2020年4月12日日曜日

冬の始まりの甲斐駒ケ岳 【山梨県 長野県 南アルプス】

甲斐駒ってちょーーカッコイイですよね!!

って、微妙に頭悪い一言で始まりましたが、共感してくれる人は多いはず!
あの甲府から眺める急峻な山容は日本屈指のイケメンな山だと思っています。
日本10名山を選べと言われれば入れ込む人も多いのでは無いでしょうか?

もちろん自分も大好きな山なので過去夏に2回ほど登っていますが、いずれも天気に恵まれず山頂からの展望は見たことがありません(泣)
そんな相性の悪い山なので、普通は嫌いになってもしょうがないのですが、それでも好きなのはやっぱりあの下界から見える威風堂々とした山容のおかげかと。

そんな訳で夏に登るのはちょっと及び腰になってしまったので(笑)、次は冬に!と考えていたところ2019の12月中旬に天気と休みのタイミングが合ったので突撃きました!

さて、3度目の正直となるか?2度あることは3度あるになったのか?
レポいってみたいと思います!!

甲斐駒ケ岳(2967m)
*黒戸尾根五合目小屋跡付近より望む

<1日目>

今回は尾白の駒ケ岳神社から黒戸尾根を登り七丈小屋で一泊して、山頂付近で御来光、そのまま朝陽に染まる南アルプスを堪能する予定です。

この甲斐駒ケ岳は北沢峠から登るのがメジャーですが、過去自分が登ったのは全て黒戸尾根。別にMって訳ではなく(笑)長野県側に回り込むのが面倒くさいだけです。
茨城県から来る場合は都内を抜けるってだけで精神的疲労があるので、それにプラスして南アルプスを迂回して裏側に回り込むのは距離以上に遠く感じてしまうのですよ。

それにもうこの時期は北沢峠までのバスは無く、更に今年(2019年)は台風19号の影響で河原沿いの路は崩壊しているので、今甲斐駒登るなら黒戸尾根一択でした。

まあ、3回目で勝手はわかっているので気軽なもんです。

駒ケ岳神社の脇の吊り橋を渡り入山。
南アルプスは吊り橋渡って入山、て山が多いですよね。
なんか冒険の始まり!って感じがしてワクワクします。

少し登ると尾白渓谷遊歩道との分岐があります。
尾白渓谷への路は台風の影響で通行止めになっていました。通常時もそれほど安全な路では無かったのでしょうがないですね…。早い復旧を願ってます。

その後は延々とした樹林帯の登りですが、ちょうど朝陽も差し込み山々が輝き初めました。
登山道はふかふか落ち葉がどっさり、冬の始まりを感じさせます。

経験上こういう道は登りは良いですが、下りは足元を捕られやすく難儀するんですよね…
(案の定、帰りは難儀しました(笑))


笹ノ平分岐を過ぎると植生が変わり、その名の通り笹原が広がります。
しばらくはやや傾斜も緩くなるので、個人的には黒戸尾根の癒しタイム。

その後の急登を超えると、ぽっかり視界が広がります。
そう、ここが黒戸尾根で有名な「刃渡り」。

刃渡りではこれまでで一番の展望が広がります。
特に八ヶ岳方面の展望は疲れを吹き飛ばしてくれる絶景!
…まあ、しかし12月中旬と言えども八ヶ岳の雪の少なさにはびっくりです。

逆方向に目を向けると富士山もひょっこり。

その名の通り両側は切れ落ちた断崖絶壁なので、展望に見とれて足を滑らさないように気を付けて下さい(笑)

刃渡りを過ぎると登りも一段落し、五合目までは比較的緩やかなトラバース道になります。
そして、植生もまた変化して今度はコケ蒸した森に。

ふかふか落ち葉から始まって、笹原を経てコケの森へ。色々な山の姿がみれてなかなか面白い道だと思います。


そして、少しだけ標高を下げ休憩スポットの五号目小屋跡に到着。
ここからは迫力の甲斐駒の本峰が望めます。
南アルプスでは12月の初めにそこそこ雪がふったおかげで雪はしっかり残ってそうです。
明日は今冬シーズン初の雪踏みになりそうで楽しみ!

さて、ドM御用達の黒戸尾根はここからは本番!梯子地獄の始まり~!
ちなみにこの新しい梯子が掛かっている場所は台風19号で崩落した場所ですが、ちょうど先週復旧したそうです。
山関係者のすばやい対応には感謝しかありませんね。

7合目の七丈小屋までは、垂直に近い梯子&鎖場の連続。
今となっては、先も読めるので気軽なもんですが、初めて登った時には五号目までの疲れもあって完全に心を閉ざして登ったのは良い思い出です(笑)

この時は小屋近くになってくると着雪や凍結も多くなり場所によってアイゼンがあった方が良い感じでした。

そんなこんなで七丈小屋到着!初日はここまで、お疲れ様でした!
普段は人気の山小屋ですが、この日は先週の積雪と、登山道が復旧した直後って事で比較的空いてたように思えます。

日が沈みかけた頃、ぶ厚い雲が掛かり雪が舞い始めました。
日常も含めて今シーズン初めての雪、明日の新雪に期待して就寝。
おやすみなさい…

<2日目>

おはよう御座います!

計画通り森林限界を超えた頃に御来光迎えるべく5:00に出発!

甲府の夜景をバックに月灯りとヘッドランプを頼りに順調に標高を上げていきます。
しかし、予想より風が強くなかなかハードコンディション。
更に雲が多くて御来光が微妙な感じ。ちょっとテンションが下がってしまいますね…

八合目、御来迎場に到着。
ここで御来光を拝む予定でしたが、少し早いようでもう少し先に進むことにしました。

八合目以降は傾斜のキツイ岩場とルンゼが続く難路。
着雪もまだまだ甘く、岩と氷のミックスで不安定なのでなかなか緊張感がありますが、久しぶりにアイゼンとピッケルでしっかり登っている感覚は楽しい!

と、良い感じに登っていると、雲と雲の間から御来光!!

と同時に、黄金に染まる山肌。
今回も登って良かった!と思えたわずか2分程度の絶景でした。

甲斐駒名物、二本の鉄検と富士山と鳳凰三山!
朝焼けバックはなかなかの神々しさでした。

さて、危ない場所も過ぎて山頂直下の稜線へ。
太陽は再び厚い雲の中に隠れてしまい冬らしい色の無い世界に。
でも、この引き締まった雰囲気は嫌いじゃありません。

山頂到着。ありがとうございました!
天気予報では晴れ予報だったので、この雲の多さはちょっと残念ですが、視界があるだけでもう最高(笑)

北岳方面

仙丈ケ岳と中央アルプス方面

山頂からはこんな景色が広がっていたんですね…(感無量)

まだまだ風もあり、のんびりできる環境では無いので、この景色を心に刻んで早々に下山開始。

正面に八ヶ岳を望みながら稜線を下っていきます。

晴天を信じてやってきた3回目の甲斐駒でしたが、ガスにまかれてNO展望だった過去2回よりマシとはいえ、この雲の多さに残念だったのが正直なところ。
ただ、冬の南アルプスの力強さと美しさを感じる事ができたのは良かったです。
次こそはこの景色を青空の元で見よう!と冬の甲斐駒再トライを決意しました。




帰りの黒戸尾根から甲斐駒本峰。
晴れてるようだが、きっと気のせい…(笑)

以上です!
長文でしたが、最後まで読んでくれた人、ありがとう御座いました!

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