形は自然の偶然が重なって生まれたものなのは事実で、今でも多くの驚きを与えてくれます。

そういった巨石・奇石ですが、日本の中でもトップクラスのものが茨城県の里山にあると聞き今回訪れてみることにしました。

さて、どんな奇石が待っているのか!?
紹介したいと思います。

「竪破山(たつわれさん)」(658m)
*山頂直下の黒前神社
2019/3/17

その奇石があるのは茨城県日立市の「竪破山(たつわれさん)」。
茨城県と福島県の県境に広がる阿武隈山地に位置します。

常磐道の日立北ICを降り、県道60号を進むと大きな看板が見えてくるので比較的わかりやすいと思います。

看板に沿って細い道を進むと登山口に着き、そこから少しダートを進むとトイレもある広めの駐車場があります。
知名度から満車になることは無いと思います(笑)

駐車場にはコース概要図があるので、ちゃんとチェックしておきましょう!

登山口からは里山らしい鬱蒼とした樹林帯の緩やかな登りが続きます。
少々、この季節花粉症の方はキツイかも知れませんね…。


登り始めて早々に「不動石」「烏帽子岩」といった巨石に出会えます。
樹林帯に中に佇む巨石は存在感がありますね。
巨石一つ一つにその石にまつわる逸話が書かれているので、なかなか興味が引き立てられますね。

山頂にある黒前神社の入口の鳥居までやってきました。
この鳥居をくぐれば山頂の神社まで一直線ですが、目的の奇石はここからちょっと寄り道した場所にあるので、まずはそちらに向かいます。

そして、今回の目的の奇石とは…

この「太刀割石」!!
見事なまでに真っ二つ!これまで自分が見てきた奇石の中でも珍しさトップクラスですね!

人物対比だとこんな感じ。写真でみた印象よりかなり大きいです。

常陸国風土記よると奥州遠征に赴いた八幡太郎源義家がこの山に祭られている黒坂命より大太刀を授かり、それで巨石を割ったとされています。
確かにこの綺麗な断面を見ると昔の人が神々の存在を感じてしまうのも大いに納得していまいますね。

実際の所は風化で丸くなった花崗岩の亀裂に木の根が入り、その成長によって割ったそうです。

奇石を堪能した後は先ほどの鳥居をくぐり山頂直下の黒前神社へ。


黒前神社から、もう少し登ると山頂へ到着します。
山頂自体は木々に囲まれ展望はありませんが、立派な展望台があるので登ってみましょう。


展望台からは太平洋や北茨城の里の山々の展望が広がっています。
この日は天気も良く、薄っすらとですが筑波山も展望できました。

そして、このまま下山。
結構、のんびり登ったつもりでしたが、登りも合わせて3時間程度のお手軽里山ハイクとなりました。
山としては少し物足り無いかも知れないですが、「太刀割石」は巨石・奇石好きの方なら一見の価値はあると思いますので、是非訪れてみては如何でしょうか?

以上!