秋、それは山が最も多彩な色彩に染まり、山ノボラーにとっても活動最盛期。
特に今年2020年は台風の上陸も少なかったおかげか紅葉の当たり年とも言われており、みなさんも例年以上の紅葉を楽しめたかと思います。
自分は紅葉シーズンは予めざっくりと行きたい場所をピックアップしておいて、その場所での紅葉ピークと天気と休日のタイミングが合ったら突撃している感じですが、同時に秋雨前線がやってくるので、なかなかその3つが揃う事がなく計画通り行けるのはほんの一握りです。
今年も案の定高山帯の紅葉ピークである9月中旬~下旬はなかなか天気と休日のタイミングが合わずヤキモキしてる中、いつの間にか時は流れ「もしかして今年は紅葉登山できないのでは…!?」なんて危機感を感じ始めた10月中旬。
やっと狙いを定めていた越後の奥只見方面の紅葉ピークと休日が合ったので、奥只見の主峰「荒沢岳」に登る事にしました。
さて、今年はどんな紅葉登山ができたのか、レポいってみたいと思います!!
「荒沢岳」(1969m)
*前グラより望む
2020/10/18
コース:銀山平登山口⇔山頂(ピストン)
累積標高: ±1205m
コースは銀山平登山口からの日帰りピストン。
荒沢岳は越後裏三山(越後駒ケ岳・中ノ岳・荒沢岳)に含まれ、その三山は銀山平からの周回コースができるので、避難小屋泊でセットで登る人も多いそうです。
…まあ、中には日帰りする人もいるそうですが(汗)尚、周回CTは24hオーバー
銀山平駐車場は15台くらいですが、周辺の路肩も広いのでピーク時でも停められない事は無さそうです。綺麗なトイレもあり、山の知名度の割には設備は充実。ありがたい!
*写真は下山後です
登山口には「ハチ注意!」や「危険箇所多し!引き返す勇気を!」みたいな注意書きが多くなんだか物騒な感じ。
確かにに事前調査で初心者向けの山では無いとの知っていたので、気を引き締めてクライムオン!
スタートは樹林帯の中、緩やかに標高を上げていきます。
早朝は朝霧がかかってましたが陽が当るにつれとれていき、そこに広がるは鮮やかに染まった錦の世界。
まさに紅葉プロムナード!今日が最高の登山になる事が約束されたようなもんですね!
標高を上げると眼下に奥只見湖を覆う雲海、右手に越後駒ケ岳が望めるようになります。
奥只見湖湖畔の紅葉にはまだ早かった様ですが、越後駒ケ岳の斜面はちょうど見頃で素晴らしい!
しかし、そんなルンルン気分で登れるのは前グラ下まで。
ここからロープや鎖頼りの急登が始まりますが、ある程度山慣れしてれば問題無いレベルですね。
そして、急登を経て前グラ直下に到着すると…
ふおおおおおーーー!これはカッコイイイ!!
そこには紅葉のモザイク画に彩られた急峻な岩峰「前グラ」が。
これはすぐに進むのが勿体ない!って事で、しばし休憩を兼ねて荒沢岳一番の絶景を堪能しました。
さて、この前グラ直下までもなかなかの難路でしたが、実は本番はここから。
まずは、少し下りながらこの岩峰壁をトラバース。
朝霧せいで岩場は湿っており滑りやすく、鎖に体重を預けなければいけないシーンも多々。
そして、今度は垂直に近い岩場を登り返し。
ちゃんと無理せず3点支持を意識してれば難しくは無いですが、後ろを振り返りたくない高度感は半端ありません。
なんとなく石鎚山の鎖場に近い感覚かも…
これは噂通りの難路。
「引き返す勇気を!」と言いたくなるのも納得。
落石の危険もあるので、持っているならヘルメット持参をオススメします。
経験的にこういうぱっと見危ない場所って、裏に回り込むかして遠回りになりつつも見た目よりは安全な路を登るパターンが多い気がしますが、こいつはほぼほぼ正面突破(笑)
さて、どうにか前グラを登り切ると正面には山頂に向かって延びるウイニングロードが!
端正な山容と紅葉に染まった尾根、こんなカッコイイお山だったとは!
もう荒沢岳にメロメロです。
秋色に染まった尾根道は今までに比べると比較的ゆるやかで景色を楽しみながら安心して登れます。
振り返ればすっかり朝霧のとれた奥只見湖の大展望。
こんな素晴らしいタイミングで登れて感謝感謝!
疲れなんてすっかり忘れて最高の気分で登ってると程なく山頂へ。
ありがとう御座いました!
山頂からは越後駒ケ岳や中ノ岳、更に平ヶ岳・尾瀬の峰々の大展望!
秋を感じる高い青い空に、色彩豊かな山々…
目に映る全てがまさに秋爛漫、そう思わずにはいられませんでした。
その後は山頂で昼食をとり、後ろ髪惹かれる気持ちで下山。
登りでは危険さを感じた前グラの下山路は案の定ヤバみが強く生きた心地がしませんでした(笑)
そして、無事銀山平に下山完了!
お疲れ様でしたーーー!
高山帯の紅葉が次々と終わりを告げる中、出遅れを感じていた今年の紅葉シーズンですが、しっかりピークを掴む事ができて良かった!
ここ近年は紅葉と言えば栗駒山や那須岳に人気が集まっていますが、同時に混雑も凄く自分にとっては紅葉がいくら綺麗でもちょっと遠慮したくなる状況。
そんな訳で今年はほどほどにマイナーな山を探してたので、情報が少なくハズレも心配してましたが「荒沢岳」は大当たり!
上述したように、初心者にはちょっとオススメできませんが、ちょっとでも山慣れした人には是非登って欲しい名山かと思います。
以上です。
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