2020年5月19日火曜日

修行のその先に「七面山」【山梨県南巨摩郡】

日本には宗教の聖地となっている山が数多くあります。
今回紹介する「七面山」は今でも日々修験者を受け入れて信仰の山の姿を色濃く残している数少ない山です。
「七面山」は「身延山」と一緒に日蓮聖人によって法華経の聖地とされ、頂上近くには久遠寺に属する敬具院と修験者を受け入れる宿坊が建っています。

そういった歴史もあってか「七面山」は日本二百名山に選ばれていますが、レジャーとしての山と考えると結構地味な部類に入るそうなので、地元の人や二百名山を狙ってる人以外はあまり登る機会が無い山かと思います。

そんな山なのに、何故自分が登ったのかと言うと…

ぶっちゃけ半分は前回ブログで紹介した奈良田の温泉に行くついで(笑)
残り半分は、修験の山に少しばかり興味があるくらいでしょうか。

どういった部分に興味を感じるかというと、修験の山と聞くと訳ありの人が登っているイメージ(失礼)で、そのような人たちがこの山で何を感じ、何を得る事ができたのか?
それを自分も登る事で追体験してみたい、上手く言えませんがそんな感じです。

まあ、考えるより感じろ!って事で「七面山」登山レポいってみましょう!

「七面山」(1982m)
*早川沿い県道37号の駐車スペースより望む

2020/2/23
コース:(表参道)→敬具院→七面山山頂→希望峰→敬具院→奥之院→(表参道)
時間:7:00~15:30
累積標高(上り): 1723m
累積標高(下り): 1712m
*ガーミン先生を今回より導入したのでマップと累積標高を掲載します!


登ったのは2月下旬。
この日は今年の暖冬では珍しい強い冬型という事で太平洋側では風は強いものの好天が期待できる天気。ただ、南アルプスに属する七面山には雪雲が流れ込む可能性があったので展望があるかは五分五分。
まあ、温泉メインなのであまり気にせず行きましょう!

スタートは表参道側の春木川沿いの駐車スペースから。
山もシーズンオフなのか、車も少なく静かな山旅が楽しめそうです。

駐車場から登山口の宿坊群を抜けると登山口。
門からしっかりとした面構えで、レジャー目的の自分でしたが少し気が引き締まりました。
よろしくお願いします!

登り始めると写真のような灯篭が点在しており、〇丁目って掘ってあります。
敬具院までの標高差約1400mの間に50丁目まであるようで、そうなると標高28m毎に一つ…、なかなかの頻度ですね…。
ゴールまでの目安がわかるのは悪くないですが、先に何があるのかというワクワク感を重視する自分としては、こういっぱいあるとちょっと…(笑)

登り始めると直ぐに神力坊という宿坊があります。
7時スタートという早朝でしたが、朝のお経が響きわたっており、ここが修験の山だという事が身に感じられます。

登山道は地図を見てもわかるように、樹林帯の中のひたすらまでの九十九折り。
はっきり言って見所はありませんので、途中行程は省略させて頂きます(笑)
とは言え、本来ならお経を唱えながら登る路。
地味な路ほど無心になれるのでこれはこれでありなのかも知れませんね。

無心になって約2時間半で敬具院の大門に到着。
この付近から登山道はアイスバーンが多くなりチェーンスパイクが必須でした。

敬具院をスルーして山頂へ向かう路もありますがそんな失礼な事はできないので、まずは登らせて頂いたお礼に参拝。
お山の上にこんな立派なお寺が建てられているとは…、山の上であることを忘れてしまいそうです。

「ご参拝ありがとうございます。お疲れでしょうから少し休んでいって下さい」と宿坊の方に暖かい声を掛けて頂けたので中で少し休憩させてもらいました。
一般登山者でもこの心遣い、嬉しいですね。

しばし休憩した後、敬具院を後にして山頂を目指します。

写真は敬具院の表門。
ここを通って登山道に戻りますが…

門を抜けた先に広がるのは神々しいまでの富士山を従えた絶景。

修行とも言える単調な長い長い登りを経た先にこの景色が広がっていたら、そりゃ悟りも開けますわ!
日蓮さんが聖地とした理由が少しわかった気がします。

さて、山頂まではもうひと頑張り!
そこそこ雪が残ってますが、ガチガチなのでそのままチェーンスパイクで進みます。

しばらく進むと七面山のもう一つの見所「大崩れ」がお目見え。

はへぇ~、すんごい…
1600年頃に小規模な崩壊が起きた後、1854年の安政の地震にって大規模崩落が起こった場所らしいですが、未だに少しづつですが崩壊は進んでいるそうで…

大崩れ付近からは東側の最高の展望が広がります。

富士山と毛無山方面!

駿河湾と伊豆半島、愛鷹山!

ひゃーーー!最高!!

と、展望を満喫している最中もちょこちょこと石の転がる音が…
あまり長居は危険なので早々に立ち去る事にしました。

その後は大崩れから少し離れた縁を進み山頂に向かいます。

そして、程なく七面山山頂!
ありがとう御座います。

展望はありません!!(笑)

でも、山頂から少し進むと「希望峰」という南アルプス方面の展望が広がる場所があるそうなので行ってみることに。

山頂から希望峰までは更に雪深くなります。
ピンクテープもありますが、迷い易い場所もあるので要注意です。

希望峰到着!
ぽっかり西側が開けている程度で目立ったピークではありません。
一応看板がありますが、小さいので注意してないと見逃すかも…

ちょうど正面から少し右側の笊ヶ岳(双耳峰のピーク)の奥は雪雲が掛かり赤石や荒川は望めず…
ちょっと残念ですが、南アルプスが雪雲を塞き止めてくれてるおかげで、こちらは晴天。
感謝感謝!

希望峰で昼食休憩を取り下山することに。


敬具院まで戻り時間もあったので奥之院まで足を延ばしてみました。
奥之院には七面大明神を祭っている影嚮石(ようごうせき)あり、この石の周りを7回回ると御利益があるそうです。

奥之院からも富士山の見事なお姿が望めます。
宿坊に泊まれば素晴らしい御来光が望めそうですね!

この後はそのまま来た道を戻って下山完了!
お疲れ様でした。

展望の無い永遠とも思える登りを得た先に広がる富士山の大展望!
そして、心安らぐ聖域である敬具院。
当に修験を体験できる山だと思いました。
絶景を求める山旅とは少し違った体験をしたい人にはおすすめかも知れません。

以上です!!

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