2020年6月14日日曜日

誰もが歩く雪の稜線「上州武尊山(冬季)」【群馬県】

一般的な雪山トレッキングを始める初心者の頃、誰もが訪れる山があります。
関東近辺に在住の人であれば、北横岳・赤城山・大菩薩嶺・安達太良山などなど…

今回レポートする「上州武尊山」は個人的にはその中の一座だと思っています。

自分の初めての雪山は2013年の「北横岳」。
あれからもう7年以上経ってるので、初心者向けの「上州武尊山」はもうとっくに行ってると思っている人も多いと思いますが冬季登頂はまだ。

過去2回程トライしていますが、いずれも悪天に阻まれ途中で断念。
グリーンシーズンでは1回登頂してますが、その時もガスガスで展望無しと自分にとってはなぜか相性の悪い山。
そんな理由から「さすがに次に行くときは絶対に外したく無いぞ!!」って脅迫観念に近い考えをもってしまったせいか、ここ数年は気分が遠のいていました。

しかし、今年の3月連休にこれとないチャンスになりそうだったので意を決して突撃。
さて、4度目の正直なるか!?

「上州武尊山」(2158m)
*中ノ岳より望む


2020/3/21
コース:川場スキー場ゲレンデトップ→剣ヶ峰→武尊山山頂→中ノ岳(ピストン)
累積標高(上り): 514m
累積標高(下り): 474m


まずは川場スキー場からリフトを乗り継いでゲレンデトップを目指します。
リフト始動待ちはスキー客と登山客が半々ってところでしょうか。

川場スキー場からリフトを使う場合はリフト券を買う時に登山届の提出が必須。そして更に去年よりココヘリの携帯も義務付けられ無い人はレンタル(有料)する事になります。
まあ、お手軽に雪山の稜線歩きを楽しめる山だけあって初心者の人も多いので、簡単と言えども雪山に登るといった意識付けをする意味でもこういった制約は賛成です。

ゲレンデトップに到着しアイゼンを履いて出発!
写真のようにこの日は約束された好天だけあって大賑わい!次から次へお客さんがやってきます。
この集団に巻き込まれたらたまったもんじゃ無いので、少しスピードを上げてクライムオン!

ゲレンデトップから少し登って剣ヶ峰までの尾根道に取り付きます。
たかだか5分くらい登っただけでこの絶景!このお手軽感はヤバいですね(笑)

剣ヶ峰直下は傾斜もきつく個人的には本コース数少ない危険箇所の一つ。
モデルになってもらった先行者をみれば想像できると思います。
雪質によってはピッケルがあった方が安心かも。

そこを超えてしまえば広々とした雪原。奥のピークが剣ヶ峰。
うーーーん、気持ちいい!

しかし!雪が少ない!!
3月下旬ならまだラッセルしててもおかしく無い武尊山ですが、今年は1ヵ月くらい季節がずれてる感じですね。
これにはちょっとガッカリしました。

とは言えお隣の谷川連峰は雪たっぷり。
距離は近いですがやはり気候の境である脊梁山脈か、そうじゃないかの違いをはっきりと見せつけられますね。

先の先行者を途中で抜いて、剣ヶ峰本日一番のり!
このどっしりと鎮座した武尊山の姿が最高です。

剣ヶ峰を後にして先に進みます。
剣ヶ峰からの下りもなかなかの危険地帯ですが、この時は雪の着きも少なかったので危なさは感じませんでした。


剣ヶ峰を降りきってしまえば残りはウィニングロード!
疲れなんて感じない最高の白銀の稜線歩きが楽しめます。

そして、程なく武尊山山頂!
ありがとう御座います!

やっと出会えた好天の武尊山…、感無量です!


山頂は大パノラマ!
谷川岳はもちろん、尾瀬や越後の山々が展望できます。

そして、武尊山といえばやっぱりこの天を刺すような剣ヶ峰!
いや~カッコイイ!
個人的には武尊山の主役はこの剣ヶ峰だと思ってます(笑)

さて、色々書いてきましたがゲレンデトップから山頂まではわずか1時間半ちょい(笑)
このまま帰ったら消化不良気味になるのは目に見えているので、このまま隣の中ノ岳まで行ってみることにしました。

正面に見えるピークが中ノ岳。
危ない場所もなさそうで30分くらいでしょうか?ではレッツゴー!

近づいて見ると思ったより立派な急峻なピーク。
上からはどんな景色が見えるのか楽しみ!

標識はもともと無いのか雪に埋もれているのかわかりませんが、山頂到着!
日光白根山(左ピーク)や皇海山(右ピーク)の展望が広がります。
もう、日光ほとんど雪無いやん…

そして後ろを振り向くと、武尊山と剣ヶ峰が一望!
おおお~、これはカッコイイ!
今回の山旅一番の景色が広がっていました。

この景色を見る為にここまで来る価値は十分ありますね!
来て良かった!

この後は来た道をそのまま戻り下山。
天気も良くすぐに帰るのは勿体ないと思い、ゆっくりのんびりしたつもりでしたが、4時間の山旅となりました…

さて、4度目にして武尊山の本気に出会えて本当に良かった!
この手軽さで味わえる絶景に囲まれた白銀の稜線歩き。
人を冬山に誘うには十分過ぎますね!

達成感という意味では少々物足りなかった本山旅でしたが、冬山に関しては毎回のように命の危険を感じるのも疲れてしまうので、たまにはこういう力を抜いて楽しめる場所もやっぱり必要ですね~

以上です!

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