2019年12月21日土曜日

カムチャッカ半島紀行 その4【ムトノフスキー山編】

その3からの続きです。

<Day5>

本日はこのムトノフスキー山へのトレッキングです!

ムトノフスキー山は4つの成層火山からなる複合火山でカムチャッカ南部では現在最も活動が活発な火山の一つ。
直近では2000年6月に爆発的噴火を起こしており、今回の旅では最も火山を感じる事ができた山です。

写真でわかるように火口には氷河が被さり、火山と氷河の織り成す風景は世界的に見ても貴重ということで、今回の旅で最も楽しみにしていた山です。

最高点は標高2322mですが、そこに行くまでは氷河を登るスキルが必要なので今回はスルーして火口の底を巡るトレッキングになります。

テント場から登山口まではいつもの六輪駆動車。
途中にはオパスニーの滝と言われるスポットがあるので寄り道します。

おおお!凄いスケール!!
ムトノフスキー山からの雪解け水が落差100mはあろうかという大地の裂け目に流れ落ちる様は大迫力です。
観光地として整備されている訳ではないので、絶壁ギリギリまで行けますが吹き上げる風が強かったので遠目で楽しみました。
いや~眼福眼福。

登山口です。
登山口っていうかただ車で行ける限界地点です。ケルンがあるのがなんかホッとしますね。
この山も近年、トレッキングツアーのコースになる事が多く、この日も何組か登っているようです。

登山口からは氷河によって削られ、今は雪渓が残る谷の底を歩きます。
雪渓と言ってもこの時期は雨と一緒に土砂が流れるので、そんなに綺麗ではありません。

この谷がそのまま山頂のクレータに繋がっているので、歩く標高差は600m程度。
初心者でも十分行ける山です。

見上げると高さ100m以上はありそうな絶壁が大迫力で迫ってきます。
毎年、冬になると大量の雪が積もり、夏には溶けて雪解け水が渓谷を削りを繰り返しているので、岩肌はもろく草木もほとんど生えていません。

ちょうどこの頃になると青空が広がってきてくれました。
嬉しい!!

振り返ると歩いてきたV字の渓谷が望めます。
いや~スケールが違いますね!

途中から雪渓を離れ、岩壁のトラバース道になり一気に標高を上げます。
そして、正面には噴気を挙げる溶岩ドームと、その噴気の後ろに薄っすらと見えるのは…。


おおおおお!!凄い!氷河だ!!
亀裂が入り今にも崩れそうな巨大な青白い氷の壁。
火山と氷河が織り成す原始の絶景に息を飲むだけです。

一生のうち一回は見たかった氷河、見れてよかった!!


しかも、この氷河の望める場所の周辺は、隙間という隙間の至る場所から噴気が上がる豪快な場所。
生きてる地球を五感全て感じられます!

そして、所々から硫黄の匂いが立ち昇り、その場所を覗きにいくと良質な硫黄泉が出ているではないか!!(興奮)
実際は触るのも難しい高温の源泉ですが、雪解け水と混ざり適温になっている場所もあり、もしかしたら入れるのでは…!?と期待したものの…

この付近は火山性ガスが吹き出ている場所が多く、風向きによっては、息をするのが難しい場合もある危険地帯。最高の温泉を横目に早々に安全圏まで移動せざる得ませんでした…(泣)

この山に関しては山頂は踏めないのでどこがゴールって決まってる訳ではありません。
ただ、雪解けが進んでる今はクレータの更に奥に火山湖があるそうなので、そこまで行ってみる事に。


火口壁を覆う氷河を望みながら奥に進むと程なく火山湖に到着!お疲れ様でした!

ムトノフスキー山、本当に凄い景色でした!来て良かったと心底思いました。
この後は、来た道をそのまま戻り下山。


登山口近くには自分たちが入山した時より更に車も人も増え、思ったより賑やかな山になってました。
途中でフランスから来たツアーの人たちと雑談(英語で)する機会もあり、山でよくする「どこから来たの~?」って会話を国際レベルでするのは楽しかったです。

それにしても車の使い方が豪快!こういう遊び場所があるのがちょっと羨ましくなりました。

さて、今回は半日程度の軽登山だったので、すぐにテント場に戻らず、ムトノフスキー山の山麓にあるスノーケイヴ(雪の洞窟)に寄り道しました。

ムトノフスキー山の山麓は清らかな水が流れ、緑も花も多くとても気持ちいい世界が広がっています。


そこにある大きな雪渓を下っていくと雪渓の先端に洞窟の入口がぽっかりと口を空けてました。
スノーケイヴってかどんなものかと期待していましたが、なるほど雪渓下の空間の事でしたか…。

正直、経験上自分は雪渓にあまり良い印象が無いので、ちょっと入ってだけですぐに引き返しました。
だって崩れたら命無いよ!!

ガイドさんも長年の経験で大丈夫だと判断して案内しているので、大丈夫だとは思いますが…。

まあ、怖いもんは怖いって事で!

...

その後はテント場に戻り、何もせず時間の移り変わりを楽しみました。
やはり日本とは空の色が違う気がしますね…。

明日は登山後にそのまま市街に戻るので、お山での生活はこの日が実質最後。

光害もほとんど無いだろうから星もバッチリ見えるかな!?と期待してたのですが、緯度が高いので夜がしっかり暗くならないのと月明かりのせいであまり星は見えず。
ちょっと残念でしたが、月明かりに照らさせたゴレリー高原は幻想的でした。

きっと冬の新月とかには見たことないような星空が広がるんでしょうね。(雪のせいで多分ここまでは来れないと思いますが(笑))

以上です。

さて、次回はいよいよ6日目&最終回!
最後のお山「ゴレリー火山」へ登ります。

つづく。

0 件のコメント:

コメントを投稿