2021年6月27日日曜日

日本温泉巡り その111 渋温泉「金具屋」【長野県下高井郡】

 2021年6月も終わりに近づき梅雨真っ盛り。
梅雨自体は一年の中でも心穏やかに引き籠れる(笑)良い時期なので嫌いではないですが、近年は梅雨明けと同時にやってくる猛暑を考えるとちょっとゲンナリしてしまいます。

人類の行き過ぎた経済活動のしっぺ返しなのか、地球規模の大きな気候変動の波なのか、色々と考えてしまいますが地球上に住む全生物にとって悪い方向にいかない事を祈るばかりです。

さて、久々の温泉巡りシリーズは今冬に訪れた長野県の渋温泉「金具屋」さん!

温泉や旅好きの人なら一度は泊まってみたい宿というのがあると思います。
自分にとってこの「金具屋」さんはその一つでした。

金具屋さんは昭和初期に鉄道網が渋温泉まで延びた事をきっかけに当時としては絢爛豪華な観光旅館を目指し建てられた宿です。
そして、運よく戦時も乗り越え当時の温泉文化の趣を残した建築物として現在では国の登録有形文化財に指定されています。

最近(って言っていいのか微妙ですが)ではジブリ映画「千と千尋の神隠し」のモチーフになってる事でも有名になりましたが、調べてみると所説あるので本当かどうかはわかりません…

登録文化財の木造4階建の「斉月楼」。
夜のライトアップは渋温泉の顔だけあって素晴らしい趣。
全体的に静かな温泉街ですが、ここだけは賑やかです。

この宿では宿泊者限定で夕食後に文化財巡りとして建屋内のツアーを開催してくれているので、そこで聴いたお話をちょっとだけ紹介します。

建築のコンセプトは建物の中に「離れ宿と温泉街を作る」といったもので各部屋の入口には建物の中にも係わらず雨除けがあり、まるで玄関。

部屋から出てすぐ横の階段には富士山の小窓と太陽を連想させる灯りがあり、富士山に沈む夕陽を眺めている気分になれます。

1階のエントランスには温泉街の土産物屋をイメージしたお土産の陳列棚。天井は夜の野外にいるような感覚をもたせる為に少し青みがかった黒で塗られています。


その他も様々な趣向が添えられており、まるで異世界に迷いこんでしまった錯覚を覚えます。
なかなか貴重なお話を聞くことが出来き楽しかったです。

さて、お待たせしました!
本命の温泉を紹介します!!


メインの2つの内湯「鎌倉風呂」(上)と「浪漫風呂」(下)です。
鎌倉風呂は創建当時からあるそうですが建て替えたので2代目、浪漫風呂は昭和25年当時のまま、って事でどっちも歴史を感じます。

お湯は微黄濁で鉄味・塩味を有るナトリウム・カルシウム―塩化物・硫酸塩温泉。
もちろん加温・加水無しの源泉かけ流しで、渋温泉らしく熱めのお湯。
肌触りはやや固めですが、鉄系のお湯らしく入った後のホカホカ感は半端ありません。
夏場はちょっと厳しいですが、この冬の時期は最高ですね!

露天もありますが、こちらは近年作られたものであまり歴史は感じません。
お湯は無色透明やや硫黄臭のする含硫黄-硫酸塩泉。
色々な意味で内湯よりやや物足りないですが、選択肢が多いのは良いことです。

こんな時勢ですが泊まれて良かった金具屋さん。
現在の建築基準では宿泊者を受入れて良い建物では無いそうですが、特例的に認められているそうです。
今現在の温泉界隈はこういった建物の老築化や跡取り問題。そして、自然災害やコロナ禍…
非常に多くの問題を抱えており、今後こういった貴重な宿は減る一方のように感じます。

一個人としてできることは限られますが、このブログをきっかけに訪れてくれる人が一人でも多くなれば幸いです。

(注)本お宿は日帰り入浴は受付ありません。宿泊者のみとなります。

来訪日:2021/3/6
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 <超絶名湯オススメ温泉 トップ5> 2021.6月現在
1位 籐七温泉「彩雲荘」(岩手県)
2位 明礬温泉「鶴乃湯」(大分県)
3位 黄金崎不老ふ死温泉(青森県)
4位 日景温泉(秋田県)
5位 乳頭温泉「鶴の湯」(秋田県)

<超絶名湯オススメ温泉(ランク外)>
見市温泉旅館 (北海道)
酸ヶ湯温泉 (青森県)
後生掛温泉 (秋田県)
玉川温泉(秋田県)
須川高原温泉(岩手県)
銀山温泉「永澤平八」(山形県)
姥湯温泉「桝形屋」(山形県)
鳴子温泉「滝乃湯」(宮城県)
野地温泉ホテル(福島県)
筌の口温泉「新清館」(大分県)
新湯温泉「霧島新燃荘」(鹿児島県)
吹上温泉「みどり荘」(鹿児島県)

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