ラベル 南アルプス の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 南アルプス の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2021年12月7日火曜日

南アルプスの女王様「仙丈ケ岳」【長野県 山梨県】

 山に登っていると人間以外に様々な「男」と「女」を見かけます。
なにかと急峻だったり急坂だったりするものには「男」、それに対するように穏やかだったりなだらかだったりするものに「女」が冠されています。
例えば筑波山の男体山・女体山、丹沢大山の男坂・女坂、などなど挙げればキリが無い気がします。

今回山旅レポする「仙丈ケ岳」は穏やかなカール状の地形が女性ライクで南アルプスの女王様と呼ばれています。
じゃあ、王様は?って考えるとなんとなく「北岳」を思い浮かべる人が多いと思いますが、色々調べてみると「仙丈ケ岳」が女王たる所以は、甲府側から南アルプスを見ると「甲斐駒ケ岳」の影に隠れて見ないことから、その奥ゆかしさ故の女王様という説もあるようで。
その説では王様は「甲斐駒ケ岳」になるのですが、自分としてはその方がなんとなく「仙丈ケ岳」が可愛く感じれるのでその説を推したいですね!(笑)

では、前振りはこれくらいにして山旅レポいってみましょう!

「仙丈ケ岳」(3032m)
*子仙丈ケ岳から望む

コース:北沢峠→子仙丈ケ岳→山頂→馬の背ヒュッテ→北沢峠
累積標高:±1225m

コースは戸台口(仙流荘前)からシャトルバスで北沢峠に行き、そこからの周回コース。
まあド定番ですね。
この日は久々に晴天予報の日曜日ということで5時半始発のバスにも係わらず4時くらいから人が並び初めていました。

それにしてもここに限らずシャトルバスを使う所は並び方にそれぞれルールがあるのが悩みどころ。
ここ戸台口はバス乗車場所に先に荷物をおいて、人はチケット販売所に並ぶルールな様ですが、知らずに荷物を持ってチケット販売所に並んでいるとバスに乗るのは後回しにされてしまいます。
個人的にはこういった場所は初見でもわかるようにルールを決めて表示しておいて欲しいと思いますね…

自分は車中で前泊していて、たまたま4時頃トイレに行った時にすでにバス停に荷物が置かれていたのを見かけたので、自分もすぐに場所取りできましたが、それが無かったら始発のバスに乗れなかった気がします。

とりま始発のバスで北沢峠に到着。
仙丈ケ岳と同じく最短で登れる甲斐駒ヶ岳には過去3回登ってますが、いずれも山梨県の尾白から黒戸尾根で登ってるので、実は北沢峠は初めて。

仙丈ケ岳への登山口。
北沢峠からの日帰りCTは約7時間。
帰りのバスまで十分時間はありますが、バス停に並んでいたたくさんの人が列を成して登るのを想像するとげんなりしてしまうので、あまり人が来る前の登頂を狙い気持ちペース早めにスタート!

南アルプスらしい深い樹林帯の中、標高を上げていきます。
人気のあるコースでコースも整備されているのでさくさく歩けますね。
北沢峠で既に標高は2000mを超えており、朝も夏日の下界とは空気が違います。
さわやか~!

あっと言う間に5合目の藪沢・小仙丈ケ岳分岐に到着。
自分はもちろん仙丈ケ岳カールを真っ先に見たいので小仙丈ケ岳方面へ!
下山は藪沢小屋を経由してここに戻ってくる予定です。


6合目を過ぎると森林限界突破。
後ろを振り返ると甲斐駒ヶ岳の凛々しいお姿がどーーん!
今までは甲府方面からしか見たことなかった甲斐駒ですが、こちらからのお姿もかっこいい!鋸岳への稜線もよく見えるので、甲府方面から見た姿よりどっしりした感じをうけますね。

そして、小仙丈ケ岳に到着。
本山旅で一番楽しみにしていた仙丈ケ岳のカール地形。
最高の天気の下で望めて感無量。
南アルプスも氷河に覆われていた時代があったと考えるとロマンを感じますね!


そして山頂までは最高の稜線歩き。
後ろには北岳や鳳凰三山の南アルプス北部の山々と、北岳の後ろにひょっこり富士山。
さすがは3000m峰!
久々にアルプスの高山風景を思う存分楽しめました。

そして、程なく山頂到着。
ありがとう御座いました!


展望は申し分なし!
中央アルプスに北アルプスもばっちり!そして南アルプス南部への稜線がなんとも雄大。
いつかは歩きたい仙塩尾根。
塩見岳から見た時も思いましたが、やっぱりキツそうですね…笑

ペース早めに来たおかげで静かな山頂を楽しむ事ができました。

山頂を後にして仙丈小屋まで降りてきました。
さて、ここで時刻は10時前。
予定では帰りのバスは15時としていましたが、このまま下山すれば13時のバスに間に合いそうです。
ホントはここで昼食をとる予定でしたが、昼食には少し早いのとバスも中途半端に13時便を逃すと2時間待つことになるので、昼食をキャンセルして下山を早める事にしました。
のんびり昼食&お昼寝でも良かったのですが、茨城までの帰路と明日は魔の月曜日という事を考えると…、社会人の性が妬ましい…!


そんな訳で後ろ髪惹かれる思いでサクサク下山!
途中には食害防止用の柵が多くあったのが少し痛々しかったですね…

結局、12時前には北沢峠に戻ってきてしまいました。
昼食タイムしてる時間はあったみたいですね、勿体ない…
山と高原地図のCTは相当甘くなってるようです。

折角来たのに速攻で降りてきてしまったのは残念でしたが、とりあえずお疲れ様でした!

下山時に乗り継ぎバスの間の徒歩区間でアサギマダラの群れを見かけました。
名前だけは知っていましたが、実物をまじまじ見るのは初めて。
フワッフワッと舞う姿はなんとも優雅。
こんな小さな身体に渡りをする持久力は備わっているとは驚きですよね。
いいもの見れました。

なんとなく仙流荘までの道のりが遠いのと、シーズン中の人の多さを懸念して後回しになっていた仙丈ケ岳ですが、最高の日に登れて本当に良かったです。
一番見たかった迫力のカール地形も堪能でき大満足な一日でした。
次に機会があれば、やっぱり塩見岳と繋いでみたいですね~

以上です!

2020年4月12日日曜日

冬の始まりの甲斐駒ケ岳 【山梨県 長野県 南アルプス】

甲斐駒ってちょーーカッコイイですよね!!

って、微妙に頭悪い一言で始まりましたが、共感してくれる人は多いはず!
あの甲府から眺める急峻な山容は日本屈指のイケメンな山だと思っています。
日本10名山を選べと言われれば入れ込む人も多いのでは無いでしょうか?

もちろん自分も大好きな山なので過去夏に2回ほど登っていますが、いずれも天気に恵まれず山頂からの展望は見たことがありません(泣)
そんな相性の悪い山なので、普通は嫌いになってもしょうがないのですが、それでも好きなのはやっぱりあの下界から見える威風堂々とした山容のおかげかと。

そんな訳で夏に登るのはちょっと及び腰になってしまったので(笑)、次は冬に!と考えていたところ2019の12月中旬に天気と休みのタイミングが合ったので突撃きました!

さて、3度目の正直となるか?2度あることは3度あるになったのか?
レポいってみたいと思います!!

甲斐駒ケ岳(2967m)
*黒戸尾根五合目小屋跡付近より望む

<1日目>

今回は尾白の駒ケ岳神社から黒戸尾根を登り七丈小屋で一泊して、山頂付近で御来光、そのまま朝陽に染まる南アルプスを堪能する予定です。

この甲斐駒ケ岳は北沢峠から登るのがメジャーですが、過去自分が登ったのは全て黒戸尾根。別にMって訳ではなく(笑)長野県側に回り込むのが面倒くさいだけです。
茨城県から来る場合は都内を抜けるってだけで精神的疲労があるので、それにプラスして南アルプスを迂回して裏側に回り込むのは距離以上に遠く感じてしまうのですよ。

それにもうこの時期は北沢峠までのバスは無く、更に今年(2019年)は台風19号の影響で河原沿いの路は崩壊しているので、今甲斐駒登るなら黒戸尾根一択でした。

まあ、3回目で勝手はわかっているので気軽なもんです。

駒ケ岳神社の脇の吊り橋を渡り入山。
南アルプスは吊り橋渡って入山、て山が多いですよね。
なんか冒険の始まり!って感じがしてワクワクします。

少し登ると尾白渓谷遊歩道との分岐があります。
尾白渓谷への路は台風の影響で通行止めになっていました。通常時もそれほど安全な路では無かったのでしょうがないですね…。早い復旧を願ってます。

その後は延々とした樹林帯の登りですが、ちょうど朝陽も差し込み山々が輝き初めました。
登山道はふかふか落ち葉がどっさり、冬の始まりを感じさせます。

経験上こういう道は登りは良いですが、下りは足元を捕られやすく難儀するんですよね…
(案の定、帰りは難儀しました(笑))


笹ノ平分岐を過ぎると植生が変わり、その名の通り笹原が広がります。
しばらくはやや傾斜も緩くなるので、個人的には黒戸尾根の癒しタイム。

その後の急登を超えると、ぽっかり視界が広がります。
そう、ここが黒戸尾根で有名な「刃渡り」。

刃渡りではこれまでで一番の展望が広がります。
特に八ヶ岳方面の展望は疲れを吹き飛ばしてくれる絶景!
…まあ、しかし12月中旬と言えども八ヶ岳の雪の少なさにはびっくりです。

逆方向に目を向けると富士山もひょっこり。

その名の通り両側は切れ落ちた断崖絶壁なので、展望に見とれて足を滑らさないように気を付けて下さい(笑)

刃渡りを過ぎると登りも一段落し、五合目までは比較的緩やかなトラバース道になります。
そして、植生もまた変化して今度はコケ蒸した森に。

ふかふか落ち葉から始まって、笹原を経てコケの森へ。色々な山の姿がみれてなかなか面白い道だと思います。


そして、少しだけ標高を下げ休憩スポットの五号目小屋跡に到着。
ここからは迫力の甲斐駒の本峰が望めます。
南アルプスでは12月の初めにそこそこ雪がふったおかげで雪はしっかり残ってそうです。
明日は今冬シーズン初の雪踏みになりそうで楽しみ!

さて、ドM御用達の黒戸尾根はここからは本番!梯子地獄の始まり~!
ちなみにこの新しい梯子が掛かっている場所は台風19号で崩落した場所ですが、ちょうど先週復旧したそうです。
山関係者のすばやい対応には感謝しかありませんね。

7合目の七丈小屋までは、垂直に近い梯子&鎖場の連続。
今となっては、先も読めるので気軽なもんですが、初めて登った時には五号目までの疲れもあって完全に心を閉ざして登ったのは良い思い出です(笑)

この時は小屋近くになってくると着雪や凍結も多くなり場所によってアイゼンがあった方が良い感じでした。

そんなこんなで七丈小屋到着!初日はここまで、お疲れ様でした!
普段は人気の山小屋ですが、この日は先週の積雪と、登山道が復旧した直後って事で比較的空いてたように思えます。

日が沈みかけた頃、ぶ厚い雲が掛かり雪が舞い始めました。
日常も含めて今シーズン初めての雪、明日の新雪に期待して就寝。
おやすみなさい…

<2日目>

おはよう御座います!

計画通り森林限界を超えた頃に御来光迎えるべく5:00に出発!

甲府の夜景をバックに月灯りとヘッドランプを頼りに順調に標高を上げていきます。
しかし、予想より風が強くなかなかハードコンディション。
更に雲が多くて御来光が微妙な感じ。ちょっとテンションが下がってしまいますね…

八合目、御来迎場に到着。
ここで御来光を拝む予定でしたが、少し早いようでもう少し先に進むことにしました。

八合目以降は傾斜のキツイ岩場とルンゼが続く難路。
着雪もまだまだ甘く、岩と氷のミックスで不安定なのでなかなか緊張感がありますが、久しぶりにアイゼンとピッケルでしっかり登っている感覚は楽しい!

と、良い感じに登っていると、雲と雲の間から御来光!!

と同時に、黄金に染まる山肌。
今回も登って良かった!と思えたわずか2分程度の絶景でした。

甲斐駒名物、二本の鉄検と富士山と鳳凰三山!
朝焼けバックはなかなかの神々しさでした。

さて、危ない場所も過ぎて山頂直下の稜線へ。
太陽は再び厚い雲の中に隠れてしまい冬らしい色の無い世界に。
でも、この引き締まった雰囲気は嫌いじゃありません。

山頂到着。ありがとうございました!
天気予報では晴れ予報だったので、この雲の多さはちょっと残念ですが、視界があるだけでもう最高(笑)

北岳方面

仙丈ケ岳と中央アルプス方面

山頂からはこんな景色が広がっていたんですね…(感無量)

まだまだ風もあり、のんびりできる環境では無いので、この景色を心に刻んで早々に下山開始。

正面に八ヶ岳を望みながら稜線を下っていきます。

晴天を信じてやってきた3回目の甲斐駒でしたが、ガスにまかれてNO展望だった過去2回よりマシとはいえ、この雲の多さに残念だったのが正直なところ。
ただ、冬の南アルプスの力強さと美しさを感じる事ができたのは良かったです。
次こそはこの景色を青空の元で見よう!と冬の甲斐駒再トライを決意しました。




帰りの黒戸尾根から甲斐駒本峰。
晴れてるようだが、きっと気のせい…(笑)

以上です!
長文でしたが、最後まで読んでくれた人、ありがとう御座いました!

2018年12月27日木曜日

2018年 総括 【思い出に残った山旅ランキング2018】

2018年もいよいよ終わりが近づいてきました。
登山という趣味にハマって約6年となる訳ですが、年々登る回数が増えていき、今年はなんと登った主なピークは42、入山日数は47日となり、記録更新となりました。

ざっと羅列するとこんな感じ。

・2018/1/4 陣場山・高尾山
・2018/1/7 赤岳
・2018/1/20 磐梯山
・2018/2/10 雲竜渓谷(日光)
・2018/3/3 守門岳
・2018/3/10 武尊山
・2018/3/24 大六天山(牡鹿半島)
・2018/3/26 泉ヶ岳
・2018/3/31 遠見尾根
・2018/4/8 筑波山
・2018/4/21-2 雲取山
・2018/4/28 恵那山
・2018/5/6 弘法山(神奈川)
・2018/5/12 高原山
・2018/5/20 宝篋山
・2018/5/26 七時雨山
・2018/5/26 八幡平
・2018/6/2 巻機山
・2018/6/17 帝釈山・田代山
・2018/6/30 越後駒ケ岳
・2018/7/1 浅草岳
・2018/7/14-15 大朝日岳
・2018/7/22-23 塩見岳
・2018/7/29 西吾妻山
・2018/8/15 八丈富士
・2018/8/18 高妻山
・2018/9/9 筑波山
・2018/9/16-17 瑞牆山
・2018/9/23-25 荒川岳・赤石岳
・2018/10/7 石鎚山
・2018/10/8 瓶ヶ森
・2018/10/13 樽前山
・2018/10/15 オロフレ山・有珠山
・2018/10/20 筑波山
・2018/10/28 鶴見岳
・2018/11/3 女峰山
・2018/11/18 伊吹山
・2018/11/24-25 天狗岳(本沢温泉)
・2018/12/16 那須岳
・2018/12/24 黒岳・釈迦ヶ岳(御坂山地)

…9日中1日は山にいるって考えるととんでも無いですね。(笑)

去年の入山日数は39日で「もうこれが限界だろ!」って言っていた割にはあっさり更新してしまい、どんどん変態の領域に突入している自分が誇らしいやら悲しいやら…。

まあ、それは置いておいて…、
毎年恒例になっている「今年登って思い出に残った山旅ランキング ベスト3」を紹介したいと思います!

<第3位!>
磐梯山(厳冬期)2018/1/20

天気や積雪によっては難しい雪山ではありませんが、2017年はちょっと怖い思いで敗退し、雪山に対してちょっとトラウマになりかけました。
でも、このままではいかん!と気合を入れ今年にリベンジ。
条件にも恵まれたおかげて山頂に立てた時は達成感もひとしおでした。

個人的に上の写真の櫛ヶ峰と磐梯山の鞍部から望む磐梯山は狂おしい程好き。

<第2位!!>
大朝日岳 2018/7/14~15

初日のガッスガスから二日目の大晴天の逆転カタルシス!
凄い勢いで抜ける雲の中から現れる東北らしいおおらかな稜線は感動ものでした。
ヒナウスユキソウのシーズンはちょっと外してしまったのが唯一残念でしたが、花の楽園である事は十分に感じられました。

やっぱり自分は日本アルプス方面より東北の方が好きなんだな~って再確認できました。


<第1位!!!>
荒川岳、赤石岳縦走 2018/9/22~24

これ以上は無い!って断言できるほどの天気の中で、南アルプス屈指の大展望の稜線を満喫。CT11時間という歩き応え抜群の縦走路もあって達成感も相当なものでした。
山の魅力を、これでもか!って味わえた山旅でしたね。


ランキングは以上ですが、守門岳の巨大雪庇、田代山のワタスゲ天国、七時雨山のイーハトーブの世界などなど、その山でしか見ることができない風景を見ることができ、楽しい一年となりました。

来年もまだ見ぬ風景求めて駆け回りたいと思います!

最後に、2018年も大きな怪我や事故無く登らさせてくれた事に山や自然の神様に感謝を。そして、自分が山に登れる時間を与えてくれている家族や友人、会社の仲間たちに感謝を。
ありがとう御座いました!!

来年もよろしくお願いいたします。