2018年11月21日水曜日

そこは大きなお山の王国(後編)【荒川岳(悪沢岳)・ 赤石岳・南アルプス 静岡県 長野県】

(前編)からの続きです。

荒川三山最後の前岳を過ぎ、赤石岳を望みながら荒川小屋に向かって一気に標高を下げます。もう初秋なので片鱗はありませんでしたが、ちょうどこの斜面は夏の頃には一面のお花畑が広がっているそうです。

眼下の荒川小屋の周りは紅葉が綺麗!

荒川小屋に到着!
既にここまでで普通の日帰り登山1回分こなした気分になり、しゅーたんさんと一緒にお昼のカンパーイ~!
これから赤石岳が控えてる身としてはどうかと思いましたが…、
まあ、たまには良いよね!!


エネルギー補給も完了し荒川小屋を後にすると、まず紅葉色付く樹林帯を超え、その後は迫力の赤石岳を見上げながらの気持ち良いトラバース道を進みます。
若干ほろよい気分だったので、気分は最高!きもちいい~!!


赤石岳直下の大聖寺平までやってきました。
ここから少し進んで、後ろを振り返ると荒川三山と前岳の大崩壊地が大迫力で望めます。
自然の力強さを感じる素晴らしい絶景!

さて、ここから踏ん張り所、赤石岳に向かっての急登の始まりです。


しかし、後ろには奥茶臼岳や中央アルプスのパノラマが広がっているおかげで、あまり疲れは感じません!
それにしても、一つ一つの山が大きいので縦走ってよりは、その日の内に一回下山して、また別の山に登ってきる気分になってきます。


急登を登り切って小赤石岳までは緩やかな稜線歩き。
所々紅葉が進み、色鮮やかな稜線が続きます。


やっとこさ小赤石岳に到着するものの赤石岳山頂まではもう少し。
頑張りましょう!

そして、念願の赤石岳山頂!
ありがとう御座います!!


山頂からは南側に荒川三山・塩見岳・北岳、北側には聖岳・上河内岳といった南アルプスのそうそうたる名峰が広がっています。
午後になってもこの青空、夏山シーズンラストイベントに相応しい絶景に感謝の言葉もありません。

この日、千枚小屋を出発した人たちよりも早い到着だったので、人も少ない山頂をしばし楽しむ事ができました。


さて、赤石小屋まで下ります。

少しだけ稜線を戻り赤石小屋への分岐から下山開始。


分岐からは一気に400m近く標高を下げさせられます。
天国から地獄にまっしぐらって気分ですね(泣)


下った後も赤石小屋まではアップダウンがあるトラバース道を進みます。
赤石岳を踏破して下山モードになった身体にはなかなか堪えます…。
自分もしゅーたんさんも会話も減り黙々を歩みを進めました。
唯一、紅葉が綺麗だったのが救いでした。


赤石小屋まであと少しの場所にある展望スポット富士見平です。
振り返ると赤石岳が遥か遠くに。
ずいぶん下ってしまいましたね~。さっさと小屋に入って休みたい気持ち半分と、山から離れてしまう寂しさ半分でなんとも言えない感覚。

とりあえず赤石小屋到着!
2日目終了、お疲れ様でしたぁ!!

小屋の裏手の高台からは赤石岳や荒川岳が望めます。
夜に染まりつつある山々をつまみにしゅーたんさんと今日の健闘を称え、本日2回目のカンパーイ!

最高の天気の中、最高の稜線を歩けた事に感謝を胸に明日に備えて早めに就寝。
おやすみなさい…。

(3日目)

おはよう御座います!!3日目最終日です。
今日の最大の目的は無事に下山するのは当然として、いかに中央道の渋滞に巻き凝れず帰宅できるかどうか!!
その為には最低でも畑薙ダムまでの復路バスの始発便に乗り込む必要があります。
早めに下山しても、長時間列に並ぶのは嫌だな~って考えていましたが、事前情報で先着順に整理券が配られ、その順番でバスに乗れると言う事を知り、早めの行動開始としました。

出発はヘッドランプが必要なくなる5時半。
赤石小屋の方の「ありがとう御座いました!」の明るい声に見送られ下山開始。


赤石小屋から椹島ロッヂまでは特に見所も無い樹林帯なので、木々の間から差し込む朝日を浴びながらさくさくと歩みを進めます。
そしてなぜか途中から、賑やかでやたら歩みの早い関西の方々のパーティーと一緒になり、しゃべりまくりのちょっとしたトレラン状態に。
…なんだこれは(笑)

その勢いのまま小屋から約2時間で椹島ロッヂまで下山完了。
バスの順番待ち整理券は32番でした。
これならほぼ始発に乗れそうなので一安心。

まあ、それでもバスまでの時間はまだまだあるので今回の山旅の思い出話に花を咲かせながらロッヂでカフェタイムを楽しみました。
…車じゃなければビール飲めたのになぁ~。


そんなこんなで、2018年メインの山旅は無事終了!

タイトルにしたように、南アルプスの山の深さというか雄大さを実感できた満足感の高い縦走でした。個人的には南アルプスはもっと泥くさいと思っていましたが、小屋も北アルプスと同じくらい…、いや、それ以上に綺麗でサービスも良く、南アルプスがより身近なレジャーになりつつあるのを感じました。

でも、やはり心配なのはリニア開発。はっきり言って人間の生み出す経済活動と自然保護なんて絶対両立はできないと思っているので、南アルプスの自然を守るにはリニア開発は中止になって欲しいです。
何万年と掛けて作り出したこの雄大な自然の造形美を、たかだか人間の一過性の利益の為に破壊するなんて言語道断!

…って、語気を荒げて言ってもどうにかなる訳では無いので、自分としてはこのブログを通じて一人でも多くの人に南アルプスの自然の素晴らしさが伝わればと切に願います。

以上です。

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