2017年10月17日火曜日

北アルプス黒部源流域 ぐるっと大縦走 その2【薬師岳・黒部五郎岳(2日目)】

その1からのつづきです。

2日目、おはよう御座います!
今日はまず薬師岳山頂に立ち、その後、北ノ俣岳、黒部五郎岳を越えて黒部五郎小舎までの道程です。

「黒部五郎岳」(2840m)
*鷲羽岳山頂手前より望む(3日目)


とりあえず、未明に昨日登頂を諦めた薬師岳に向かいます。

雲一つ無い天気で御来光も期待大!

しかし、とにかく寒い!!
今日は今シーズン初の冬型の気圧配置という事で氷点下&強風のコンディション。
何も知らず夏山装備で来てたら山荘から出れないレベルですが、天気予報で前もってわかっていたので防寒は万全。
最近の天気予報の精度にはホント助かっています。


ほぼ御来光同時に山頂到着!


染め上げられた薬師岳山頂と、朝焼けに浮かぶ山々のシルエットが美しすぎます。
これからの山旅が最高なものになると予感させてくれる最高の日の出でした!!

さて、この絶景をしばし堪能したいところですが、2日目はCT10時間越えの長旅になるので、あんまりのんびりとはしていられません。

薬師岳山荘に戻り荷物を回収して、いざ出発!


行きには見られなかった景色を満喫しながら太郎平まで戻ります。
しかし、朝方に比べるとどんどん雲が沸きたってきて、なんかイヤ~な感じ。


案の定、北ノ俣岳への登りに入る頃にはすっかりガスの中。
草紅葉の湿原や紅葉したチングルマがモザイク模様を描いており、晴れていれば最高に気持ちの良い散歩道になりそうなのに、残念!

北ノ俣岳到着!
この頃にはガスだけでなく雨にも見舞われる事態に。
まさか2日目も雨具のお世話になるとは思いませんでした…。

しかし、予報では気圧の谷は昼頃には抜け回復に向かうと言っていたので、それを信じて前進あるのみ!

そして、黒部五郎岳の手前に来ると待望の青空が!
よし!そのままいってしまえ!!

黒部五郎岳への最後のキツイ登りです。
でも、登れば登るほど青空が広がり疲れなんてなんのその!
思わず「ゴロー!!」って叫んでしまいました。

黒部五郎岳山頂!
ゴロー!ありがとう!(馴れ馴れしい


山頂からは黒部五郎岳を象徴する壮大なカールと、その先に鷲羽・水晶岳の稜線。
更に遠くには槍ヶ岳・穂高連峰の展望が広がっていました。

イヤッホー!最高!!

また、後ろを振り返ると今日歩いてきた薬師岳・北ノ俣岳の稜線が。
ちなみに右のちょっと雲に隠れた白いピークが薬師岳、左の大らかなピークが北ノ俣岳です。

ガスガスの世界から一転、この大展望!
逆転のカタルシスが堪りません!

意外にも自分以外だれもいなかったので、時間が許す限りこの景色を独占させてもらいました。

黒部五郎小舎への下山はカールコース。
カールの斜面を降り切ると圧倒的スケールで黒部五郎岳のカールが迫ります。
これは写真では伝えられない大迫力!凄い!

また、カールの中には澄んだ水の沢が流れており爽やかそのもの。
夏だったら間違い無く飛び込みたくなりますね。
…
…もう、寒くてそんな気分にはなりませんが。

更に標高を下げると紅葉が綺麗な樹林帯へ。
その奥には三俣蓮華岳や鷲羽岳・水晶岳のパノラマ風景が広がり北アルプスの秋を堪能できました。

本日のお宿、黒部五郎小舎に到着!
この山小屋もシンプルで清潔感もあり良い感じ。
宿泊客も10名前後で快適な山小屋ライフを送れました。

また、先日の薬師岳山荘と同じ登山者も数人いて、話してみると今回の自分の工程と同じって事で山談義に花が咲きます。
テントと違ってこういう一期一会的な出会いも小屋泊の楽しみの一つですよね。

また、その日の内に折立からここまで来た70歳近い方もいてびっくり!
自分もその歳までそれだけ歩ける体力があれば嬉しいですね。

小屋は窪地にあるので夕陽は拝めませんでしたが、夕闇に沈む笠ヶ岳や黒部五郎岳が印象的でした。

2日目終了!
お疲れ様でした!!

その3(3日目)に続く!

2017年10月15日日曜日

北アルプス黒部源流域 ぐるっと大縦走 その1【薬師岳(1日目)】

さて、いよいよやってきました!
2017年夏シーズンのメインイベントと位置付けていた北アルプス黒部源流域の周回縦走を9月の末に決行してきました!

日程は前もって有給を2日間取り、木~日曜日までの4日間。
天候によっては南アルプスの赤石・悪沢・聖、もしくは東北の大朝日と候補を立てていましたが、4日間中3日間は好天に恵まれそうだったので、予定通り北アルプスへ!

いや~、さすがに2日間も有給取って悪天だったら悲惨だったので、休み前の天気予報にはドキドキでした。

とりあえず1日/1ブログで全4回で綴っていきたいと思うのでお付き合い頂けると嬉しいです。

全日程は以下の通り。
9/28(木) 折立→太郎平→薬師岳山荘
9/29(金) 薬師岳山荘⇔薬師岳→太郎平→北ノ俣岳→黒部五郎岳→(カールコース)→黒部五郎小舎
9/30(土) 黒部五郎小舎→三俣蓮華岳→鷲羽岳→ワリモ北分岐⇔水晶岳→祖父岳→雲ノ平山荘
10/1(日) 雲ノ平山荘→太郎平→折立

テント泊も考えましたが、テント3泊4日分の荷物を担いで今回の工程を歩き切る自信が無かったので素泊まり小屋泊で行きました。

では、その1は1日目、薬師岳山荘までをお届けします!

「薬師岳」(2926m)
*水晶岳山頂から望む(3日目)

前日、水曜日に仕事を終え一路折立へ向かいますが、折立駐車場のある有峰林道は6:00~20:00までしか通行できません。
なので、途中の道の駅「細入」で車中泊し、林道が開くタイミングに合わせて駐車場に入りました。

1日目は予報通り朝方は大雨。
予報では林道が通行止めになる程度の大雨の可能性もあったのですが、とりえあずそれは回避。

また、当初は1日目に薬師岳登頂を済ます予定でしたが、それは諦めて薬師岳山荘までのアプローチまでとしました。
なので出発は10時頃でも余裕なので雨が弱まるまでしばし車の中で待機。
っていうか眠かったので、2度寝しました。
…
…
9時前に目が覚めると、雨も落ち着いていたのでスタート!
久々に完全雨仕様、こういう機会でも無いと雨の日にがっつり登る事も無いので、逆にちょっとワクワクしてきました。


案の定、登山道は完全に沢状態。
場所によっては滝を遡上している感じで、これはこれで楽しい!

森林限界も早々に越え、広い尾根路に出ました。
崩壊気味な場所もありますが、石畳が整備され歩き易い登山道です。
さすが北アルプスの人気の山ですね!

そこで、ふと先を見ると雷鳥さんが!
今シーズン、初雷鳥なので嬉しかったです。

すぐに逃げられると思いましたが、常に自分の3mくらい先を維持して、自分が進むと雷鳥さんも進み、止まると雷鳥さんも止まってこっちの様子を伺うような感じで、しばらく一緒にお散歩。
なかなか人懐っこい雷鳥さんで楽しい経験をさせてもらいました。

やっぱり雨の日も楽しい事はありますね!


太郎平に到着。
ここでやっと黒部源流域の北アルプスの峰々が望めるはずですが…
うむ、やっぱり駄目ですね。

でも、ここは周回コースの起点なので、明日や最終日にも通過するので、その時のお楽しみって事で。

薬師峠を越え更に標高を上げ稜線に出るとガスの中に時折青空が見え始めました。
そのまま抜けてしまえ!って念じるも残念ながら再びガスの中。

稜線途中にはチングルマの綿毛の群落もあり、満開の時には素晴らしい景色が広がりそうですね。
また、雪解けの頃に訪れてみたくなりました。

とりあえず薬師岳山荘に到着!
お疲れ様でした。

さすがに平日ど真ん中の雨の日って事で宿泊客は8名程度。
作りはシンプルですが清潔感があり、快適に過ごせました。

小屋入り後はビールで駆け付け一杯やりながらのんびりダラダラ。
ガスが抜けようものなら山頂に行こうと伺っていましたが、その気配は無くその日の登頂は完全に諦め。

そして、夕飯を食べ終わってちょっと外出てみると雲が抜けつつありました。
もしかして、沈む夕陽が見れるかな~って思って山荘のすぐ横にある高台に。

すると…、


雲の隙間から一瞬だけ顔を出した夕陽と、薄いガスが重なって視界一面オレンジ色の世界が広がりました。
後を見るとその光に照らされた薬師岳も姿も…。

ほんの数分の自然が作り出す光の舞台に言葉も無く見入ってしまいました。
これは雨の日に頑張って登ったご褒美ですね。
良いもの見れました!!

また、夜景に移り行く富山市街も綺麗に見れました。
これだけ見えると市街からも薬師岳はよく見えるんでしょうね。信仰の対象となるのも納得。

そんな感じで、久々の雨登山でしたが最後に絶景が見れて良い気分で初日終了。
おやすみなさい…。

その2(2日目)につづく。

2017年10月10日火曜日

ここより先は原生の自然「羅臼岳」【北海道斜里町】(世界自然遺産)

百名山を有する世界遺産は屋久島(宮之浦岳)と知床(羅臼岳)があります。
以前の屋久島登山のブログでの綴ったように、自分は登山のイロハを知る前に屋久島の宮之浦岳に登っており、登山にハマる大きな切っ掛けになりました。

そして、この羅臼岳も世界自然遺産にある百名山であり、また登山を始める前に知床を訪れて自然の雄大さに感動した思い出も重なり、登ってみたい山の上位にありました。

でもやっぱり遠い事やヒグマが怖い等の理由で敬遠していましたが、今年、気合一発登ってみる事に。

訪れたのはヒグマの活動が多少大人しくなる9月の連休の16~18日、当初の計画では17日に羅臼岳、18日に斜里岳に登り、18日の夜の便で羽田に戻ってくる予定でしたが、この3連休まさかの日本列島台風直撃。
北海道はかろうじて17日は台風は影響は小さいものの、18日は直撃は避けられないと言う事で急遽18日の朝の便に変更して道東に到達する前に台風を飛び越えて帰ってくる計画に変更。

折角の北海道なのに、実質丸1日だけの滞在となり、勿体無い!
まあ、でもまた行ける理由ができたので良しとします。

では、前置きはここまでにして早速レポいってみましょう!

「羅臼岳」(1661m)
2017/9/17
*羅臼平より望む

コース:岩尾別温泉からピストン

前日は夜の便で羽田から女満別に降り、レンタカーを借りて網走のビジホで前泊しました。
本当は初日も早めに知床に入ろうと思っていましたが、マイレージを使ってのタダ乗り枠が夜便しか無かったのでこんな行程になりました。
まあ、9月の連休にマイレージを使えただけでも大助かりですけどね。

当日は午前5時頃、網走を出発しました。

網走港付近を走っている頃に夜が明け始め、朝焼けに浮かぶ知床半島の姿が見えてきました。
すぐに近くのパーキングに止めて一枚。
知床半島の峰々のシルエットと朝焼けのグラデーションがなんとも美しかったです。
一日の始まりにこんな風景を見せてくれて感謝!

そして、6時過ぎには登山口の岩尾別温泉のホテル地の涯の駐車場に到着。
もうシーズンも終わり間近なので空いていると思っていましたが、駐車場はほぼ満車でした。

ここには有名な露天風呂があるって事で登山後の楽しみにしていましたが…。
…あれ?
ホテルに全く人の気配がありません。
気配が無いどころか入口に板が打ち付けられており完全に閉鎖状態。
もちろん露天風呂も立ち入り禁止。

戻ってから調べてみましたが、2017年は休業中と事ですが、再開の目処も無く廃業の可能性が大との事。
いつかは行きたい温泉と考えていましたが、その機会は失ってしまったのでしょうか。
うーむ、残念。

とりあえず、気を取り直して登山開始!
ホテルの裏手には登山基地の木下小屋があります。

羅臼岳登山の前泊等やクマスプレーのレンタルもやっているので自分もスプレーをレンタルしようと思っていましたが、早朝は開いていませんでした。
帰りの14時頃は開いていたので、宿泊客がいないと朝はやっていないのかも知れません。
当てにしている人は注意して下さい。

スタートからしばらくは鬱蒼とした森の中を行きます。
普段は自然の声に耳を澄まして歩くのが好きなのでクマ鈴はつけない主義ですが、今回は話は別。しっかりとクマ鈴を鳴らしながら進みました。
クマさん、すみません。ちょっとお邪魔しますよ…。(ドキドキ)

時折、木々の隙間からはオホーツク海が展望できます。
どこまでも青い海と濃い緑が広がり自分が深い自然の中にいる事が実感できます。

極楽平までやってきました。
名前から開けた場所なのかと思いましたが、思ったより視界は広がらないですね。
でも、ここでやっと羅臼岳の本峰が見えてきます。

極楽平を経て、仙人坂という急登を越えると大沢入口に。
その名の通り今度は尾根道を離れ沢道に。

そして、ここからは高い木々も無くなり展望が広がります!
沢の両側の斜面は紅葉の色付き始めで、なんとも鮮やか。

後を振り返るとオホーツク海と知床の森の大展望!
森の中に湖が点在していますが、ちょうどあそこが有名な知床五湖ですね。

山を始める数年前にあそこから見た羅臼岳に登っているとは、当時は想像もしてませんでした。


大沢を登り切ると広大な羅臼平に出ます。
春にはエゾコザクラやエゾツツジが咲き乱れる様ですが、もう花の姿は無く、その代わり三ッ峰方向の斜面の紅葉が鮮やかでした。
そして、主峰の羅臼岳の全容も望め、あと一息!


主峰への登りは紅葉が進んでおり色鮮やか。
後ろを振り返ると徐々に知床連山の全貌が見えてきます。
いや~テンション上がりますね!!

山頂直下は高度感のある岩場なので、慎重に行きましょう!

羅臼岳山頂!!
ありがとう御座います!!


知床連山を境にウトロ(オホーツク海)側は大展望でしたが、羅臼側は雲が掛かっていました。両端を海に挟まれた知床半島はほとんどの場合はどちらかに雲が掛かる天気が多いそうなので知床らしい風景だと思います。
でも、遠征先でこれだけの天気に恵まれた事に感謝!

と、山頂展望を楽しんでいるのも束の間、30分後くらいには羅臼側の雲が山頂に掛かり始め、あっという間にガスの中。
そそくさと下山開始。

と、ガスの中、羅臼平まで降りてきたところ、恐れていたヒグマさんと遭遇。
50m先ぐらいのハイマツの中ひょっこり顔出していました。

ガスの中ってのもありましたが近距離まで気付かなかった事に反省。
そして、何故か頭の中では「森のクマさん」の大合唱(混乱)
とりあえずこちらに気付いているのかどうかはっきりわからなかったので視線を外さず、物音を立てずに距離を取ります。

ヒグマさんはあまりその場から動かなかったおかげですぐに距離が確保でき一安心。

と、その時に笛の音が響きます。
多分、後続の登山者が気付いて鳴らしたものと思いますが逆にヒグマさんも立ち上がって周辺を伺い始めました。
こっちに逃げてこられても困るので、足早にその場から離れました。

う~ん、あの場合は笛を鳴らすのが正解かどうか微妙な感じがしますね。


下山時は登りと同じ道を戻ります。
登りと違って太陽も高くなっており、涼しい風の中気持ちよく歩けました。
そして、無事、岩尾別温泉ホテル前に下山完了。
お疲れ様でした!

登山後に立ち寄った知床五湖から見た知床連山は完全にガスの中。
良いタイミングで登れて本当に良かったです。

では、総括。
日本最東端の百名山であり、世界自然遺産の一部であるこの羅臼岳。
もっと自然の近い姿だと思っていましたが、予想以上に登山道が整備されており登りやすい山でした。
しかし、やはりそこは近年まで人の手が入らず海と山が密接に関係し、ヒグマを生態系の頂点として成り立っている自然の王国で人は立ち入っていけない雰囲気を感じます。

自分の中では今日会ったヒグマに、
「これより先は原始の自然、人間様は遠慮してくれ」
そんな事を言われた気がします。

この羅臼岳より先、知床連山への縦走路が延びていますが、今の自分には立ち入る技量も勇気も無いのでヒグマさんの言うとおり遠慮しておこうと思います。

でも、とりあえずこの好天の羅臼岳に登らしてくれて感謝!
みなさんも羅臼岳に限らず山に登る時は自然の中にお邪魔させてもらっているという気持ちを忘れずにいたいですね。

以上です。