2021年2月21日日曜日

ちっちゃな火山家族「三瓶山」【島根県大田市】

何度かブログでも書いてますが、自分は登りたい山の条件の一つとして「麓に良質な温泉が湧いている」っていうのがあります。
最初の頃、山は気持ち良く温泉に入る為のスパイス扱いだったのですが、おのずと登る山は火山に属する山が多く、大地のパワーを感じる迫力の地形、地球は生きていると感じる熱量に魅入られ、いつのまにか火山の魅力にどっぷり。
一昨年カムチャッカ半島に行ったのもそういった理由からです。

そんな訳で数年前から涼しいシーズンは山と温泉の両方を主役に据えた山旅を計画する事が多くなり、昨年の秋にいつかは乗りたいと思っていた寝台特急「サンライズエクスプレス」の予約が取れたこともあり、以前から考えていた島根県の三瓶山+三瓶温泉の山旅を決行してきました。

温泉は温泉巡りシリーズで紹介するとして、今回のブログはその山旅の山の部分「三瓶山」を紹介したいと思います!

「三瓶山」(1126m *最高峰は男三瓶山)
*西の原登山口から望む男三瓶山(左)と子三瓶山(右)

2020/12/5
コース:女夫松登山口→孫三瓶山→太平山→女三瓶山→男三瓶山→子三瓶山→女夫松登山口
累積標高差:±960m

三瓶山は島根県大田市に在り日本二百名山の一座に数えられており、直径5キロのカルデラの中心の爆裂火口を取り囲むように主峰の男三瓶、女三瓶、子三瓶、孫三瓶、大平山、日影山と6つの小さなピークでなる火山の集合体の総称です。
中国地方の中では比較的新しい火山という事でその独特の山容は山の少ない中国地方では異彩を放っています。

そして、連なるピークは名前からわかるように、まさに三瓶ファミリー!
これは家族全員登ってあげないとかわいそう、って事で今回のコースを考えました。

スタートはこの日のお宿の三瓶温泉「国民宿舎さんべ荘」さん。
宿泊者という事で事前に許可を頂き早朝より駐車場をお借りする事ができました。
下山後に移動なく即チェックイン&温泉とか最高だろ(笑)
あ、もちろん三瓶ファミリーを周回で縦走するにもちょうど良かったってものありますよ。

さんべ荘の後の道を挟んで女夫松登山口はあります。
三瓶山登山ではメジャーな登山口ではない様で少し荒れてますが、気にする程では無いですね。
では、よろしくお願いします!(ペコリ

季節は12月、すっかり紅葉も終わりふかふか落ち葉の登山道を登っていきます。
前日の雨のせいか少しジメっとした空気が残ってますが、青空も多く天気は上々で一安心。

登り初めて一時間も経たないうちに三瓶ファミリーを繋ぐ火口縁の稜線に出ます。
稜線は笹とススキが揺れる好展望の道。
右側奥のピークは最高峰の男三瓶、左側手前が子三瓶山です。

登ってきた西側に目を向けると前日に観光してきた「石見銀山」の山の連なりが見えます。山ヤ視点でみるとなかなか興味深い山容で、銀山という文化的価値はもちろんですが山として登ってみたくなりますね。
このお姿を見た後に観光してれば、また違った印象を持ったかも知れません。
うーーん、ちょっと勿体ない気がしました(笑)

最初のピーク、孫三瓶山に到着!
ここから今日目指す三瓶ファミリーが展望できます。
標高も三瓶ファミリーの中では一番低いので、なんとなくみんなに見降ろされてる感じが孫っぽくて良い感じ。

孫三瓶山を後にして女三瓶山を目指します。
途中、樹林帯に戻りますが木々の葉は落ち切って陽が届きこもれびが気持ちい路です。


孫三瓶と女三瓶の間にある小ピークの大平山に到着。
ここは東の原登山口から夏場は観光リフトが運行され、だれでも気軽に来れる展望スポットとなっていますが12月はもうリフトは冬季休業に入っており、人っこ一人いませんでした(笑)
綺麗なテラスもあり縦走中でも休憩スポットとして活用できそうですね。

大平山から女三瓶山までの登り返しはしっかり整地された路。
女三瓶山山頂にはTV中継所や電波塔が立ち並んでいます。

ほどなく女三瓶山山頂!


女三瓶山山頂からは男三瓶山の堂々としたお姿と、三瓶ファミリーの真ん中の火口が良く展望できます。
男三瓶は主峰だけあってなかなかの迫力。あそこのピークに立てるのが楽しみになってきました。ではいざ!


女三瓶から男三瓶の間は時折急登はあるものの笹原の好展望の歩き易い道が続きます。
トレランしてる人も多く、走り出したくなる気持ちも納得!

途中、男三瓶の地層が剥き出しになっている火口壁が見える場所もあります。
全体的にたおやかな山ですが、ちょっと火山らしい荒々しさも垣間見えたのは良かったです。

山頂に近づくと広大な黄金色のススキ原が広がります。
風にサラサラと揺れるススキ原はなんとも雄大。ホント良い山ですね~

そして、三瓶山最高峰の男三瓶山山頂!
ありがとう御座います!!

山頂は広くおそらく100人くらいは余裕でランチタイムできそうな感じ。
でも、この日は土曜でそこそこの天気でしたが、人はまばら。どうして?
もうシーズンオフなんですかね?


山頂からは日本海や出雲の街並みまで展望できます。
条件が良ければ伯耆大山も見えるらしいですが、湿度高めな今日はちょっとダメでしたね~
残念!

自分もここで簡単な昼食を取り縦走再開。

男三瓶の山頂部から最後のピーク、子三瓶山(手前の平坦なピーク)を望みます。
これから歩く道もはっきり見えますね。

この山行であえて難所を挙げるとすればこの男三瓶から子三瓶へ向かう時の下り。
結構な急斜面で浮石も多く下る際は注意が必要だと思いました。

ちょうど男三瓶と子三瓶の間の鞍部あたり。
奥に女三瓶が見えますね!

子三瓶への登り返しで後ろを振り返った時に見える男三瓶のお姿がお見事!
本山行の中で一番ぐっときた景色でした。


そして、本日最後のピーク、子三瓶山山頂!
ここの山頂もススキと笹原が広がり心地よさは最高。
このまま下山しても宿のチェックインには早かったのと、あまりの心地よさにちょっとだけ昼寝を決め込む事に。
ススキの風に揺れる音をBGMに約1時間ほどのんびりさせてもらいました。
いやーー気持ち良かったーーー!

子三瓶山を後にして女夫松登山口に向かって下山。

そして、下山完了!
お疲れ様でしたーーー!
温泉という文字で出迎えられて気分も最高!(笑)

この後は、三瓶温泉を心行くまで満喫したのは言うまでもありません。

さて、今回の三瓶山、独特な山容とススキや笹原広がる好展望の尾根歩きがとても魅力的な山行になりました。
今回紹介した火口一周三瓶ファミリー縦走コースでもゆっくり歩いて6時間程度と、非常にコンパクトに楽しめるので自分のように遠征で訪れても十分余裕を持って楽しめると思います。
百名山である伯耆大山からはちょっと離れているので、セットで登るのはちょっと難しかもですが、この山単体でも十分遠征の価値があると思いますので気になる方は是非どうぞ!

以上です。

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