2019年12月11日水曜日

カムチャッカ半島紀行 その3【ヴィリュチンスキー峠・ゴレリー高原】

その1その2からのつづきです!

<Day4>

4日目はアヴァチンスカヤ山からカムチャッカ湾を跨いで南に約150Km離れたゴレリー高原に移動します。
移動手段は引き続き六輪駆動車。市街地以外はもちろん未舗装道路なので、ほぼ一日掛かるそうです。

早朝、早起きしたのでベースキャンプが望める高台にやってきました。
自分が宿泊したのは右側の小さなコテージ群です。


アヴァチンスカヤ山とコリャークスカヤ山にお別れ。
なんやかんや言っても、結局すっきりと晴れなかったのは残念。
ソロならば4、5日ここに滞在して、天気のいい日を待つのもできそうなので、またいつかリベンジ!
では、さらば!


途中まで六輪駆動車の助手席に乗せてもらいました。
見た目は質実剛健の実用重視、ドライバーも道路の傾斜や凹凸によって臨機応変に車体を上げ下げしており、ルートファイディングと合わせて流石のプロの仕事っぷり。
カッコイイ!



下山後は市街地に出て再び買い出し。今度は魚市場に突撃。
やはり半島だけあって海産物の品揃えが充実しており、特にサーモンは種類も量も半端ありませんでした。

ゴレリー高原への入口です。ここから再び未舗装道路がつづきます。
とはいっても目的地のゴレリー高原には火山を利用した地熱発電所があるので、人の入りも多く比較的整備された道のようです。

入口から少し先に水場があります。
湧き水では無く沢水なので、お腹の弱い人は要注意!そのままでも大丈夫との事ですが、煮沸した方が安全だそうです。


しばらく進むとゴレリー高原への入口、ヴィリュチンスキー峠に到着します。

このヴィリュチンスキー峠が絶好の展望スポット!
ペトロパブロフスク・カムチャツキーの南部にある綺麗な成層火山のヴィリュチンスカヤ山が綺麗に望めます。

これから向かうゴレリー高原方面の展望も広がります。
奥の雲に隠れているなだらかな山が6日目に登るゴレリー火山です。

展望も素晴らしいですが、この付近はお花畑天国。
比較的遅くまで雪の残る地域らしく、この時期でも多くの花が咲き乱れていました。

エゾツツジかな?

チシマフウロ?

なんだろう?? もう花が散った後のようにも見えます。

日本でもあった気がする花、見たこと無い花、知識があれば興味深く見れると思いますが、自分はさっぱり。

一応、この峠に咲く代表的な花の説明看板がありますが、ロシア語と花の英名が書いてあるだけなので和名まで調べるのは苦労しそうだったので、途中で諦めました(笑)

しばし散策の後、峠を後にします。

峠を過ぎてしばし進むと景色は一変。
まるで別の惑星に来たかのような砂と石の世界が広がります。

この辺りは盆地で周辺の山々からの大量の雪解け水が溜まり遅くまで残る為、草木が生えないそうです。


増水しても心配の無い高台が幕営地。
トレッキングツアーではよく使われている場所のようで他のツアー客も合わせてちょっとしたテント村ができあがりました。
ほとんど人の手が入っていない広大な高原、気持ち良い風も吹き抜ける良いテン場です。
今日からここで2泊、よろしくお願いします!

テント近くをフラフラしていると、何やら見覚えのある果実が…。
確認してみると、やはりブルーベリー!!
日本でよく見るブルーベリーは木に生えていますが、これは地面から生える原始のブルーベリーだそうです。
見渡すとたくさんの群生しており食べ放題!!
滞在中の二日間、隙あらばモグモグしてました。(´~`)モグモグ

テント場からは明日向かうムトノフスキー山が一望。
中央に特徴の巨大な火口壁とそれを覆う氷河も見えます。

明日から比較的天気にも恵まれそうという事で期待を胸に床につきました。
さて明日はどんな絶景に出会えるのでしょうか?
こう、ご期待!!

つづく。

2019年12月7日土曜日

カムチャッカ半島紀行 その2【アヴァチンスカヤ山編②】

その1からの続きです。

<Day3>

本日はいよいよアヴァチンスカヤ山登山。
初の海外登山、どんな景色を見せてくれるのか楽しみ過ぎます!

と、テンションマックスでスタートしたものの…

山頂部は雲の中~。
ガイドさん曰く午後からは雨予報なので、天気は期待できなさそう…。

背後のコリャークスカヤ山も雲に隠れつつあります。

天気に文句を言ってもしょうがないと言いますが、ちょっと気分はブルー。
でも、ここまで来て愚痴っても意味は無いので、奇跡を信じてレッツクライム!

登山口です。
特別自然保護区域って事がつらつらと書いてあります。
英語である事がありがたい。それだけ海外のトレッカーが多いって事でしょうね。

登山口近くにテント場ありました。
ガイドさんに確認すると、管理棟でお金を払えばキャンプ地周辺であれば特に張る場所の指定は無いそうです。
ここまでなら飛行場からぎりぎり一日掛ければ歩いて来れそうなので、ソロでも登山は出来そうな気がします。

枯れ川を渡り尾根道に取り付きます。
自分たち以外にも何組かツアー集団がおり、思ったより賑やかなお山です。

コースは至極単純、正面の尾根をひたすら登ります。

ベースキャンプの標高は約800m、山頂は2741mなので、標高差は1900mちょい。素人さんにはちょっとキツイかも…。

キャンプ場からも良く見えていたラクダの背と言われる特徴的な小ピーク(写真中央右手前の丘みたいなの)を横目に登山道を進みます。

後ろを振り返るとベースキャンプ場と、更に奥にカムチャッカの街並みが望めます。
平地の時点で日本でいう高山帯のカムチャッカ、低標高から雄大な展望が広がります。

だいぶ上がってきましたが景色が大きく変わらないので、そんなに上がってきた感じがしません。なんか富士山登っててる気分ですね(笑)


基本砂礫の山ですが、所々に花々が力強く咲いています。
さすがのカムチャッカでもお盆の時期となると花の季節も終盤。次の世代に命を残す最後の輝きって感じですね。

外輪山まで登ってきました。
本来なら本峰がどどーん!と拝めるはずなのですが、むぅ~、すっかりガスの中。
さすがにちょっと凹みますね…。

本峰が綺麗に拝める外輪山の休憩スポットに到着。
ここでちょうどお昼時だったので昼食を取っていると…

急に日が差し込み本峰が!!
青空とゼブラ模様のアヴァチンスカヤ山が拝めて最高に嬉しかったです。

もしかしたら、コリャークスカヤ山も!と思って後ろを振り向きますが、残念ながら雲の中…。
ただ、いつ見えてもおかしくない感じなので、これからに期待!

貴重な晴れ間を逃さない為にもアヴァチンスカヤ山本峰にアタック開始。
ここからまだ標高差600あるのでもうひと頑張り!


山頂に近づくにつれ地面の砂礫は赤茶けた色に変わりやや熱気を感じ、更に空気には硫黄臭を感じるようになります。
山頂にはどんな風景が待っているのか!?ワクワクが止まりません!


そして、頂上の火口縁に到着。
火口の中には巨大な溶岩ドーム、火口縁の地面の至る場所からゴーー!と音を立てて噴気があがっている異世界が広がっていました…。
地面も触るっているとじんわり熱いくらい。

再び雲に覆われてしまったせいで全貌は拝めませんでしたが、日本では絶対近づけないであろう環境に、生きた山を体感することができました。

火口縁をぐるっと見渡すとあそこ(写真の中央ピーク)が人もいるので山頂のようなので行ってみました。
日本みたいに山頂標識も無いので、ホントにそうだったかわかりません(笑)

晴れ間を望んでしばし山頂で粘ってみたものの、雲は厚くなる一方。
しまいには雨も降ってきたので、残念ですが下山開始。

下山は来た道をそのまま戻ります。

下山も終盤になるとやや天候も回復し、お隣のコリャークスカヤ山もちょっとだけお目見え。
ここでも全貌が見えないか期待してましたが、それも敵わず…。

夕刻にほぼほぼ下山も完了して、ベースキャンプに向かって歩いていると、アヴァチンスカヤ山に虹が掛かっていました。
全体を通して微妙な天気が続いた山行でしたが、この景色でちょっと救われた感じがしました。

とりあえず、なにはともあれ無事登頂!!
お疲れ様!

サーモン料理とロシアビールで乾杯!

写真は午後8時頃、緯度も高めなので明るい時間が長いです。
早いうちに天気が回復したら、ちょっとだけ登り直そうかと思ってましたが時間的にもう無理そうですね…。

アヴァチンスカヤ山頂から雄大なコリャークスカヤ山が望めなかったのはちょっと残念ですが、まあ、要所では青空が見えただけでも良しとしましょう!

旅はまだまだ始まったばかり、明日にはどんな景色に出会えるのか…。
高まる興奮を無理矢理お酒で鎮めて就寝…。

4日目につづく!

2019年12月5日木曜日

カムチャッカ半島紀行 その1【アヴァチンスカヤ山編①】

さて、お待たせしました!
今回よりカムチャッカ半島紀行と題して2019年の夏に行ってきたロシア-カムチャッカ半島での登山&トレッキングの模様を綴っていこうと思います。

人であふれた日本ではもう貴重となった原始の地球の姿と鼓動、自分が感じてきたものを少しでもお伝えできればかと思います。

そこそこ長編になりますが、しばしお付き合い頂ければ幸いです。

訪れたのは2019年8月11日~17日、お盆休みをフル活用した行程。

(日程)
8/11:成田空港→(S7航空)→ウラジオストク空港(ホテル泊)
8/12:ウラジオストク空港→(アエロフロート航空)→ペトロパブロフスク・カムチャツキー空港→(車)→アヴァチンスカヤ山ベースキャンプ(コテージ泊)
8/13:アヴァチンスカヤ山登山(コテージ泊)
8/14:アヴァチンスカヤ山ベースキャンプ→(車)→ゴレリー高原(テント泊)
8/15:ムトノフスキー山トレッキング(テント泊)
8/16:ゴレリー山トレッキング→(車)→ペトロパブロフスク市街(ホテル泊)
8/17:ペトロパブロフスク・カムチャツキー空港→(S7航空)→ウラジオストク空港→(S7航空)→成田空港

カムチャツカ半島は北海道の北東、千島列島(ロシア名:クリル列島)を跨いだ先にある大きな半島です。現在はロシア連邦に属していますが、過去は日本の所有地だった歴史もあるそうです。(その辺りはあいまいなので突っ込まないで下さい(笑))

千島列島からカムチャッカ半島はちょうと太平洋プレートが潜り込む縁に位置し、多くの活火山があり、今回訪れたカムチャッカ-ペトロパブロフスク地方も「カムチャッカ半島火山群」として世界自然遺産登録され、今現在も活発な火山活動が見られる貴重な場所となっています。

そもそも、初海外トレッキングとして何故ここを選んだかというと、やっぱり火山が織り成す迫力ある景色が好きって事が大きいと思います。
もちろんメジャーなヨーロッパアルプス方面の華やかな場所も考え候補地としてましたが、やや天邪鬼な性格も災いしてか、一癖あるこの場所を選んでしまいました…。

では、レポを始めましょう!

<Day1>

成田空港を夕刻前に出発しウラジオストクへ。
カムチャッカへ日本から直行便は無いのでウラジオストクを経由します。
距離的には関東から九州行くのと対して変わらないので2時間ちょいで到着。

ロシアと言えばモスクワとかを連想する人が多いと思います。
確かにモスクワは遠いですが、このウラジオストクは日本海を挟んですぐお隣。しかもロシアはヨーロッパのカテゴリなので、我々日本人は片道2時間でヨーロッパに行けるって事を知らない人は多い気がします。
近くて遠い国とは良くいったもの。


とは言っても今回ウラジオストクは乗り継ぎの為に空港近くのホテルに一泊しただけなので訪れたとは言い難い感じ。
調べてみると日本に縁の多い土地であり風情ある建築物も多く、日程に余裕があれば観光したいところでしたが、それはまたの機会に…。

個人的にはこれからブレイクしそうな場所な気がします。

<Day2>

2日目は早朝ウラジオストクからロシアの国内線でペトロパブロフスク・カムチャツキー空港へ。
こちらも実は九州~北海道ぐらいの距離しかなく、3時間程度で到着。
下調べの時点で意外に近いな~と思いましたが、体感してみるとやっぱり近い!

カムチャッカ半島上空からはクレーターを有する山、綺麗な円錐形の山と、素人目にも火山とわかる山々がたくさん見えます。
流石は火山半島!いやおう無しにテンションが上がります。

…と、飛行機から写真撮りまくり!といきたいのですが、ロシアは上空からの写真撮影は基本NG。特に軍施設が絡む飛行場とか撮影しようもんなら捕縛される可能性があるので隠し撮り状態。

無事カムチャッカ空港へ到着し入国!
…捕まらなくて良かった…(笑)

写真は空港の出口、シンプル!!

空港からは上の方は雲に隠れてしまっていますが、今回最初に登る「アヴァチンスカヤ山(2741m)」(右側)と「コリャークスカヤ山(3456m)」(左側)が見えます。

気候ははさすが北海道の更に北、気温は15度前後で爽やかな空気に包まれています。
日本のくそみたいな高温高湿の盛夏に比べれば天国のよう!
もう帰りたくない!

そして、ここで現地のトレッキングガイドさんと合流。
待っていたのは六輪駆動車!ぱねぇ!!

ロシアの中でもトレッキングが活発なカムチャッカ半島ですが、日本のようにソロで動けるほど公共交通機関が有る訳ではありません。
多くの山々はこういったガチのアウトドア車で道無き道を行く必要があり、ガイドに頼らないと行けない場所がほとんどです。それに、言葉もわからん異国の地でソロで動く勇気は無かったので、今回はガイドさんにお願いしてのトレッキングツアーです。

とは言え先立つものが無ければ旅もできません。
空港近くにはバスターミナルもありスーパーが密集しているので、そこで買出し。
カムチャッカは半島の付け根で大陸と繋がっていますが、物流で使えるような陸路は無く、海路が中心でロシアの中でも物価は高めだそうです。

街中を見渡すと車は日本車が多く、おそらくほとんどが中古車。
カムチャッカにとって近くて安定して車を供給してくれる場所は日本でしょうね。
日本ではもう見なくなった車種も多く、道具として使い倒している感じがします。
もしかしたら自分が乗っていた車もあるかも知れませんね。

では、準備も整ったのでいざ出発!!

まずは、アヴァチンスカヤ山麓にあるベースキャンプ(標高約800m)までは枯れ川を六輪駆動車でがしがし登ります。
もちろん舗装なんてされてませんが、車の入りは多いのでなんとなく道ができています。
おそらく雪解け時は相当な水量があったせいで大きな石がゴロゴロしており、日本で市販されている車ではまず無理。
ランクルとかを更に車高を上げたカスタム車じゃないと走れないですね。


そして、2時間程車に揺られてベースキャンプに到着。
コテージだけでなくテントも多くちゃんとベースキャンプしててびっくり。
空港からアクセスが良いので夏はトレッキング、冬はBCが盛んな場所でメジャーな観光スポットだそうです。

宿泊用のコテージ。
2段ベットが4つに薪ストーブ完備で快適。
ただし、マットだけなのでシュラフは持参しました。

宿泊用とは別に食堂兼談話室用の建物もあります。
キッチン完備で滞在時はここで食事を作ります。

明日のパッキングも終え、日が沈むまで時間があったので周辺をフラフラ。
まだまだ、新しい火山地帯だけあって山麓は木々も無く薄い草地が広がっています。

そんな中にも可愛い先住民がいます。
プレイリードッグの仲間だそうですが、詳しい事はわかりません。
トレッキング客やキャンパーたちによってすっかり餌付けされてる様で、目の前までやってきて愛嬌を振りまいてます。
もともとは野生なのか、何かしらの原因で定着した外来種なのかはわかりませんが、ちょっと複雑な気分になりますね…。

夕刻前には厚い雲も取れ、アヴァチンスカヤ山の隣にそびえるコリャークスカヤ山がちょっとだけ姿を現しました。3456mとほぼ富士山に近い標高もあり、巨大で綺麗な円錐状、当に威風堂々。
しばしその迫力に圧倒されてしまいました。

ガイドさんに登れるのか聞いたら、
「アイゼンとストックだけで日帰り余裕余裕wwww」とか言ってましたが、絶対ウソだろ(笑)

そして、明日登るアヴァチンスカヤ山も姿を現しました。
外輪山とその中にある本峰がよくわかります。ぱっと見浅間山のようにも見えますね。
コリャークスカヤ山と比べるなだらかな山で安心して登れそうです。

と、そんなこんなで初日終了。
明日はいよいよアヴァチンスカヤ山登山!晴れますように!

つづく。