2018年11月27日火曜日

日本温泉巡り その68「丸駒温泉旅館」 【北海道千歳市】

2018年も終わりが近づき平静を装いつつもそわそわし始める今日この頃、みなさま如何お過ごしでしょうか?
「例年だとこの時期は、よし雪山だ!気合入れて行くぞ!」って考えつつアイゼンでも研ぎ始めるのですが、今年は「ほどほどに山行って、後は温泉でのんびりしたいなぁ~」なんて日和った考えになっています。

…、うんまあ、歳ですね…(爆)

とは言っても、どっかでスイッチが入る気がするので今シーズンも安全第一でウィンターシーズン楽しみましょう!

さて、今回は初秋に行ってきた北海道のユル低山&温泉巡りで巡ってきた温泉を紹介します。

その68は支笏湖の湖畔にある「丸駒温泉旅館」さんです。

在るのは、支笏湖の北側湖畔、恵庭岳の麓。
ちょうどこの日は樽前山に登りモラップキャンプ場にテン泊するので、近くに良さげな温泉ないかな?って調べて見つけました。

この辺りは支笏洞爺国立公園に属しており、この支笏湖も火口が湖になったカルデラ湖。更に近くに現在でも活発な噴気を上げる樽前山もあり、まだまだ活発な火山地帯って事で、良質な温泉が無い訳ありません!

訪れたのは10月も半ば、ちょうど北海道の低い場所では紅葉の盛りを迎えており、温泉巡りにとってもベストシーズン!
そんな訳で夕刻前に行った時には駐車場は満杯でしばし待つ事に。

でも、混雑するシーズンには日帰りNGになる場所も少なくので、入れるだけ良しとしましょう。

この「丸駒温泉旅館」さんは大きく泉質の異なる二つの温泉があり、一つは支笏湖と一体になった天然露天風呂と、もう一つは旅館内の大浴場で楽しめます。


では、最初に支笏湖と一体なれる天然露天風呂へ!

支笏湖の湖畔に石を積み上げて作られた湯船の足元から温泉がプクプク湧き出ています。
そして、一部は支笏湖と繋がっており、時折支笏湖の水が流れ込んできます。
ちょっと目線を下げれば、正面には雄大な支笏湖と風不死岳の雄大な景色。

はぁぁぁぁ~、これは贅沢だ~。

泉質はほぼ無色透明の-塩化物-炭酸水素塩-硫酸塩泉。源泉温度は54℃って事ですが湯船の状態は日に日に変わるようで、この日は若干ぬる湯気味。
ちょうど秋にしては暖かい日だったので、湯ったりのんびり支笏湖の自然と一体になれました。


お次は、旅館内の大浴場へ!


こちらは、先ほどの天然露天風呂の野天的雰囲気とはうって変わって、非常に綺麗なSPA的雰囲気。
でも、温泉は析出部たっぷりの茶褐色の塩化物泉と本物。

濃厚温泉好きな自分としては、先の天然露天風呂だけではちょっと物足りなさを感じていたので、これは嬉しいサプライズ!
更にこの大浴場にも露天風呂があり、露天の木製デッキからも支笏湖と風不死岳の絶景が望めます。
日帰りでは無理ですが、この時期は露天から朝陽や夕陽、夜は満点の星空が広がるようで...、機会があれば泊まりで来たいですね!

ロケーションも泉質も一回で2度楽しめる名湯旅館でした!

来訪日:2018/10/13
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<超絶名湯オススメ温泉 トップ5> 2018.11月現在
 1位 籐七温泉「彩雲荘」(岩手県)
 2位 明礬温泉「鶴乃湯」(大分県)
 3位 姥湯温泉「桝形屋」(山形県)
 4位 乳頭温泉「鶴の湯」(秋田県)
 5位 野地温泉ホテル(福島県)
 
<超絶名湯オススメ温泉(圏外)>
 ・後生掛温泉 (秋田県)

その他、極上オススメ温泉は「全国極上温泉マップ」にて紹介しています!

2018年11月21日水曜日

そこは大きなお山の王国(後編)【荒川岳(悪沢岳)・ 赤石岳・南アルプス 静岡県 長野県】

(前編)からの続きです。

荒川三山最後の前岳を過ぎ、赤石岳を望みながら荒川小屋に向かって一気に標高を下げます。もう初秋なので片鱗はありませんでしたが、ちょうどこの斜面は夏の頃には一面のお花畑が広がっているそうです。

眼下の荒川小屋の周りは紅葉が綺麗!

荒川小屋に到着!
既にここまでで普通の日帰り登山1回分こなした気分になり、しゅーたんさんと一緒にお昼のカンパーイ~!
これから赤石岳が控えてる身としてはどうかと思いましたが…、
まあ、たまには良いよね!!


エネルギー補給も完了し荒川小屋を後にすると、まず紅葉色付く樹林帯を超え、その後は迫力の赤石岳を見上げながらの気持ち良いトラバース道を進みます。
若干ほろよい気分だったので、気分は最高!きもちいい~!!


赤石岳直下の大聖寺平までやってきました。
ここから少し進んで、後ろを振り返ると荒川三山と前岳の大崩壊地が大迫力で望めます。
自然の力強さを感じる素晴らしい絶景!

さて、ここから踏ん張り所、赤石岳に向かっての急登の始まりです。


しかし、後ろには奥茶臼岳や中央アルプスのパノラマが広がっているおかげで、あまり疲れは感じません!
それにしても、一つ一つの山が大きいので縦走ってよりは、その日の内に一回下山して、また別の山に登ってきる気分になってきます。


急登を登り切って小赤石岳までは緩やかな稜線歩き。
所々紅葉が進み、色鮮やかな稜線が続きます。


やっとこさ小赤石岳に到着するものの赤石岳山頂まではもう少し。
頑張りましょう!

そして、念願の赤石岳山頂!
ありがとう御座います!!


山頂からは南側に荒川三山・塩見岳・北岳、北側には聖岳・上河内岳といった南アルプスのそうそうたる名峰が広がっています。
午後になってもこの青空、夏山シーズンラストイベントに相応しい絶景に感謝の言葉もありません。

この日、千枚小屋を出発した人たちよりも早い到着だったので、人も少ない山頂をしばし楽しむ事ができました。


さて、赤石小屋まで下ります。

少しだけ稜線を戻り赤石小屋への分岐から下山開始。


分岐からは一気に400m近く標高を下げさせられます。
天国から地獄にまっしぐらって気分ですね(泣)


下った後も赤石小屋まではアップダウンがあるトラバース道を進みます。
赤石岳を踏破して下山モードになった身体にはなかなか堪えます…。
自分もしゅーたんさんも会話も減り黙々を歩みを進めました。
唯一、紅葉が綺麗だったのが救いでした。


赤石小屋まであと少しの場所にある展望スポット富士見平です。
振り返ると赤石岳が遥か遠くに。
ずいぶん下ってしまいましたね~。さっさと小屋に入って休みたい気持ち半分と、山から離れてしまう寂しさ半分でなんとも言えない感覚。

とりあえず赤石小屋到着!
2日目終了、お疲れ様でしたぁ!!

小屋の裏手の高台からは赤石岳や荒川岳が望めます。
夜に染まりつつある山々をつまみにしゅーたんさんと今日の健闘を称え、本日2回目のカンパーイ!

最高の天気の中、最高の稜線を歩けた事に感謝を胸に明日に備えて早めに就寝。
おやすみなさい…。

(3日目)

おはよう御座います!!3日目最終日です。
今日の最大の目的は無事に下山するのは当然として、いかに中央道の渋滞に巻き凝れず帰宅できるかどうか!!
その為には最低でも畑薙ダムまでの復路バスの始発便に乗り込む必要があります。
早めに下山しても、長時間列に並ぶのは嫌だな~って考えていましたが、事前情報で先着順に整理券が配られ、その順番でバスに乗れると言う事を知り、早めの行動開始としました。

出発はヘッドランプが必要なくなる5時半。
赤石小屋の方の「ありがとう御座いました!」の明るい声に見送られ下山開始。


赤石小屋から椹島ロッヂまでは特に見所も無い樹林帯なので、木々の間から差し込む朝日を浴びながらさくさくと歩みを進めます。
そしてなぜか途中から、賑やかでやたら歩みの早い関西の方々のパーティーと一緒になり、しゃべりまくりのちょっとしたトレラン状態に。
…なんだこれは(笑)

その勢いのまま小屋から約2時間で椹島ロッヂまで下山完了。
バスの順番待ち整理券は32番でした。
これならほぼ始発に乗れそうなので一安心。

まあ、それでもバスまでの時間はまだまだあるので今回の山旅の思い出話に花を咲かせながらロッヂでカフェタイムを楽しみました。
…車じゃなければビール飲めたのになぁ~。


そんなこんなで、2018年メインの山旅は無事終了!

タイトルにしたように、南アルプスの山の深さというか雄大さを実感できた満足感の高い縦走でした。個人的には南アルプスはもっと泥くさいと思っていましたが、小屋も北アルプスと同じくらい…、いや、それ以上に綺麗でサービスも良く、南アルプスがより身近なレジャーになりつつあるのを感じました。

でも、やはり心配なのはリニア開発。はっきり言って人間の生み出す経済活動と自然保護なんて絶対両立はできないと思っているので、南アルプスの自然を守るにはリニア開発は中止になって欲しいです。
何万年と掛けて作り出したこの雄大な自然の造形美を、たかだか人間の一過性の利益の為に破壊するなんて言語道断!

…って、語気を荒げて言ってもどうにかなる訳では無いので、自分としてはこのブログを通じて一人でも多くの人に南アルプスの自然の素晴らしさが伝わればと切に願います。

以上です。

2018年11月19日月曜日

そこは大きなお山の王国(前編)【荒川岳(悪沢岳)・ 赤石岳・南アルプス 静岡県】

自分は毎シーズンメインとなる山旅を計画しています。
2018年としては、夏に北アルプスの鹿島槍~五竜岳、晩夏に北海道の幌尻岳、初秋に南アルプスの荒川~赤石岳を計画していました。
しかし、9月半ばの時点で鹿島槍~五竜岳、幌尻岳はいずれも悪天の為断念。

今年はお天気運に恵まれないなぁ~とかなり悶々としていましたが、最後に計画していた9/22~24の荒川~赤石岳縦走は初日は雨に降られるものの、2日目の稜線歩きは好天との予報だったので決行してきました。

さて、唯一残った2018年メインの山旅、前編・後編の2回分けて綴って行きたいと思います!

荒川三山(*右奥ピークが悪沢岳、中央ピークが中岳、前岳)」(3141m)
*大聖寺平より望む

「赤石岳」(3121m)
*荒川前岳より望む
2018/9/22~24
コース
9/22 畑薙ダム(夏季臨時駐車場)→(バス)→椹島ロッヂ→千枚小屋(泊)
9/23 →千枚岳→荒川岳(悪沢岳)→中岳→前岳→荒川小屋→赤石岳→赤石小屋(泊)
9/24 →椹島ロッヂ→(バス)→畑薙ダム(夏季臨時駐車場)

コースは定番の椹島ロッヂ起点の周回コース。
本当は好天が続くようなら有給1日追加して聖岳まで足を伸ばそうと思っていましたが、そうそう上手くいかず、定番の2泊3日コースとなりました。

茨城から畑薙ダムまでは約6時間。
金曜に仕事を上げ速攻で出たものの到着は午前2時前。
距離もそうですが、新静岡ICを降りてからの2時間近い山道走りで一気に疲労が溜まります。
…もう、そろそろ仕事終わりにこのレベルの運転はキツイなぁ~。

とりあえず、さっさと寝ましょう!おやすみなさい…。

おはよう御座います!
運転疲れのせいか寝付きは良く睡眠時間4時間の割には身体はすっきり!
でも、天気はどんより雨模様!!

…うん、まあ初日は期待していませんでしたけどね…。

バスの始発は7時半だというのに早い人は6時前から並び初めていました。
自分も準備を整え6時20分頃に列に並びましたが、バスは2台目。
最終的には始発便は臨時を含め4台出ました。
さすが3連休初日、山小屋の混雑を考えると少し気が滅入ります…。

そして、9時前に椹島ロッヂに到着し雨具を装備して出発!
では、よろしくお願いします!

少しだけ林道を歩くと掛けられたばかりの新しい吊り橋がお出迎え。
そういえば南アルプスは吊り橋を渡ってスタートって場所が多い気がします。
なんか冒険のスタートって感じでテンション上がりますよね!


最初は急勾配でいきなり頑張り所ですが、それを越えれば緩やかな樹林帯の道になり、小気味良く標高を上げていけます。
この頃には雨も止み、青空も見え始めていました。

途中の展望スポット見晴台に到着。
雨は上がりましたが、稜線はまだまだ雲の中。千枚岳は頭を出していますが、荒川三山は拝めず。
稜線が見えていれば中岳避難小屋まで行ってやろうかな、って思ってましたが、これでは頑張ってもしょうがないので予定通り千枚小屋までですね。

千枚小屋手前にある「駒鳥池」です。
深い緑の世界にひっそりと佇む池は幻想的です。
せっかく良い雰囲気なのにスルーする人が多く、勿体無い気がしました。

千枚小屋に到着!初日終了、お疲れ様でした!

ちょうど一杯引っ掛けようと外に出てくると雲も抜けて小屋の正面には富士山がひょっこり!
いや~、最高のつまみをありがとう!

そして、なんとここでフォロワーのしゅーたんさんとサプライズ邂逅!
しゅーたんさんとは昨年夏の妙高以来、特に約束もする事なく4回も山で出会っており、今回で5回目。いつもびっくりするのと同時になんとなく趣向が似ているんだなぁ~って思って嬉しくなりますね。

コースも同じという事で、これ以降全工程ご一緒する事に。
ソロのつもりでしたが、即席パーティーとなりました。

良い感じに陽も沈み初日が終了。
明日は長丁場なので早めの就寝、おやすみなさい…。

(2日目)

おはよう御座います!
メインの2日目は山と高原地図のCTで11時間45分のロングトレイルなので5時には出発!



朝焼け染まる地平線と雲海に浮かぶ富士山がなんとも幻想的。
そして、南アルプス南部の巨大な山塊が徐々にその全貌を見せ始めます。


千枚岳で御来光タイム。
朝日に照らされた悪沢岳までの稜線が美し過ぎます!
今日一日が最高の一日になる事を約束してくれてるような素晴らしい御来光でした。


千枚岳を越えてしまえば、後は天空の稜線。
所々歩き難い岩稜帯はあるものの南アルプスの峰々や雲海に浮かぶ富士山の大パノラマ。
ボキャブラリーに乏しい自分としては、もうヤバイヤバイって言葉しか出てこなかったです。

悪沢岳(荒川東岳)到着!
ありがとう御座います!


山頂からはこれから向かう赤石岳や、笊ヶ岳方面の大展望。
それにしても赤石岳、大きいわ…。
北アルプスとは違い、一つ一つの山の存在感が半端ありません。

悪沢岳を過ぎると荒川三山の次のピーク中岳に向かいます。
三山ってひとまとめにされていますが、中岳まではかなり標高を下げさせられます。
しかも、岩場でのかなりの急勾配。

中岳と悪沢岳のコルです。
正面の中岳に向かっては緩やかではありますがしっかり登り返されます。
2日目まだまだ序盤ですが、先を考えるとゲンナリ…。

山頂手前に中岳避難小屋があります。
避難小屋と言ってますが、夏は管理人が常駐。
行ければ初日にここまで、って考えてましたが、バスの始発便からスタートだと相当キツイですね…。ちゃんと千枚小屋で止めておいて良かったです。

後ろを振り返ると先ほどの踏んできた悪沢岳がドーン!
いや~、まだ荒川三山の途中なのにずいぶんと歩いてきましたね。

そして、ほどなく荒川中岳山頂!
お疲れ様でした。
とは言っても先はまだまだ。休憩もそこそこに最後の荒川前岳に向かいます。

荒川前岳までは、ほぼ平坦な稜線歩き。
先程の悪沢~中岳をクラスを覚悟していると拍子抜けします。
…この程度なら、荒川二山でも良かったのでは?と思わずにはいられません。

荒川前岳に到着!

前岳からは荒川東岳(悪沢岳)と中岳が一望。
この景色を見ると確かに前岳も三山の一つとして良い気がしました。
前岳が無いと、この絶景は拝めませんもんね!

これで荒川三山踏破!
お次は赤石岳を目指します!!

(後編につづく)