2017年10月21日土曜日

北アルプス黒部源流域 ぐるっと大縦走 その4(最終回)【雲ノ平(4日目)】

その3からのつづきです。

4日目、最終日になってしまいました。
今日は雲ノ平山荘よりまっすぐ薬師沢小屋を通り太郎平を経て折立に戻ります。


早朝、ピンと張り詰めた冷たい空気に包まれる雲ノ平。
ここは周りを高い山に囲まれているので日が射すのも遅く、風も弱いので独特の雰囲気がありますね。
静寂って言葉がぴったりな気がします。

はぁぁぁ~~、と深呼吸すると身体の中の汚れた空気が一気に浄化される様な感覚。

チングルマの綿毛も冬化粧。


周りの山が明るく染まる頃に出発。
台地の端までは木道歩きが続きます。
ハイマツの間から日の当り始めた山々が見え、気持ちよい散歩道って感じです。
やっぱり良い場所ですね。

木道の終点。
いよいよ楽園ともおさらばです。
さらば、雲ノ平!今度は高天原温泉とセットに花の季節に来たいものです。

雲ノ平から薬師沢小屋までは樹林帯の中を500mくらい一気に標高を下げます。
っていうか下げ過ぎ~!
道も滑りやすい大きな岩がゴロゴロしており、4日目の疲れた身体にはかなりハード。
楽園から地獄に突き落とされた気分ですが、紅葉は綺麗でした。


薬師沢小屋まで降りてきました。
小屋横のつり橋が結構怖かったです。

はぁぁぁ~。(溜息
地図を見てわかっていたものの、これだけ下ろされるとは…。
しかも、これから太郎平まで、だいたい同じ高さの登り返しが待っていると思うと気分が凹みます。

まあ、今日は急ぐ必要も無いので薬師沢の渓流を見ながら休憩。
この小屋は夏シーズン中は沢登りや渓流釣りを楽しむ人が多いそうですが、もうこの時期は静かなものですね。

綺麗な渓流に荒んだ心を癒され、再出発!


太郎平までは一気に登り返すようなことは無く、最初は薬師沢沿いに緩やかに標高を上げて行きます。
途中は木道伸びる湿原や、中腹の色鮮やかな紅葉を楽しめ気持ちよく歩けました。

何度か薬師沢を渡ると太郎平までの最後の急登に入ります。
と、言ってもここに来るまでに結構標高を上げてくれたので精神的には気楽ですね。

登りきると太郎平小屋までは薬師岳方面を望みながらの木道歩き。
やっぱり稜線歩きは良いなぁ~。

太郎平まで戻ってきました!
まだ下山した訳ではありませんが、無事周回を終えてここまで戻ってこれた事に安堵。

太郎平からは歩んできた峰々が一望でき、この縦走を締める場所として最高ですね。
右から黒部五郎岳、三俣蓮華岳、鷲羽岳、水晶岳、そして正面の台地が雲ノ平…。
いや~、感慨深いです。

北アルプスの峰々を拝めるのもここが最後なのでしばし思いを馳せながら休憩。


…さて、降りますか。


1日目には見れなかった有峰湖や富山市街の展望を楽しみながら下山。
登りには誰1人会わなかった道ですが、土日晴天だったので今日は賑やかでした。

折立へ無事下山。
お疲れ様でしたーーーー!!!

コーラで乾杯!っていきたかったですが、何故かコーラだけ売り切れ!
なぜじゃい!!(テンション高)

ではお約束の総括。

とりあえず4日間ほぼ予定通りの山旅を終える事ができ、山と天気の神様に感謝します。
ありがとう御座いました!
初日と2日目の午前中はイマイチの天気でしたが、それ以外は好天に恵まれ本当に良かったです。また、そういう悪天の時にしか出会いない貴重な絶景も見れたので、満足度は全日晴天の時よりも高い気がします。
どっしりと鎮座する薬師岳、壮大なカールが印象の黒部五郎岳、北アルプス中心の展望台の鷲羽岳、急峻な岩場の水晶岳、そんな山々に囲まれた平原、雲ノ平と、同じ黒部源流域にありながら個性的な山々のおかげで4日間飽きる事なく楽しめました。
また、平日有給を取ってきたおかげで、縦走中も山小屋でも全く混雑を感じる事なく静かな山旅ができたのは貴重な経験でしたね。
やっぱり人気の山域は平日に限る!

とは言ってもさすがに自分でも平常時にこれだけまとまった休みが取れるのはそうそう無いし、まして天気に恵まれる保証も無いので、今回は運が良かったと思います。
間違い無く一生思い出に残る山旅になりました!

今回の紅葉の季節も綺麗でしたが、花の季節も素晴らしいと思うので今度は初夏に歩いてみたいですね!

…と、なんともボキャブラリに乏しい総括になってしまいましたが、一言で言えば山って最高!!って事で締めたいと思います。

おわり。

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久々の連載ブログでしたが、最後まで読んでくれてありがとう御座いました!

2017年10月19日木曜日

北アルプス黒部源流域 ぐるっと大縦走 その3【三俣蓮華岳・鷲羽岳・水晶岳・祖父岳・雲ノ平(3日目)】

その2(2日目)からのつづきです。

いよいよ3日目!今日は黒部五郎小舎から三俣蓮華岳を経由して、鷲羽・水晶岳に登頂し、そのまま祖父岳経由で雲ノ平山荘まで行きます!

「鷲羽岳」(2924m)
*三俣山荘近くより望む

「水晶岳」(2986m)
*祖父岳より望む

今日は今回の山旅のメイン!
さあ、行きましょう!!

場所的に三俣蓮華岳へ登ってる途中で黒部五郎岳のモルゲンが拝めるかな~って思い未明に出発。

しかし、高曇りのせいで太陽が姿を現さず不発。
むう、残念!

今日は晴天予報だったのに思ったより雲が多く、ちょっとテンションが下がり気味。
でも、雲は流れ好天に向かっているので頑張って行きましょう!

三俣蓮華岳への登頂コースか巻き道コースかの分岐に出ました。

手抜き…、もとい体力温存であれは巻き道なのでしょうが、未だ太陽は見えて来ないので早々に鷲羽岳に行ってもしょうがないと思い、時間潰し的な理由で登頂してみる事に。

三俣蓮華岳山頂!!
長野、岐阜、富山県の3県が跨る山で、日本300名山にも選ばれています。


周りを名立たる名山に囲まれて通過点って印象しかありませんでしたが、山頂からは北アルプスの峰々のパノラマが広がります。
いや~、お見事!時間潰しとか言ってすみませんでした!!

ここを目的として来る人も多いのも納得ですね。

三俣山荘に向かって降りていると除々に陽が当り始め青空が広がってきました。
そして、正面には鷲羽岳の姿が。
この堂々と鎮座する姿は登山意欲を刺激しまくりですね!

三俣山荘でちょいと休憩。
黒部源流域を訪れる計画としては、今回の折立スタートの周回とは別に、この三俣山荘にベースキャンプを張ってそれぞれの山をピストンで踏破する計画がありましたが、それはまた次の機会に…。

山荘を後にしていざ鷲羽岳へ!
さすがに3日目となると、このレベルの急登はなかなか堪えますね。
えーんやこりゃ。


しかし、登る程広がる三俣蓮華岳や昨日の黒部五郎岳の展望に疲れなんて吹き飛びます!

鷲羽岳山頂!
ありがとう御座います!


山頂からは鷲羽池の後ろにそびえる槍、穂高連峰。
次に登る水晶岳や野口五郎岳、と大展望!!

さすが北アルプスの中心に位置するだけあって360度名立たる名山の大パノラマが広がっています!
素晴らしい!!

しばし、山頂で休憩した後、次の水晶岳に向かいます。

途中のワリモ岳はなかなかの危険地帯でした。
通常時にはなんてこと無いですが、疲労が溜まってきているので慎重にいきましょう。

ワリモ岳を過ぎれば水晶岳山頂直下まではのびやかな稜線歩き。
太陽も上がりきって寒いながらも温かさを感じるようになり、気持ちの良い稜線歩きを楽しめました。

しかし、山頂直下になると急峻な岩場に。
急なハシゴも在り緊張感のある道が続きます。

山頂をピストンするなら荷物を途中にデポするのがオススメですね。

水晶岳山頂!
ありがとう御座います!


こちらからは薬師岳や、立山・剱岳と黒部湖と北アルプス北部の峰々の大展望!
うーん、マーベラス!!

土曜日でしたけど人もほとんどいなく、狭い山頂でしたがゆっくり出来ました。
やっぱり普通の土日ではここまで来る人は少ないのかな?
休みを取って来て大正解ですね!

帰りにちょいと水晶小屋に寄り道。
収容人数が30人程度しかなく、連休中は色々とヤバイ噂を聞きますが、小屋からは立山や野口五郎方面の展望が素晴らしく、一回は泊まってみたい立地ですね!

そして、ワリモ北分岐まで戻り祖父岳経由で雲ノ平に向かいます。

祖父岳山頂までやってきました!
遠くから見た通り広大な山頂で一箇所で大パノラマ!とは行きませんが場所毎に絶景が広がります。

鷲羽岳と槍ヶ岳!

水晶岳と赤牛岳!

個人的にはかなり好きなピークになりました。
お気に入りの景色を見つけて優雅にコーヒータイムといきたい所ですが、さすがに強風&極寒なので厳しいですね。
夏のおだやかな時期にもう一回来たいです。



祖父岳より標高を少し下げ雲ノ平に到着!

この雲ノ平は日本で一番高い場所にある溶岩台地で、日本最後の秘境と呼ばれている場所です。確かに急峻な北アルプスの峰々の真ん中に別世界のように広がる平坦な台地が楽園を連想させますね。

でも、このご時勢、折立からならその日の内に辿り着けるので正直秘境感は薄いですが、昔に山々を何日も掛けて越えて辿り着いた人たちにとっては間違い無く楽園に見えたと思います。

のんびり散策した後に今日のお宿「雲ノ平山荘」に到着。
中にはちょっとしたバーみたいのもあり、オシャレな山小屋です!
ますます秘境感なんてどこへやらって感じです。(笑

でも、ここで一日ワインでも飲みながらのんびりボケ~とするのも悪くは無さそう。
…っていうか最高じゃないですか!!

夕食をとった後はビール片手に夕焼け散歩。


夕焼けに染まる雲ノ平の草原や水晶岳が最高のつまみですね。

…あっ、やっぱりここは楽園だ。

明日は最終日なのでちょっと夜更かしして夜も散歩に。
月明かりだけで歩く雲ノ平も神秘的で別世界に迷い込んでしまった気がしました。

…うむ、やっぱり楽園ですね!(しつこい

こんな感じに最高の天気に恵まれた3日目も終了。
明日はいよいよ下山です。
そろそろ下界が恋しくなってくるのと、山を離れる寂しさが入り混じった不思議な気持ちのまま就寝。

明日も良い日でありますように…。

その4(4日目)につづく。