2021年5月27日木曜日

期間限定!残雪の尾瀬「至仏山」【尾瀬 群馬県】

はぁぁぁ~、梅雨ですね。
平年よりだいぶ早く梅雨入りした関東以西。
ここ近年は春や秋の様なちょうど良い季節はあっと言う間に過ぎ去っている気がします。
早く梅雨入りした分早く明ける事を期待したいところですが、結局猛暑が長引くと考えると一概に良い事なのかと考えてしまいますね…

さて、前置きはこれくらいにして、久々の山ブログは4月下旬に登ってきた至仏山を紹介します。
至仏山と言えば燧ヶ岳と対を成す尾瀬の名峰。
実はこの至仏山、雪に覆われた時に登れるのは1年の内でも極めて僅かである事を御存知でしょうか?

至仏山は植生保護の為、雪解けの5月中旬頃から木道が完全に姿を見せる6月末までは登山禁止になります。そして至仏山の登山口である鳩待峠は4月末まで冬季閉鎖。
つまり、雪に覆われた至仏山に登れるのは毎年4月下旬から5月中旬くらいです。

まさに期間限定!
そんな言葉に弱い日本人の心を掴んだ残雪の至仏山(笑)
自分もなんとなく行きたいと思っていたので、チャンスを伺っていたところ今年は天気と休みのチャンスが合い突撃してきたので紹介します!

「至仏山」(2228m)
*尾瀬ヶ原から望む

2021/4/24
コース:鳩待峠→小至仏山→至仏山→山ノ鼻→鳩待峠
累積標高差:±820m

訪れたのは4月下旬の土曜日。
ちょうどその前日に鳩待峠への道路の冬季閉鎖が解除され今シーズンの至仏山開山2日目になります。
天気予報も上々なので駐車場は混むと考え前日の夜11時頃着で行きましたが、駐車場は一見満車。まさかこの時間で停まれる場所を探す羽目になるとは…
どうにか邪魔にならなそうな場所を見つけてほっと一息し仮眠をとって朝起きると…

駐車場は路肩も含めていっぱいっぱい。無茶停めしてる人には係員が戸倉まで戻りシャトルバスを使うようにと誘導していました。
恐るべし期間限定効果…(まあ、自分もその一人なんですがね…)

人混みを避ける山旅を基本とする自分にとっては、こういうたまに人が集まる場所にくると必要以上に疲れてしまいます…(笑)

とりあえず早朝で人はまだまばらなので、混み合う前にレッツクライム!

駐車場すぐ上の鳩待山荘。
関東近くでこの時期にBCできる貴重な山なのでBC勢の方が多いと思ってましたが、登山客と半々くらいですね。

山荘対面にある登山口。
それではよろしくお願いします!


朝陽を背に浴びながら小気味よく樹林帯の中、標高を上げていきます。
雪質は初春らしく溶けては凍るを繰り返してるので表面はガッチガチ。
緩んでいれはツボ足で行ける傾斜ですが、早々にアイゼンを挿着。

スキー板で登ってるBCの人は少し登り辛そうでした。

時折、右側に至仏山の稜線が見えます。
登り易そうなおおらかな山容で癒されますね。

小至仏山手前から森林限界超え。
吹き抜ける春の風が心地良い…  って、もうなんか暑いわ!
太陽の照り返しも強く、絶対日焼けするなこりゃ…

小至仏山は東側斜面をトラバースして進みます。そして、ここから本山旅で一番楽しみしていた景色の白い尾瀬ヶ原と燧ケ岳が見えてきます。
何度か写真で見かけていつかは拝みたいと思っていたので感無量。

小至仏山を超えると至仏山本峰が目前に。
西側斜面は雪がほとんど無く、剥き出しの蛇紋岩が最初に見たおおらかな至仏山の印象とは異なり荒々しさを感じます。

そしてほどなく至仏山山頂へ。
ありがとう御座います!!


山頂からは武尊山や谷川連峰といった上越国境の峰々の大展望!
まだまだ雪をたっぷり纏ったお姿は雄大そのもの。
うーーん、気持ち良い!

気候もよく山頂でのんびりタイムを満喫しようと思いましたが、登ってきた路を振り返ると次から次へと登山客が押し寄せてくるようなので、そそくさと退散する事に。
まだ、早い時間だしお昼は下山してからでもいいか~

下山は山ノ鼻に向かいました。
ホントに尾瀬ヶ原を従える威風堂々とした燧ケ岳の姿が見事です。

所々地肌が見えますが山ノ鼻までは雪の斜面が繋がっているようなので、大半は尻セードであっという間に滑り降りました(笑)
ただ、それなりに傾斜はあるのでピッケル等でちゃんと速度調整できないと危ないな、とも思いました。
初心者は要注意!(マジで)

尾瀬ヶ原の至仏山側の拠点「山ノ鼻」まで降りてきました。
もちろん山荘も今日から営業ということで歩荷の人も多く、営業開始に向けてドタバタしていました。


このまま鳩待峠に戻るには時間が早いので少々尾瀬ヶ原を散策。
やはり雪解けは早いようで、場所によってはもう水芭蕉のつぼみが膨らんでいました。

実は自分は尾瀬ヶ原は幼少の頃に自治会のレクで来ただけで、山を嗜み初めてからは混雑してる印象があるせいか来たことがありません。
やっぱり水芭蕉や夏の花々に彩られる尾瀬ヶ原を一度は歩いてみないとですね。

この後は山荘前で昼食をとり鳩待峠に向かって下山(登山?)。


前述したようにずっと昔に歩いているので、その時の事を思い出すかな~?なんて期待していましたが、さすがにこれだけ雪が残ってると記憶にかすりもしませんね(笑)

鳩待峠に無事到着。お疲れ様でした!

さて、いつかは登りたいと思っていた残雪の至仏山と尾瀬ヶ原を満喫できて良かった!
とは言え、例年であれば雪もりもりの景色が楽しめたはずだと考えると、ちょっと残念な気持ちもあるので、来シーズン以降にまた、雪たっぷりな時に再訪したいですね!


しかし、あの鳩待峠の駐車場争奪戦はちょっとゲンナリ。茨城からは比較的近い山域ですが、なんとなく人混み苦手な自分としてはやっぱり尾瀬は近くて遠い山域ですね(笑)

以上です。

2021年5月1日土曜日

日本温泉巡り その110 青荷温泉【青森県黒石市】

温泉を楽しむ為に一番重要なのは、やっぱり「湯」の良さなんですが、それと同じくらい雰囲気というか、その湯を楽しむ環境が大切、って人は多いと思います。

個人的にはどれだけ俗世から離れる事ができるか。
要は隔離世というか時が止まった世界というか…そういう雰囲気がとても好みです。

そんな自分が、以前から気になっていた温泉が今回紹介する「らんぷの宿 青荷温泉」です。

電気も無い携帯も通じない山奥の秘湯「ランプの宿 青荷温泉」として有名なこの温泉。

特に秘湯感マシマシな冬は人気もあり予約もなかなかできない場所でしたが、このコロナ禍のおかげなのか、たまたまなのか2月上旬の週末に予約できたので、温泉巡り その110として紹介したいと思います!

青荷温泉があるのは青森県黒石市の十和田八幡平国立公園の西側の山間。
冬はかなりの豪雪地帯でマイカーでは行けなくなりますが、宿泊者専用のシャトルバスが道の駅虹の湖から出ており、それに乗って行きます。
もちろんマイカーはそのまま道の駅に止めておいてOKです。

そして、バスで30分程山の奥の奥へ進むと青荷温泉に到着します。

外観は思ったより近代的な宿泊施設って感じ。
まあ、最低限のインフラは無いと宿泊施設として機能しませんもんね。
ただ、周りは完全に山々に囲まれており秘湯感はなかなかのものです。

フロントに通されると、まず目に入るのは吊るされたランプとねぶた祭りをモチーフにした大きな絵。
気分が一気に高まりますね!
こんなご時勢ですが、この日は外国の方もそこそこ多く、皆さんこの雰囲気に喜んでました。
バスに乗る時に簡単なチェックインは済んでるので、すぐに部屋の鍵を渡され部屋に向かいます。


部屋の灯りはランプだけ。
窓の外は一面の雪景色。
もちろん携帯は不通で、コンセントもありません。

…うむ、良き!
今のこの時代、こういう時間を忘れられるって事が一番贅沢かも知れませんね。

とは言え、何もないと時間を持て余すのも事実なので自分は本を一冊持っていきましたが、誰かと一緒の人はゆっくりと色々話をする良い機会になると思います。

とりま、のんびりするのは後にして、いざ!温泉!


まずは、青荷温泉の主役とも言える「健六の湯」へ!
本館の外にあり、200年の歴史があるという総ヒバ造りの湯船が湯治風情満点!

泉質は無味無臭で無色透明の単純泉。
これでもかと澄み切ったお湯はなんともすっきりさっぱり!

こちらは露天風呂。
混浴ですが女性専用の時間も設けられているし、混浴時も湯浴み着OKなのでご安心下さい。

山に囲まれているので展望は無いですが、箱庭感が綺麗な露天風呂でした。

さて、夕食も終え、夜時間が訪れます。
同時にここからがランプの宿の真骨頂です。



静寂の中、揺らめくランプの灯りに照らされる雪と湯。
ここは夢か幻か…、そんな桃源郷のような世界が広がっていました。


青荷温泉、人気の温泉な理由が良くわかりました。
電気も無く携帯も通じない、そしてこの隔離世の風情。これだけ非日常感を味わえる場所はそうそう無いと思います。

ただ、ただ…ね、お湯にもう少し特徴があれば!
これでお湯は白濁硫黄泉とかだったら、もうフルスコアの最高温泉なんですけどね…
「天は二物を与えず」とはまさにこの事です(笑)

来訪日:2021/2/13
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 <超絶名湯オススメ温泉 トップ5> 2021.5月現在
1位 籐七温泉「彩雲荘」(岩手県)
2位 明礬温泉「鶴乃湯」(大分県)
3位 黄金崎不老ふ死温泉(青森県)
4位 日景温泉(秋田県)
5位 乳頭温泉「鶴の湯」(秋田県)

<超絶名湯オススメ温泉(ランク外)>
見市温泉旅館 (北海道)
酸ヶ湯温泉 (青森県)
後生掛温泉 (秋田県)
玉川温泉(秋田県)
須川高原温泉(岩手県)
銀山温泉「永澤平八」(山形県)
姥湯温泉「桝形屋」(山形県)
鳴子温泉「滝乃湯」(宮城県)
野地温泉ホテル(福島県)
筌の口温泉「新清館」(大分県)
新湯温泉「霧島新燃荘」(鹿児島県)
吹上温泉「みどり荘」(鹿児島県)

その他、極上オススメ温泉は「全国極上温泉マップ」にて紹介しています!