2019年12月5日木曜日

カムチャッカ半島紀行 その1【アヴァチンスカヤ山編①】

さて、お待たせしました!
今回よりカムチャッカ半島紀行と題して2019年の夏に行ってきたロシア-カムチャッカ半島での登山&トレッキングの模様を綴っていこうと思います。

人であふれた日本ではもう貴重となった原始の地球の姿と鼓動、自分が感じてきたものを少しでもお伝えできればかと思います。

そこそこ長編になりますが、しばしお付き合い頂ければ幸いです。

訪れたのは2019年8月11日~17日、お盆休みをフル活用した行程。

(日程)
8/11:成田空港→(S7航空)→ウラジオストク空港(ホテル泊)
8/12:ウラジオストク空港→(アエロフロート航空)→ペトロパブロフスク・カムチャツキー空港→(車)→アヴァチンスカヤ山ベースキャンプ(コテージ泊)
8/13:アヴァチンスカヤ山登山(コテージ泊)
8/14:アヴァチンスカヤ山ベースキャンプ→(車)→ゴレリー高原(テント泊)
8/15:ムトノフスキー山トレッキング(テント泊)
8/16:ゴレリー山トレッキング→(車)→ペトロパブロフスク市街(ホテル泊)
8/17:ペトロパブロフスク・カムチャツキー空港→(S7航空)→ウラジオストク空港→(S7航空)→成田空港

カムチャツカ半島は北海道の北東、千島列島(ロシア名:クリル列島)を跨いだ先にある大きな半島です。現在はロシア連邦に属していますが、過去は日本の所有地だった歴史もあるそうです。(その辺りはあいまいなので突っ込まないで下さい(笑))

千島列島からカムチャッカ半島はちょうと太平洋プレートが潜り込む縁に位置し、多くの活火山があり、今回訪れたカムチャッカ-ペトロパブロフスク地方も「カムチャッカ半島火山群」として世界自然遺産登録され、今現在も活発な火山活動が見られる貴重な場所となっています。

そもそも、初海外トレッキングとして何故ここを選んだかというと、やっぱり火山が織り成す迫力ある景色が好きって事が大きいと思います。
もちろんメジャーなヨーロッパアルプス方面の華やかな場所も考え候補地としてましたが、やや天邪鬼な性格も災いしてか、一癖あるこの場所を選んでしまいました…。

では、レポを始めましょう!

<Day1>

成田空港を夕刻前に出発しウラジオストクへ。
カムチャッカへ日本から直行便は無いのでウラジオストクを経由します。
距離的には関東から九州行くのと対して変わらないので2時間ちょいで到着。

ロシアと言えばモスクワとかを連想する人が多いと思います。
確かにモスクワは遠いですが、このウラジオストクは日本海を挟んですぐお隣。しかもロシアはヨーロッパのカテゴリなので、我々日本人は片道2時間でヨーロッパに行けるって事を知らない人は多い気がします。
近くて遠い国とは良くいったもの。


とは言っても今回ウラジオストクは乗り継ぎの為に空港近くのホテルに一泊しただけなので訪れたとは言い難い感じ。
調べてみると日本に縁の多い土地であり風情ある建築物も多く、日程に余裕があれば観光したいところでしたが、それはまたの機会に…。

個人的にはこれからブレイクしそうな場所な気がします。

<Day2>

2日目は早朝ウラジオストクからロシアの国内線でペトロパブロフスク・カムチャツキー空港へ。
こちらも実は九州~北海道ぐらいの距離しかなく、3時間程度で到着。
下調べの時点で意外に近いな~と思いましたが、体感してみるとやっぱり近い!

カムチャッカ半島上空からはクレーターを有する山、綺麗な円錐形の山と、素人目にも火山とわかる山々がたくさん見えます。
流石は火山半島!いやおう無しにテンションが上がります。

…と、飛行機から写真撮りまくり!といきたいのですが、ロシアは上空からの写真撮影は基本NG。特に軍施設が絡む飛行場とか撮影しようもんなら捕縛される可能性があるので隠し撮り状態。

無事カムチャッカ空港へ到着し入国!
…捕まらなくて良かった…(笑)

写真は空港の出口、シンプル!!

空港からは上の方は雲に隠れてしまっていますが、今回最初に登る「アヴァチンスカヤ山(2741m)」(右側)と「コリャークスカヤ山(3456m)」(左側)が見えます。

気候ははさすが北海道の更に北、気温は15度前後で爽やかな空気に包まれています。
日本のくそみたいな高温高湿の盛夏に比べれば天国のよう!
もう帰りたくない!

そして、ここで現地のトレッキングガイドさんと合流。
待っていたのは六輪駆動車!ぱねぇ!!

ロシアの中でもトレッキングが活発なカムチャッカ半島ですが、日本のようにソロで動けるほど公共交通機関が有る訳ではありません。
多くの山々はこういったガチのアウトドア車で道無き道を行く必要があり、ガイドに頼らないと行けない場所がほとんどです。それに、言葉もわからん異国の地でソロで動く勇気は無かったので、今回はガイドさんにお願いしてのトレッキングツアーです。

とは言え先立つものが無ければ旅もできません。
空港近くにはバスターミナルもありスーパーが密集しているので、そこで買出し。
カムチャッカは半島の付け根で大陸と繋がっていますが、物流で使えるような陸路は無く、海路が中心でロシアの中でも物価は高めだそうです。

街中を見渡すと車は日本車が多く、おそらくほとんどが中古車。
カムチャッカにとって近くて安定して車を供給してくれる場所は日本でしょうね。
日本ではもう見なくなった車種も多く、道具として使い倒している感じがします。
もしかしたら自分が乗っていた車もあるかも知れませんね。

では、準備も整ったのでいざ出発!!

まずは、アヴァチンスカヤ山麓にあるベースキャンプ(標高約800m)までは枯れ川を六輪駆動車でがしがし登ります。
もちろん舗装なんてされてませんが、車の入りは多いのでなんとなく道ができています。
おそらく雪解け時は相当な水量があったせいで大きな石がゴロゴロしており、日本で市販されている車ではまず無理。
ランクルとかを更に車高を上げたカスタム車じゃないと走れないですね。


そして、2時間程車に揺られてベースキャンプに到着。
コテージだけでなくテントも多くちゃんとベースキャンプしててびっくり。
空港からアクセスが良いので夏はトレッキング、冬はBCが盛んな場所でメジャーな観光スポットだそうです。

宿泊用のコテージ。
2段ベットが4つに薪ストーブ完備で快適。
ただし、マットだけなのでシュラフは持参しました。

宿泊用とは別に食堂兼談話室用の建物もあります。
キッチン完備で滞在時はここで食事を作ります。

明日のパッキングも終え、日が沈むまで時間があったので周辺をフラフラ。
まだまだ、新しい火山地帯だけあって山麓は木々も無く薄い草地が広がっています。

そんな中にも可愛い先住民がいます。
プレイリードッグの仲間だそうですが、詳しい事はわかりません。
トレッキング客やキャンパーたちによってすっかり餌付けされてる様で、目の前までやってきて愛嬌を振りまいてます。
もともとは野生なのか、何かしらの原因で定着した外来種なのかはわかりませんが、ちょっと複雑な気分になりますね…。

夕刻前には厚い雲も取れ、アヴァチンスカヤ山の隣にそびえるコリャークスカヤ山がちょっとだけ姿を現しました。3456mとほぼ富士山に近い標高もあり、巨大で綺麗な円錐状、当に威風堂々。
しばしその迫力に圧倒されてしまいました。

ガイドさんに登れるのか聞いたら、
「アイゼンとストックだけで日帰り余裕余裕wwww」とか言ってましたが、絶対ウソだろ(笑)

そして、明日登るアヴァチンスカヤ山も姿を現しました。
外輪山とその中にある本峰がよくわかります。ぱっと見浅間山のようにも見えますね。
コリャークスカヤ山と比べるなだらかな山で安心して登れそうです。

と、そんなこんなで初日終了。
明日はいよいよアヴァチンスカヤ山登山!晴れますように!

つづく。

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