2022年8月23日火曜日

日本温泉巡り その120 霧積温泉「金湯館」【群馬県安中市】

 「母さん僕のあの帽子どうしたでせうね。ええ、夏碓氷から霧積へ行く道で落としたあの麦わら帽子ですよ。」

日本映画好きなら一度は目にした事のあるこのフレーズ。
そう映画「人間の証明」を代表する一文ですが、元があってそれは詩人 西条八十さんの「ぼくの帽子」という作品の一文です。

恥ずかしながら自分は「人間の証明」観てないので、どうしてこの詩が引用されたのかわかりませんが、この詩を読むと、いつかの遠い昔の青空と一緒になにか大切なものを忘れて、その忘れたものさえなにか忘れているような…そんなやりきれない気持ちになってしまうのは気のせいでしょうか…?

さて、前置きはこれくらいにして、今回紹介する温泉はこの詩の舞台となった碓氷峠近くにある霧積温泉「金湯館」になります。

訪れたのは6月初旬。
そろそろ気温も上がり温泉を楽しみにくくなる季節ですが、この「金湯館」は標高約1000mの山の中腹にあるのでこの時期温泉を楽しむにはちょうど良いと考えました。

また、アクセスには一癖あって宿まで一般の車は入る事はできません。
宿泊客は林道終点の駐車スペースに車を停めて30分ばかり山道を登るか、宿に送迎をお願いする必要があります。
(*日帰りの場合は宿の送迎は無いので徒歩限定になります。)

山屋の端くれの自分としては歩いて行く気満々でしたが、この時は途中の林道が工事中で駐車スペースまで車が入れない事から、宿の送迎バスを活用するしかありませんでした。
折角なら鼻曲山登山もしてみようと思ってたのですが、残念…

バスを降りて沢に向かって少しだけ降りると緑の木々の奥にその宿は突然姿を現します。
山の奥にしては非常に立派な建物ですが、所々山小屋の雰囲気を感じて個人的には良い感じです。

チェックインを済ませて楽しみの温泉へGO~!

お湯は僅かな硫黄臭で無色透明のカルシウム硫酸塩泉ですが、炭酸を豊富に含みあっと言う間に身体は泡だらけと、じわじわと沁みる感じが堪りません。

湯船は5人程度入れるかどうかの小ささですが豊富な湯量のおかげで鮮度は抜群。
湯温は38度程度のぬる湯でこの時期なら永遠に入ってられるベストな湯温。
内湯のみのシンプルさですが、外が見える窓は大きく開放感もまあまあですね。

時間もたっぷりあったので新緑と鳥の声を聞きながら最高の温泉時間を満喫しました。

湯冷ましに宿の庭まで散歩。
深い新緑の中、ゴロゴロ回る水車をみてると頭を空っぽにできますね(笑)
やっぱりこういう時間は必要…

世間から離れて山の空気をストレートに感じつつ温泉を楽しみたい方、おすすめです!

(オマケ)
この霧積温泉「金湯館」さんに入る前に、アプト道(旧碓氷線の廃線跡)を歩いてきました。




1枚目写真にあるめがね橋(碓氷第三橋梁)は有名ですが、それ以外のトンネル道や旧送電設備などなど、ちょっとした非日常を感じつつ冒険心をくすぐられる場所が多くオススメなので是非歩いてみて下さい!
小さなお子様は特に楽しめるような気がします。

来訪日:2022/6/4
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 <超絶名湯オススメ温泉 トップ5> 2022.8月現在
1位 籐七温泉「彩雲荘」(岩手県)
2位 明礬温泉「鶴乃湯」(大分県)
3位 黄金崎不老ふ死温泉(青森県)
4位 日景温泉(秋田県)
5位 乳頭温泉「鶴の湯」(秋田県)

<超絶名湯オススメ温泉(ランク外)>
見市温泉旅館 (北海道)
酸ヶ湯温泉 (青森県)
後生掛温泉 (秋田県)
玉川温泉(秋田県)
須川高原温泉(岩手県)
銀山温泉「永澤平八」(山形県)
姥湯温泉「桝形屋」(山形県)
鳴子温泉「滝乃湯」(宮城県)
野地温泉ホテル(福島県)
地獄温泉「清風荘」(熊本県)
新湯温泉「霧島新燃荘」(鹿児島県)
吹上温泉「みどり荘」(鹿児島県)

その他、極上オススメ温泉は「全国極上温泉マップ」にて紹介しています!

2022年8月20日土曜日

幻想筑波山【茨城県】

 約半年ぶり久々の山旅ブログになります。

いやーホント、山旅ブログを書く機会が減ってしまいました。
山に行くペースも以前より落ちていますが、やっぱり初見の山が少なくなっているのが一番の理由ですね。さすがに複数回登ってる山はよほどの事が無い限り新規にブログを書くことはありません。

と言っておきながら今回のネタは間違い無く自分が一番多く登っている「筑波山」。
おそらく年間5、6回は登っており、これまでで50回以上登っていますが、そんな自分でも今回の筑波山は一生で一回会えるかどうかの特別なもの。
さて、誰も見たことが無い筑波山、はりきって紹介していきたいと思います!

時は2022年2月11日。

この日の前夜は上空の寒波&南岸低気圧が通過し、関東でも数年に1回あるかどうかの大雪。そして土曜日休日という事で一般社会人の自分にとってはまたと無いチャンス。
迷う事なく早朝から突撃してきました。

スタートは筑波山神社前の市営第三駐車場から。
こんな日に登るの自分くらいだろー、と思ってましたが、5台ほど先着が。
変態はどこにでもいるもんですね(笑)

筑波山神社まで来ました。
関係者の方は雪かきで大忙し。
雪慣れしてない関東民の観光客の多い筑波山神社ですからね~。ご安全に頑張って下さい!

コースはみんな大好き御幸ヶ原コース。
もう登山口から自分の知ってる筑波山じゃありません。
これから先、そんな世界が広がっているのか楽しみ!!



…ここは本当にどこなんだ?
そう思わずにはいられない雪と静寂の世界。

ガスっていたおかげで一段と異常感がマシマシ。
標高600を超える頃には足首は軽く埋まるもふもふの新雪。
こんなにワクワクしながら筑波山に登ったのは初めてですね!


御幸ヶ原に着く手前で青空が広がってきました。
木々には雪の花が満開。


御幸ヶ原に到着。
純白の男体山が本当に見事。こんなものが見れるとは思ってませんでした。
女体山方面は新雪たっぷり!トレース一番乗りが出来なかったのが残念でしたね…


御幸ヶ原から女峰山に至る道、いつもは登山客や観光客で混み合っているメインストリートですが、この時はホワイト&ブルーのを独り占め!
新雪も膝下くらいまであり、念願だった筑波山でのラッセルを楽しむ事ができました。


そして、山頂へ!
新雪に覆われた山頂と青空は、どこぞの冬のアルプスと見間違えんばかりの雄大さ。
男体山方面の展望はしばらく待ってみたもののガスが抜けずに見れず終い、これだけがちょっと心残りでしたね。



下山は白雲橋コースへ。
パラパラと落ちる霧氷が陽の光りに照らされてなんとも綺麗でした。

帰り道からの筑波山。
陽の当たった斜面はもう雪は見えず、いつもの筑波山が戻ってきていました。
やっぱり、あの特別な筑波山は一瞬で無くなってしまうようですね。
早起きして登って良かったです。

毎日、家から仕事場から見えてる筑波山。
これだけ特別な日に登れてホント感謝です。
身近な山だからこそ見れる特別、そんな楽しみを教えてくれたような気がします。

以上です!