2020年5月31日日曜日

日本温泉巡り その93 「黄金崎不老ふ死温泉」【青森県深浦町】

温泉好きならば誰でも一度は行きたい温泉が一つや二つは必ずあると思います。
今回紹介する「黄金埼不老ふ死温泉」は自分にとってのそれでした。

海と繋がったかの様な開放的な露天風呂に注がれる黄金色のお湯…
そんな写真をネット見た時の衝撃は今でも覚えています。

早速行こうと調べてみると場所は本州最北の青森、しかも連休はもちろん普通の土日も予約でいっぱいと相当な人気っぷり。
日帰りもやってるようですが観光客で相当混雑するようで…
最高の温泉は最高のシチュエーションで入りたい自分にとってはなかなか行くタイミングがつかめず月日が流れてしまいました。

そして2020年、日本にも新型コロナの足跡が確実に近づいており、やや人の動きが鈍くなってきた3月中旬。
今となっては少し反省していますが「今なら人気のある温泉に行きやすいのでは?」なんて軽く考えてしまい、この温泉を調べてみたところ土曜日に空きがあったので即決。
ついでに貯まっていたマイルも開放して週末みちのく温泉巡りとなった次第です。

なんか、こう書くと批判もありそうですが、この時にこう考えたのは事実だし、このブログは日記なので正直に書き残しておこうと思います。

「黄金崎不老ふ死温泉」が在るのは青森県深浦町。日本海側で秋田県との県境であり世界遺産白神山地の麓でもある場所です。
実はこの場所は2010年に白神山地観光で訪れており2回目。当時はまだ山と温泉にそれほど興味が無かったのでこの温泉の存在さえ知らずにスルーしてました(笑)
趣向が違う形で再訪になるとは、人生楽しいものですね!

チェックインは日帰り客も掃けた15時くらい。
太陽は見えてますがにわか雪が舞う日本海らしい天気に風情も最高です。

部屋に案内されるとなんとオーシャンビュー!
この波の音をBGMに一泊できるとは…、なんか自分好み過ぎてニヤニヤが止まりませんでした(笑)

さて、長年憧れだった海辺の露天風呂、頂きに参りましょう!!

宿泊錬から露天風呂への専用出入口を経て海辺に向かいます。
人の気配も無く独泉の気配…
気分は高まるばかり。

そして、ご対面!
…もう何も言う事はないですね。
入れる事にただただ感謝。

では、いただきまーーーす!


お湯は見た目通り濃厚な赤茶色で強い塩味を有する含鉄-ナトリウム-塩化物強塩泉。
湧出口から出てくるのは透明ですが、すぐに空気と触れる事で酸化しているようです。
つまり、お湯としての鮮度は抜群!
源泉温度は55度と熱めですが、豊富な湧出量と広い湯船のおかげで適温。
もうお湯だけでパーフェクト。

そして、その最高のお湯が注がれる露天風呂の一歩外は日本海の大海原。
ちょっと目線を下げれば湯船と水平線が重なるくらいの解放感!

まだ冷たさが残る初春の穏やかな風と流れる雲、そして聞こえるのは波の音だけ…
全てを忘れて温泉に溶けてしまえる…
そんな最高の温泉時間でした。

いや~、もともと外れは無いだろうと思ってましたが、その想像を軽く超える最高の温泉でした。なによりも独泉できたのが良かったです!
あと場所が場所なので海が荒れると露天に入れない場合もあるようですが、今回の滞在中は天気も海も穏やかで温泉と天気の神様に感謝ですね。
(一応、旅館内に泉質は同じ内湯もあり、悪天でも入れる半露天もあります)

メディアには秘湯として紹介されてますが、宿泊錬は非常に綺麗で秘湯の趣はもう皆無ですが(笑)、温泉は絶対後悔しないと思います。

温泉好きなら絶対入っておけ!って断言できるので、是非みなさんも計画してみて下さい!

こんな温泉で出会えて幸せです!
以上。

来訪日:2020/3/14
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<超絶名湯オススメ温泉 トップ5> 2020.6月現在
1位 籐七温泉「彩雲荘」(岩手県)
2位 明礬温泉「鶴乃湯」(大分県)
3位 姥湯温泉「桝形屋」(山形県)
4位 乳頭温泉「鶴の湯」(秋田県)
5位 黄金崎不老ふ死温泉(青森県)

<超絶名湯オススメ温泉(ランク外)>
登別温泉「夢元さぎり湯」(北海道)
酸ヶ湯温泉 (青森県)
後生掛温泉 (秋田県)
玉川温泉(秋田県)
銀山温泉「永澤平八」(山形県)
鳴子温泉「滝乃湯」(宮城県)
野地温泉ホテル(福島県)
新湯温泉 共同浴場(栃木県)
奥鬼怒温泉「手白澤温泉」(栃木県)
万座温泉「豊国館」(群馬県)
熊の湯温泉「熊の湯ホテル」(長野県)
白馬鑓温泉(長野県)
塚原温泉「火口乃泉」(大分県)
新湯温泉「霧島新燃荘」(鹿児島県)
吹上温泉「みどり荘」(鹿児島県)

その他、極上オススメ温泉は「全国極上温泉マップ」にて紹介しています!

2020年5月19日火曜日

修行のその先に「七面山」【山梨県南巨摩郡】

日本には宗教の聖地となっている山が数多くあります。
今回紹介する「七面山」は今でも日々修験者を受け入れて信仰の山の姿を色濃く残している数少ない山です。
「七面山」は「身延山」と一緒に日蓮聖人によって法華経の聖地とされ、頂上近くには久遠寺に属する敬具院と修験者を受け入れる宿坊が建っています。

そういった歴史もあってか「七面山」は日本二百名山に選ばれていますが、レジャーとしての山と考えると結構地味な部類に入るそうなので、地元の人や二百名山を狙ってる人以外はあまり登る機会が無い山かと思います。

そんな山なのに、何故自分が登ったのかと言うと…

ぶっちゃけ半分は前回ブログで紹介した奈良田の温泉に行くついで(笑)
残り半分は、修験の山に少しばかり興味があるくらいでしょうか。

どういった部分に興味を感じるかというと、修験の山と聞くと訳ありの人が登っているイメージ(失礼)で、そのような人たちがこの山で何を感じ、何を得る事ができたのか?
それを自分も登る事で追体験してみたい、上手く言えませんがそんな感じです。

まあ、考えるより感じろ!って事で「七面山」登山レポいってみましょう!

「七面山」(1982m)
*早川沿い県道37号の駐車スペースより望む

2020/2/23
コース:(表参道)→敬具院→七面山山頂→希望峰→敬具院→奥之院→(表参道)
時間:7:00~15:30
累積標高(上り): 1723m
累積標高(下り): 1712m
*ガーミン先生を今回より導入したのでマップと累積標高を掲載します!


登ったのは2月下旬。
この日は今年の暖冬では珍しい強い冬型という事で太平洋側では風は強いものの好天が期待できる天気。ただ、南アルプスに属する七面山には雪雲が流れ込む可能性があったので展望があるかは五分五分。
まあ、温泉メインなのであまり気にせず行きましょう!

スタートは表参道側の春木川沿いの駐車スペースから。
山もシーズンオフなのか、車も少なく静かな山旅が楽しめそうです。

駐車場から登山口の宿坊群を抜けると登山口。
門からしっかりとした面構えで、レジャー目的の自分でしたが少し気が引き締まりました。
よろしくお願いします!

登り始めると写真のような灯篭が点在しており、〇丁目って掘ってあります。
敬具院までの標高差約1400mの間に50丁目まであるようで、そうなると標高28m毎に一つ…、なかなかの頻度ですね…。
ゴールまでの目安がわかるのは悪くないですが、先に何があるのかというワクワク感を重視する自分としては、こういっぱいあるとちょっと…(笑)

登り始めると直ぐに神力坊という宿坊があります。
7時スタートという早朝でしたが、朝のお経が響きわたっており、ここが修験の山だという事が身に感じられます。

登山道は地図を見てもわかるように、樹林帯の中のひたすらまでの九十九折り。
はっきり言って見所はありませんので、途中行程は省略させて頂きます(笑)
とは言え、本来ならお経を唱えながら登る路。
地味な路ほど無心になれるのでこれはこれでありなのかも知れませんね。

無心になって約2時間半で敬具院の大門に到着。
この付近から登山道はアイスバーンが多くなりチェーンスパイクが必須でした。

敬具院をスルーして山頂へ向かう路もありますがそんな失礼な事はできないので、まずは登らせて頂いたお礼に参拝。
お山の上にこんな立派なお寺が建てられているとは…、山の上であることを忘れてしまいそうです。

「ご参拝ありがとうございます。お疲れでしょうから少し休んでいって下さい」と宿坊の方に暖かい声を掛けて頂けたので中で少し休憩させてもらいました。
一般登山者でもこの心遣い、嬉しいですね。

しばし休憩した後、敬具院を後にして山頂を目指します。

写真は敬具院の表門。
ここを通って登山道に戻りますが…

門を抜けた先に広がるのは神々しいまでの富士山を従えた絶景。

修行とも言える単調な長い長い登りを経た先にこの景色が広がっていたら、そりゃ悟りも開けますわ!
日蓮さんが聖地とした理由が少しわかった気がします。

さて、山頂まではもうひと頑張り!
そこそこ雪が残ってますが、ガチガチなのでそのままチェーンスパイクで進みます。

しばらく進むと七面山のもう一つの見所「大崩れ」がお目見え。

はへぇ~、すんごい…
1600年頃に小規模な崩壊が起きた後、1854年の安政の地震にって大規模崩落が起こった場所らしいですが、未だに少しづつですが崩壊は進んでいるそうで…

大崩れ付近からは東側の最高の展望が広がります。

富士山と毛無山方面!

駿河湾と伊豆半島、愛鷹山!

ひゃーーー!最高!!

と、展望を満喫している最中もちょこちょこと石の転がる音が…
あまり長居は危険なので早々に立ち去る事にしました。

その後は大崩れから少し離れた縁を進み山頂に向かいます。

そして、程なく七面山山頂!
ありがとう御座います。

展望はありません!!(笑)

でも、山頂から少し進むと「希望峰」という南アルプス方面の展望が広がる場所があるそうなので行ってみることに。

山頂から希望峰までは更に雪深くなります。
ピンクテープもありますが、迷い易い場所もあるので要注意です。

希望峰到着!
ぽっかり西側が開けている程度で目立ったピークではありません。
一応看板がありますが、小さいので注意してないと見逃すかも…

ちょうど正面から少し右側の笊ヶ岳(双耳峰のピーク)の奥は雪雲が掛かり赤石や荒川は望めず…
ちょっと残念ですが、南アルプスが雪雲を塞き止めてくれてるおかげで、こちらは晴天。
感謝感謝!

希望峰で昼食休憩を取り下山することに。


敬具院まで戻り時間もあったので奥之院まで足を延ばしてみました。
奥之院には七面大明神を祭っている影嚮石(ようごうせき)あり、この石の周りを7回回ると御利益があるそうです。

奥之院からも富士山の見事なお姿が望めます。
宿坊に泊まれば素晴らしい御来光が望めそうですね!

この後はそのまま来た道を戻って下山完了!
お疲れ様でした。

展望の無い永遠とも思える登りを得た先に広がる富士山の大展望!
そして、心安らぐ聖域である敬具院。
当に修験を体験できる山だと思いました。
絶景を求める山旅とは少し違った体験をしたい人にはおすすめかも知れません。

以上です!!

2020年5月10日日曜日

日本温泉巡り その92 奈良田の里温泉「女帝の湯」【山梨県早川町】

お、温泉に入りたいです…

最後に温泉に行って早2ヵ月…
新型コロナのせいで日本全土に緊急事態宣言が発令されてからというもの、メジャーマイナー問わず温泉施設や旅館はことごく休業。
「山」に関しては比較的山が近い地方に住んでいるので山成分は少なからず補充されているので我慢できていますが、温泉はさすがにそうはいかず。
そろそろ限界に達してきているようです…

早く!早く終息してくれぇぇぇ!!(切実)

と叫んでもしょうが無いので、今のうちブログを黙々と進めていきたいと思います。

では、日本温泉巡り その92は 奈良田の里温泉「女帝の湯」を紹介!

奈良田と言えば山屋の方々には南アルプスの白根三山への玄関口として知られている場所。
自分も芦安(広河原)から白根三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)を縦走してこの奈良田に下山する計画を以前立て、この温泉もその時に満喫する予定でしたが、天候の影響で短縮となりインもアウトも芦安になってしまった事がありました。
そんな訳で奈良田には積極的に行く理由が無くなっていましたが、ふと七面山登山とセットで行く事を思い付き2月に行くことに。

奈良田の里温泉は南アルプス公園線(県道37号)の一般車が行ける最奥の集落。
これより先は通年マイカー規制で登山客はシャトルバスに乗って登山口に行くことになります。駐車場から温泉施設までは少し歩くようですね。

駐車場から5分くらい歩く(登る)とぱっと見古民家風な温泉の受付兼食堂があります。
田舎の雰囲気に合った風情が良いですね!!

受付を済ませて少し建屋内を進むと温泉入口へ。
では、噂の名湯頂きます!!


広い窓の外には奈良田湖と南アルプスから連なる里山の風景が広がります。
陽の光りに照らされた浴槽にこんこんと注がれるお湯は無色透明でふんわりと硫黄臭が漂うアルカリ性の塩化物-炭酸水素塩泉。
そして、何よりも特筆すべきは圧倒的なヌルヌル感!
湯温は37度程度とぬる湯ですが湯上りに感じるポカポカ感は本物ですね!

とは言え、このぬる湯は2月に入るには少々寒さを感じてしまったので、暑い時期に入った方が気持ち良さをより味わえるかも知れません。
きっと、南アルプス縦走後に入れば昇天間違いなし!!

なかなか特徴的なお湯で満足でした!!

奈良田の里温泉には「南アルプス山岳写真館」も併設されているので山好きの方は是非どうぞ~



本来であれば静かな山里である奈良田ですが、今ではリニア工事で多くの工事車両が行きかい、山を砕く音が響き渡っています。

山と自然が好きな自分としては、リニアは今の日本に必要無く極一部の人間の利益の為だけにやっているもので、更に何万年という月日で形作られた貴重な南アルプスの自然を壊すものと考えているので完全に反対です。

ただ、こういった国家事業は山里に利益をもたらすものであり、それは今の観光客や登山客がもたらす利益よりもの多いのも事実です。
でも、こういう自然を壊す事でしかそこに住む人々の暮らしを守れなくなっている社会に悲しさを感じてしまいます。
本当はリニア工事に掛ける予算を自然やそこに住む人々暮らしに活用してくれるのが理想ですが、その予算を動かす人間の価値感が変わらないときっと何も変わらないのでしょうね…。

人の価値観はそうそう変わるものではありません。

でも、個人として自然の大切さや綺麗さを訴え続ける事はできます。
それによって将来自然を大切に思える価値観をもった人が一人でも多く増える事を切に願います。

このブログもその一端を担えれば嬉しいです。

来訪日:2020/2/24
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<超絶名湯オススメ温泉 トップ5> 2020.5月現在
1位 籐七温泉「彩雲荘」(岩手県)
2位 明礬温泉「鶴乃湯」(大分県)
3位 姥湯温泉「桝形屋」(山形県)
4位 乳頭温泉「鶴の湯」(秋田県)
5位 野地温泉ホテル(福島県)

<超絶名湯オススメ温泉(ランク外)>
登別温泉「夢元さぎり湯」(北海道)
酸ヶ湯温泉 (青森県)
後生掛温泉 (秋田県)
玉川温泉(秋田県)
銀山温泉「永澤平八」(山形県)
鳴子温泉「滝乃湯」(宮城県)
新湯温泉 共同浴場(栃木県)
奥鬼怒温泉「手白澤温泉」(栃木県)
万座温泉「豊国館」(群馬県)
熊の湯温泉「熊の湯ホテル」(長野県)
白馬鑓温泉(長野県)
塚原温泉「火口乃泉」(大分県)
新湯温泉「霧島新燃荘」(鹿児島県)
吹上温泉「みどり荘」(鹿児島県)

その他、極上オススメ温泉は「全国極上温泉マップ」にて紹介しています!