2016年8月30日火曜日

「山の日」記念登山 その2 【笠ヶ岳 岐阜県 北アルプス】

その1からの続きです。

山小屋に一緒に宿泊した人の情報からこの日の御来光はちょうど槍の辺りから出るので、もしかしたらダイヤモンド槍が拝めるかも!との事。

天気も良好で自分も含めたたくさんの人が山頂で日の出を待ちます。
もちろん御来光は綺麗ですが、自分はこの日の出前の青と橙色の淡い世界が一番好きかもしれません。

いよいよ陽が出てきました。

あ~、残念!
ほんのちょっと槍の穂先からずれてしまいました!

でも、槍からの御来光!この笠ヶ岳でしかみれない瞬間、頂きました!

御来光を堪能した後、山頂を去ります。
さて、今日はどんな一日になるのでしょうか。山に居ると一日を始める最初の一歩がわくわくしますよね。

この日はクリア谷に方に下山する予定でしたが、天気も最高で一気に下山するのはもったいないと考え弓折岳までの稜線歩きを楽しみ、鏡平山荘を経由して下山する事にしました。

それでは下山開始!さらば笠ヶ岳!


抜戸岳までは来た道を戻りますが、花を落としたチングルマのふわふわの毛が朝日に照らされキラキラと輝いており、来た時は全く違う風景を見せてくれます。

抜戸岳を抜けて少し行った所から見た笠ヶ岳。
いや~、昨日も思いましたが本当にカッコイイわ。惚れ直しました。


秩父岩までやってきました。
ここまではほとんどアップダウンも無く、正面に黒部五郎、薬師、双六の峰々を見ながら気持ち良く歩けます。

笠ヶ岳もここで見納め、弓折岳に向かって標高を下げ始めます。

秩父平から見た秩父岩です。
いや~迫力ありますね!さっきまであの上にいたのがちょっと驚きです。

この後は小ピークの大ノマ岳、弓折岳を越えて分岐の弓折乗越まで行きますが、それぞれの登り返しが100mくらいあってそれなりに堪えます。

弓折岳のピーク直前に目の前にヘリがやってきました。
ちょっと待ってて!と手を振られたので、しばし停滞。

こんな場所で要救護者??と思いましたが、弓折岳の独標を新しいのに交換に来たようです。
お疲れ様です!

分岐の弓折乗越に到着。
眼下に鏡平山荘が見えます。同時に樹林帯に戻りそうなので、槍もそろそろ見納めですね。

この後は一気の標高を下げ新穂高に戻ります。

下山途中の秩父沢近くの水場です。

笠ヶ岳山頂の水場は既に枯れていて今回の山行で初めての天然の水場、キンキンに冷えてて最高に美味かった!
やっぱり水場はこうじゃなくっちゃ!

林道の終着点、小池新道の入口まで降りてきました。
新穂高まではまだしばらくありますが、後は林道歩きなので実質下山完了。

お疲れ様でした!

ではいつもの総括。

今回は北アルプス方面で1泊&混雑してなさそうな山って感じで消極的に選んでしまった笠ヶ岳でしたが、予想の遥か上をいくカッコイイ山でびっくりしました。

槍・穂高の最高の展望台なのはもちろん、ちょっと足を延ばせば黒部五郎・鷲羽・水晶といった奥地の峰々を展望できる縦走路と、北アルプス南部を全て楽しめる良山でした!

槍・穂高といった名峰に隠れがちな北アルプスの末端児ですが、自信をもっておすすめできます!

以上です!

2016年8月28日日曜日

「山の日」記念登山 その1 【笠ヶ岳 岐阜県 北アルプス】

お盆も終り風に秋の香りが混ざり初めた今日この頃みなさま如何お過ごしでしょうか?

今年の夏から「山の日」が加わり、それを含めてお盆の連休だった人も多かったと思います。
しかも、各アルプス方面は天候に恵まれ山ヤのみなさんは「山の日」を満喫できたのではないでしょうか。

自分も山の日の8/11から1泊で北アルプスの末端に位置する「笠ヶ岳」に登ってきました。
本当は2、3泊して水晶、鷲羽方面を考えていたのですが予定ができてしまい、急遽1泊でいける「笠ヶ岳」に変更した次第です。

でも、短いながらも予想以上の絶景に楽しく、密度の濃い山行ができたので大いに満足できました!
今回はその模様を2回に分けてレポしていきます。

「笠ヶ岳」2898m
抜戸岳付近から臨む笠ヶ岳

2016/8/11-12
8/11 新穂高温泉登山者用駐車場→(笠新道)→笠ヶ岳山荘⇔山頂
8/12 笠ヶ岳山荘→抜戸岳→弓折岳→鏡平山荘→わさび平小屋→駐車場


「まあ、連休初日と言えでも前乗りすれば駐車場は余裕だろう」って考えで、いつも通り仕事を定時で上がり、速攻で準備を整え新穂高温泉に向かいました。

ところが、到着したのは22時頃にもかかわらず、川沿いの登山者用駐車場はほぼ満杯でした。でも、警備員さんの誘導で自分は深山荘駐車場横の路肩に駐車することができましたが、自分より2、3台後からは鍋平高原の方に回されていました。

実は夏に新穂高に来るのは初めてで、駐車場の競争率は噂には聞いていましたが、ここまでとは…。
大型連休に新穂高を使う時は覚悟が必要そうですね。

とりあえず無事駐車&車中泊できたので予定通り6時頃出発。
雪の無い新穂高は初めてで、ちょっと新鮮。
ちょっと曇っていますが、正面にこれから登る笠ヶ岳が堂々と見え気合いが入ります。

登山バスの到着した直後のようで、縦走装備の山ヤのみなさんがたくさんいました。

自分は5日前の飯豊山テン泊山行のダメージが若干残っていたので、今回は山小屋泊でほぼ日帰り装備。
軽いって素晴らしい!とも思いつつも縦走装備のみなさんが羨ましかったです。

気を取り直して出発し、左俣林道の笠新道入口に到着。
日本屈指の急登と名高い笠新道ですが、先週の苦行の飯豊山登山を乗り越えた自分としては、もう何でも来やがれ状態。

さあ、行きますか!

樹林帯の急登を一気に駆け上がります。

飯豊山の時も感じましたが、ソロ主体の自分としては早く広がった景色を見たいので、こういった場所は逆にペースが上がってしまうのが反省。

もう少しペース配分が上手くなりたいものです。

1時間も登れば槍・穂高の稜線が見えてきます。
槍・穂高にはちょうど一年前に登っており、久々の御対面。
この峰々を見ると北アルプスに来たー!って感じがします。

登り始めて約2時間半、高い木々も減り景色が広がり始めます。
正面には焼岳、乗鞍岳も見え始め標高と一緒にテンションも上がります!

そして…、

「笠ヶ岳」来たぁーーー!!

杓子平に着いた瞬間、笠ヶ岳を含む主脈が一気に姿を現します。
笠新道の辛さもあって開放感が半端ありません!

杓子平から抜戸岳までは森林限界越えの尾根歩き。
花の名残が多いので、初夏はお花畑になりそうな感じです。

抜戸岳に到着!笠ヶ岳カッコイイじゃないですか!
杓子平や山麓から見るとのっぺりとしていましたが、稜線を跨いで見ると山らしい鋭さがでてきて、全く別の山に見えます。


ここから笠ヶ岳まで大展望の稜線歩き!
正面には焼岳、乗鞍、右手後ろには槍、穂高、左手には薬師、黒部 などなど北アルプス南部オールスターズ!

12時半には笠ヶ岳山荘に到着。
ふむ、日帰りも可能かな。

山荘にチェックインした直後に山頂を踏破しましたが、湧き初めた雲でガス多めだったので夕食後にもう一回行く事に。
まあ、この時期は一日通して雲無しは逆に珍しいのでしょうがないですね。

と言うわけで本日山頂2回目!
予想通りガスもほぼ抜けました。

このまま陽が沈むまで夕陽に染まる北アルプスの峰々を堪能しました。

槍ヶ岳、穂高連峰

焼岳、乗鞍岳、御嶽山

薬師岳、双六岳、鷲羽岳 などなど

陽が沈みます。
今日も素敵な一日をありがとう御座いました。

笠ヶ岳山荘はお盆初日の晴天でしたが、布団1枚に1人は確保。
縦走には不向きな場所なので穴場かも知れません。

では、おやすみなさい~。

その2へつづく!

2016年8月23日火曜日

深き山 【飯豊山 福島県】 その2

その1からの続きです。

ガスの中とりあえずピークハントした後は小屋でビールを買って、晩酌兼、夕飯!

小屋でビールを買って、ゴミは持ち帰り(有料で引き取り)と聞いた時は、アレ?って思いましたが、本来はそれが普通ですよね。
北アルプスとかのサービス満点の小屋に慣れていた自分に反省。

陽も傾き始めた頃にはガスも抜け絶景が広がりはじめました。


ほろよい気分で夕焼けを堪能する為に再び山頂へ。


写真では表現しきれませんが、草原とそこに飛びかうトンボたちが夕陽に照らされキラキラと輝いていて幻想的です。

今日も素敵な一日をありがとう御座いました。

夜は満点の星空!!星降る夜とは当にこの事でしょうね。

あまりに綺麗だったので、岩を積み上げ即席の三脚で星空撮影をしてみました。
カメラはGRで、星空撮影は初めてでしたが結構うまく撮れました!

この日はほとんど風も無く、寒くもなかったのでテントから半分顔を出して星を見ながら就寝。
いや~最高でした。

<2日目>

おはよう御座います!
飯豊本山頂上から御来光です。

御来光の後は大日岳方面に向かって主脈稜線のお散歩に。

本当は最高峰の大日岳まで行ってみるつもりでしたが、昨日登ってきた道程を考えると下山と言えどもかなりの標高を登る事になるのと、昨日以上に気温が上がりそうなのを考慮して途中の御西岳までのピストンとしました。



朝日に照らされた草原とニッコウキスゲの群落が輝いていてホントこの世のものとは思えない程綺麗でした!

昨日は日帰りでスピードハイク or トレランしている人も結構いましたが、こういう風景を見ないのは勿体ないと思います。

稜線散歩の後は朝食を取り下山開始。



下山道は昨日と同じですが、昨日は途中からガスに巻かれて拝めなった風景を堪能しながら下山することができ満足!



とはいっても、予想通り下山も相当ハード。
登りの度に「これは下山じゃなくて、登山だよ!」って愚痴をたれっぱなしでした。

稜線を抜けてからは暑さとの戦い、最終的には水4リットルを飲みほしました。
今思えば下山した後もしばらく体温が高い状態が続いていたので、ちょっとした熱中症になりかかっていたように思います。
危ない、危ない。

では、総括。
さすが、東北アルプスで東北最難関と言われる飯豊山。危ない場所は無いものの、核心部に至るには相当ハードに感じました。でも、辿りついたその先はどこまでも広がるなだらかな草原の稜線と、色彩鮮やかな花々と、その苦労に十二分に応えてくれる風景が待っていました。
8月でこれほどなのですから、花の最盛期の6月下~7月上はどんな世界が広がっているのか、これは是非見ておかないとと感じました。
ただ、猛暑日にこのレベルの登山は若干危なさも感じたので、今後の反省としたいと思います。

以上!

2016年8月21日日曜日

深き山 【飯豊山 福島県】 その1

8月ももうすぐ終わり、みなさん夏山楽しんでいますか!?
自分の方はおかげ様で7月中旬くらいから毎週のように山に籠る事ができ満喫しております。

おかげで山行ブログを更新する暇が無く、ネタが溜まる一方です。
まあ、ブログなんで自己満足なんで何時止めても良いのですが、後から読み直すと面白いし、良い思い出記録になっているので、遅れても更新は続けて行きます。

そんな訳で久々の更新は、8/5~6に行ってきた飯豊山を数回に亘って紹介します!

「飯豊山」 2105m
*写真は本山小屋付近から臨む大日岳と主脈

2016/8/5-6

8/5 弥平四郎登山口→(上ノ越)→本山小屋(テント泊)⇔飯豊本山山頂
8/6 本山小屋⇔草月平→(上ノ越)→ 弥平四郎登山口

コースは福島県側の弥平四郎登山口から本山小屋でテント泊の一泊二日、基本は飯豊本山までのピストンで余裕を見て最高峰の大日岳も視野に入れることにしました。

本来は山形県側から福島県側に抜ける(またはその逆)ような主脈縦走をするのが一番飯豊山を堪能できるのでしょうが、公共交通機関も使い難く、登山口間の移動だけでも1日以上掛りそうだったので今回は見送りました。

西会津PAで車中泊をして、朝5:30頃弥平四郎登山口に到着。

前日の内に登山口まで来ちゃうのが理想ですが、道路が未舗装の場合は明るくなってから通るようにしています。暗い状態でのダートは色々危ないですからね。

登山口から道は二つに分かれ、前半に一気に急登して稜線に出る巻岩山経由と、最初は平坦で後から急登する祓川小屋経由のコースがあります。
自分は性格上、最初にイヤな事は済ましたいので前者を選択。

さあ、スタート!

いきなり、稜線の上ノ越までノンストップの急騰が始まります。
当日は猛暑日だった事もありスタート時も結構な高温、いきなり汗だくに。


上ノ越まで上がってしばらく稜線を進むと木々の間から左手に飯豊山主脈が姿を現します。右手には磐梯山と吾妻連峰と広い景色の中気持ち良く歩けます。
…とは言っても日が射すとと半端無く暑く、早くも疲れが見え始め、少しペースダウン。

本日の行程の約半分、三国小屋に到着!
下山する人と、これから登る人がちょうど集まってたくさんの人が休憩していました。

自分も荷をおろして長めの休憩を取っていると、小屋番の人からみんなにプチトマトの差し入れ。飯豊山の小屋番の人は良い人が多いって聞いていましたが、ホントですね。
疲れた身体に嬉しいサプライズでした。

三国小屋から見たこれから向かう種蒔山への稜線です。その奥の奥に飯豊本山がちょこっと顔を出していますね。
想像以上にアップダウンがキツそうで、まだまだ遠いなぁ~。
気合い一発!


正面に飯豊本山を見ながらの解放感にある稜線ですが、とにかくアップダウンが多い!
おまけに登れど登れど標高がなかなか上がらず精神的に堪えます。
でも、さすがは花の飯豊山、8月と言えども登山道彩る花々は多いので癒されます。

切合小屋に到着!

ここに来るまで苦労している割には三国小屋からほとんど標高は上がっていません。
いや~、飯豊はキツと聞いていましたが、噂に違わないハードさです。

切合小屋を過ぎ飯豊本山直下にやってきました。
しかし、山頂方向は午後から湧いてきた雲に隠れてしまっています。
本来はがっかりするところですが、太陽が出ていると半端なく暑いので、ここは恵みの曇りってことで歓迎!

本山小屋直下のテン場に到着!!!はひぃ~。
まだ、山頂までは少しありますが、この重装備から解放されると思うと嬉しくてしょうがないです。

小屋にテン場料(¥500)を払いテント設営。
山と高原地図にはテン場は記載されていませんが、テント泊は公認の様です。

平日ってこともあり、主脈稜線が一望できる一等地を確保!
最終的には自分も含めテントは3張りのみ。静かなテント泊をすることができました。
(*写真は2日目です。)

テント設営後ガスが抜けるまで休憩していましたが、その気配も無いのでとりあえずピークハントに本山頂上にまで行く事に。
本山小屋から頂上までは、ほとんどアップダウンも無く気軽に行けます。

本山小屋周辺には飯豊山固有種のイイデリンドウをたくさん見かけました。
フォロアーさんの言っていた通り、花の副片が開かず、垂直に立ちあがっているのでちょっと他のリンドウと雰囲気が違います。
最近はちょっと花にも興味が湧き初め、こういった違いが理解できると嬉しくなります。

飯豊山頂上!やったぜ!
山頂は見た通り濃いガスの中で周りの風景はお預けでした。

大日岳まで行く事も想定していたのでまだ時間は早めですが、暑さのせいで予想以上に疲労も溜まっていて、更にガスの中って事で今日はここまでとしました。

帰ってから調べてみたら、標高差は1500m程度ですが、累積は2200m程度。
どうりで疲れた訳です。

長くなってしまったので、今回はここまで。
続きは次回に!

その2へ、つづく。