そう、忘れもしない戦後最悪の火山災害と言われる御嶽山の水蒸気噴火です。
自分はこの日は家で大人しくブログを書いており、このニュースをお昼に知った時は非常に驚いたのを覚えています。
1年でも最も登山者が多いと言っても過言では無い最悪のタイミングだったせいか、58名のも多くの人が犠牲となってしまいました。
もちろん、それから数年は山頂近くまでは登山禁止となっていましたが、2019年のシーズンから登山道は限定されるものの山頂まで登山可能となりました。
しかし、登山可能になったとは言え地球規模で考えると噴火したのはつい最近と言え、本当に登って良いものかと少し考えてしまいましたが、自分の中で噴火の怖さが風化する前に登っておきたいと気持ちが勝り今回訪れた次第です。
では、2020年最初の山ブログ、綴っていきたいと思います。
「御嶽山」(3067m)
*賽の河原避難小屋付近から望む
2019/9/7
今回のコースは御岳ロープウェイを利用しての黒沢口登山道を登る定番コース。
剣ヶ峰山頂だけでなく摩利支天山まで行ってみる予定です。
訪れたのは9月上旬。盛夏にしては涼しくカラッとした空気に包まれ、雲一つない好天に恵まれた日だったのでロープウェイも運行前から4、50人は並ぶ盛況降りでした。
ロープウェイの中の話題はもちろん噴火の事でもちきり。
噴火当時もきっとこんな気持ちいい晴天だったことを考えると、やはり少しは怖い気持ちになります。
ただ、その気持ちは火山に登るなら常に意識するべき気持ちであって、きっと今まで意識しなかった自分が間違っていたのでしょうね…。
ロープウェイの終着、飯森高原駅に到着。
他の人はそそくさと入山していきましたが、どうせ下山する頃には一般の観光客も含めて混雑不可避なので、人のいない内に散策。
中央アルプスはもちろん、北アルプスの乗鞍岳、穂高連峰の展望が楽しめ、遊び心のあるミラー張りの展望台と、登山をしなくても十分楽しめるスポットでした!
では、登山口から入山!
女人堂手前までは朝日の差し込む樹林帯の中を小気味よく標高を上げていきます。
とても整備された登山道で初心者でも登りやすいですね。
8合目の女人堂からは森林限界も超え展望が広がります。
この辺りは多くの石碑や鳥居が立ち並び、信仰の山として発展してきた事が感じられます。
ここだけに限らず山全体に神様を祭る神像や石碑がとても多いです。
本当に多くの人の信仰を集めていたんですね。
抜けるような青空の下、頂上へ延びる尾根歩き。
先に九合目の山小屋群が見えてきました。
しかし、もう少し火山灰や噴石といった噴火の名残が残っていると思ってましたが、ここまで登ってみて一切そういうものは感じる事無く、本当に噴火があったのか?なんて考えてしまいます。
九合目直下になってくると傾斜もややきつくなります。
現在、御嶽山はヘルメット推奨山域になっており、ほとんどの登山客はヘルメット持参しており、この辺りで装着していました。
もちろん、自分も事前に知っていたので装着済み。
そこそこキツイ登りを超えると山頂稜線へ。
最高峰の剣ヶ峰までは後少しだけ緩やかに登る必要があります。
ここも木道がちゃんと整備され噴火があったように見えません。
でも、木道が比較的新しくきっと噴火の後に整備されたものだと思います。
関係者の方々に頭があがりません。
山頂直下の階段下には、2014年の噴火で犠牲になった方々の慰霊碑があります。
途中登る中で噴火の痕跡があまり無く実感が湧きませんでしたが、慰霊碑に刻まれた犠牲者の方々を見ると手を合わさずにはいられませんでした。
…ご冥福をお祈りします。
そして、階段を登って御嶽山山頂!ありがとう御座います!
山頂からは北アルプス方面、中央・南アルプス方面の展望がばっちり!
気持ち良い天気に登れて感謝です。
そして、山頂から南西の方に目を向けると2014年の噴火場所が少し見えます。
(写真の右下の火山灰に覆われている場所)
当日も何の前兆も無いこんな穏やかな天気だったと思うと、少し怖くなってしまいました…。
もう一度手を合わせて山頂を後にしました。
さて、時間がまだまだあるので予定通り剣ヶ峰が綺麗の望める摩利支天山まで脚を伸ばしてみることに。
ニノ池と二ノ池山荘。
この二ノ池山荘は噴火の後に再建されたもので、この時はまだ本格営業はしていないようでした。
サイノ河原。
お地蔵さんたちが鎮座する空間は少し不思議な感じ。
サイノ河原避難小屋付近からは三ノ池がとても綺麗に望めます。
青空と相なって深い青色を湛えていました。
三ノ池乗越から摩利支天山まではなかなか傾斜のキツイ斜面のトラバースが続きます。
危険!って程でも無いですが、少々注意して進んだ方が良さそうですね。
そして、摩利支天山山頂!
奥に見えるは剣ヶ峰。
火山らしい迫力ある地形が広がっています。
後ろを振り向くと眼下に五の池小屋が見えます。
最近、五の池小屋はリゾートちっくなおしゃれ山小屋を売りに人気が出ているようですね。
自分の余裕があれば寄り道してみようと思ってましたが、思ったより標高を下げられそうなんでやめておきました(笑)
その後は来た道をゆるゆると下山。
写真の通り一日を通してとても人が多く賑やかなお山でした。
以上です。
さて、今回の御嶽山ですが、やはり噴火から五年も経っているせいか噴火の恐ろしさを直接感じるシーンは少なかったです。
でも、噴火当日もなんも前兆も無いこんな穏やかな日だった事を考えると、少なからず常に緊張感があった一日でした。
また、登山客のヘルメットの着用率はとても多く火山に対する意識は以前とは比べ物にならない程上がっている事を感じ取れました。
この御嶽山の噴火を切っ掛けに自分も含め多くの登山人に「火山に登るというリスク」を教えてくれた事を忘れずにいたいですね。
最後に改めて、噴火で犠牲になった方々のご冥福をお祈ります。
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