2018年6月27日水曜日

雪国の春の訪れ「巻機山」【新潟県南魚沼市】

さあ、いよいよ2018年も夏山シーズンの開幕!
今シーズンも天気に右往左往しながら夏山を楽しみましょう!

まあ、夏山シーズン開幕って事は同時に梅雨入りする訳で…、この時期は休みと好天が重なればできるだけ登りに行きたいものです。

でも、ここ近年は沖縄や九州方面の梅雨入り直後は関東東北あたりはすっきり晴れるパターンが多く、毎年遠征に行っている気がします。
案の定、今シーズンも6月最初の土日が好天に恵まれそうだったので、テント泊で越後駒ケ岳に行こうと考えていましたが、急遽日曜に予定が入り、土曜の日帰りになってしまいました。
越後駒ケ岳もぎりぎり日帰り可能そうでしたが、次の日にボロ雑巾になる訳にもいかず、その代替として今回の「巻機山」となった次第です。

そんな後ろ向きの理由でしたが、魅力一杯の山でしたので紹介します!

「巻機山」(1967m)
*ニセ巻機山から望む
2018/6/2
コース:桜坂駐車場→(井戸尾根)→前巻機山→山頂→牛ヶ岳(ピストン)

スタートは定番の桜坂駐車場。料金は1日500円で、帰りに払う事になります。
記念登山バッチもそこで売っているので欲しい方はどうぞ。
駐車スペースは守衛所近くに20台くらいと、更に奥にもっと広いスペースがありますが、車中泊の時はトイレが近い守衛所近くが良さそうです。

駐車場からスタートするとすぐに井戸尾根とヌクビ沢方面への分岐になります。
ただ、この時期はヌクビ沢方面は雪解け水が多くスノーブリッジが危なく、一般向けでは無いって事で井戸尾根ピストンにしておきました。


しばらくは雑木林の中進みますが、標高を上げるとブナは主体になり新緑が心地良い空間に。
足元には所々イワカガミが咲いており春を感じます。

また、木々の隙間からは迫力の天狗岩とその上の割引岳のピークが望めます。
なかなか迫力ある山容でテンション上がります!


標高1500mを超えると森林限界突破!
正面に巻機山の大きな山容がそびえ、後ろには谷川連峰の大展望と絶景が広がります。
今日はカラッとした涼しい風が吹き、最高の気分で登れました。

そして、いよいよ山頂へ…。

…って、ニセものやんけ!!

まあ、お約束なんで悔しがってみました。
九合目のニセ(前)巻機山に到着です。

ニセ巻機山の正面には本山山頂が望め、付近にはアズマシャクナゲ(?)が沢山咲いていました。
残雪バックにピンクのシャクナゲが、山の春を感じさせますね。

本当の山頂へは避難小屋まで一回下って登り返します。
登り返しの途中には小さな湿原があり、水芭蕉が綺麗に咲いていました。
今シーズン最初の水芭蕉、見れて良かった~。

山頂到着!
ありがとう御座いました!

…ん?何か違和感。
山頂標識はあるものの、牛ヶ岳に向かって明らかに登りがまだ続いています。
地図を見ると最高峰はまだ先のようです。

って事で正式な山頂到着!
ケルンはあるものの標識はありません。

別に狭い感じでは無いけど…、どうしてわざわざ標識を別の場所に作ったのかな?
疑問です。


そして、ここから牛ヶ岳までの稜線がこの山行のクライマックス!!
低笹の中に延びる木道がまさに天空回廊。
手を広げてどこまでも歩いて行きたくなる稜線が続いています。

ゴールの牛ヶ岳からは越後駒ケ岳を代表する越後三山が一望!
先ほどの山頂標識のある場所からでも見えますが、この牛ヶ岳からは遮るものが無いので最高の展望台になっています。
まだ、いずれも未踏の山なのでそのうち登りたいですね。

そして、牛ヶ岳から戻る途中に、なんとフォロワーのしゅーたんさんと久々の邂逅。
約束してないのにも係わらずここ1年で4回も遭遇し不思議な縁にびっくりしています。
しゅーたんさんとは山を続けている限りあちらこちらで出会う気がしますね。

しばらくお話をした後に別れて、自分は来た道をそのまま下山。

13時頃には駐車場に戻り無事下山完了。
お疲れ様でした!

消去法的に選んだ山でしたが、谷川連峰や越後三山の大展望、低笹の気持ち良い稜線と見所いっぱいの山行で大満足でした。
きっと紅葉の素晴らしいのは間違い無いので今度は秋に訪れたいですね!

以上です。

2018年6月14日木曜日

日本温泉巡り その60 毒沢鉱泉「神乃湯」【長野県諏訪郡】

その60!今回は前回の恵那山登山の次の日に茨城に帰る途中に立ち寄った毒沢鉱泉「神乃湯」を紹介!

毒沢鉱泉は長野県の諏訪湖の近く新和田トンネル方面に向かう道の街外れにあります。
すぐ近くには下諏訪温泉街があり、その有名さに埋没してしまっているのか、あまり知っている人は少ない気がします。

自分もたまたまグーグルマップを見ていた時に目に入り、「毒」って禍々しい文字が気になって調べてみると、鉱泉でありながらなかなかパンチの効いた温泉のようなので、今回訪れた次第です。


「神乃湯」が在るのは下諏訪の北側にある山の中腹。
旅館の手前は、おいおいこの道大丈夫かよ!?って思ってしまうような山道ですが、気にせず行きましょう。
また、車を止める場所は狭く崖の近くなので、混み合っている時はちょっと大変かもしれません。

ただ、そんな秘境感が強い場所にあるおかげか旅館自体は緑に囲まれ俗世から切り離された雰囲気満々です。

では、「毒」の名を冠する温泉、如何なものか!
いただきます。


湯船は源泉を加熱して温泉にしたもの(上)と、冷たい鉱泉の源泉掛け流し(下)の2つ。
源泉は半透明な赤色ですが、加温した方は濃厚な茶褐色の濁り湯になっています。
また、ちょっと舐めてみると痺れるほど強烈な酸味がありインパクトは抜群。
まるで、毒には毒をもって制す!を体言したような温泉です。

公式HPでは冷たい鉱泉と加温した温泉を交互に入る事を推奨していたので、その通りに堪能してみたところ、いや~効きますね。
身体中が一気にほぐれる感じが堪りません!

隠れた名湯と断言できる良い温泉でした!

以上です。

来訪日:2018/4/29
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<超絶名湯オススメ温泉 トップ5> 2018.5月現在
 1位 籐七温泉「彩雲荘」(岩手県)
 2位 明礬温泉「鶴乃湯」(大分県)
 3位 乳頭温泉「鶴の湯」(秋田県)
 4位 野地温泉ホテル(福島県)
 5位 後生掛温泉 (秋田県)
 
その他、極上オススメ温泉は「全国極上温泉マップ」にて紹介しています!

2018年6月10日日曜日

そこはまるで絵本のお山「七時雨山」【岩手県八幡平市】

以前、グーグルマップをぼけ~と眺めていたところ、八幡平の東部にちょっと気になる山の名前が目に飛び込んできました。

「七時雨山」(ななしぐれやま)

直感的になにか哀愁と感じると同時に、すごい綺麗で澄んだ名前だな~って今まで味わった事の無い気持ちに。
ちょっと調べてみると、メジャーな山に比べ絶対数は少ないですが、登山道も整備され、登られている人もいたので、次回の岩手遠征の時に登ってみようと心に留めて機会を伺っていました。

そんな中、盛岡方面に仕事で訪れる予定ができ、そのチャンスを生かして登ってみる事に。

「七時雨山」(1063m)
*田代平高原駐車場より望む。
2018/5/26
コース:田代平高原駐車場→西峰→東峰(山頂) ピストン

メインの登山口の田代平高原駐車場までは盛岡方面から向かうと看板も多く迷う事は無さそうです。道も2車線舗装道路でアクセスは全く問題ありません。
マイナーな山かと思ってましたが、地元では結構メジャーな山なのですね。

田代平高原駐車場です。
周りは放牧地で草原が広がり牧歌の雰囲気が気持ち良いです。
天気も晴天で登る前から最高に一日になるのは約束されたもんですね!

駐車台数は40台程度ですが、到着した午前10時頃で20台程度だったので、知名度の点から満車になることは無さそうですね。


駐車場からスタートすると牛さんのいる放牧地の中をしばらく歩きます。
この日は日差しが強かったせいか、牛さんは大きな木の日陰でのんびりしていました。
抜けるような青空のもと、青々とした草原を歩くのは気持ち良いですね!

後ろを振り返ると広々として丘陵地帯が広がっています。
もう、なんかここでシートでも広げて昼寝でもしたい気分になりましたが、とりあえずピークは踏みに行きましょう(笑)

3合目を過ぎると樹林帯の中へ。
ここから8合目くらいまで一気に標高を上げますが、普段から山に登っている人はなんてことないと思います。
芽吹いたばかりのブナの新緑がキラキラ輝いて本当に綺麗でした。

8合目を過ぎると傾斜も緩くなり所々展望が広がります。
一番奥のピークは早池峰、その手前の綺麗な三角ピークは姫神山ですね。

そして、最後の登りを越えるとまずは北峰ピークに到着!

1000mちょいの標高にも係わらず高い木々は少ないので大展望が広がり、岩手山の裾野が一望できます。
ここで終わっても満足度は高めですが、上の写真の右に残雪残るピークがあります。
そう、七時雨山は双耳峰で右のピークの南峰が北峰よりも3m高く実質山頂になります。

展望も南峰の方が良さそうだし、行かない理由はありません!
さあ、もう一頑張り行きますか。

北峰~南峰間はちょっと藪漕ぎみたいな場所もありましたが、特に問題視する程ではないようです。

七時雨山南峰、山頂到着!
ありがとう御座いました!!

山頂からは八幡平から岩手山まで延びる裏岩手縦走路が一望。

北方面には残雪残る八甲田山が遠望できました。

この開放感が最高ですね!!
東北の涼しい風が疲れを一瞬で吹き飛ばしてくれました。

山頂は広く、休憩するにはもってこい。
この日も多くの人がのんびり過ごしていました。

自分も時間があったので、しばしゴロ寝。
流れる雲を見ながら贅沢な一時を過ごせました。

下山は来た道をそのまま下り、下山完了。
お疲れ様でした!


ただ、名前が綺麗だなぁ~って理由だけで登ってみた山でしたが、大当たり!
登り2時間、下り1時間のハイキングレベルの山ですが、気持ちのいい草原と新緑のブナ林。山頂からは八幡平、岩手山やその広大な裾野の大展望と大満足な山行になりました。

この岩手は童話作家の宮沢賢治の思い描く理想郷(イーハトーブ)の舞台となっており、「七時雨」という言葉も詩に書かれています。
なので、この七時雨山もイーハトーブの原風景の一つとして考えると、今日の山旅は絵本の中の出来事だったのかな?なんて、ちょっとメルヘンチックな考えを持ってしまいました。

あまり知名度は無いかも知れないですが、みなさんも是非天気の良い日に登ってみて下さい。ちょっとした異世界に行けるかも知れませんよ。

(追伸)
引用:http://yamazato.shop-pro.jp/?pid=86374938

駐車場近くの七時雨山荘で売っていた「奥中山高原アイスクリーム」のバニラ味が最高に美味しかったので、帰りに是非どうぞ!

2018年6月5日火曜日

春色恵那山 「恵那山・花桃まつり2018」 【長野県阿智村 岐阜県中津川市】

みなさんも日本百名山の中で「何でこの山が百名山なんだろう?」って思う山はいくつかあると思います。
その中でも今回紹介する「恵那山」は中央アルプスのカテゴリに入るものの、山頂からの展望は無いだの~、花は少ないだの~、と地味なイメージが先行し、どうして百名山になのかわからないという意見も少なくありません。

まあでも、日本百名山というのは深田久弥さんが個人的に選んだものであって、そこに文句をいうのはお門違いなんですけどね。

でも、実際百名山は素晴らしい山が多いのは事実なので自分も優先的に選んでしまっていますが、この「恵那山」は登る理由が無く、まあそのうちに…って気持ちでいました。
ところがある日、ネットをポチポチしていると山麓の長野県阿智村で開かれている「花桃まつり」が良さげだったので、急遽それと合わせて登ることに。

そんな訳で今回は「恵那山」と「花祭まつり」セットで紹介!

「恵那山」(2191m)
*馬籠縮の恵那山展望台より望む
2018/4/28
コース:峰越林道ゲート前駐車場→広河原登山口→山頂→山頂小屋(ピストン)

スタートは長野県側の広河原登山口のある峰越林道の最終ゲート前駐車場から。
4月の3連休初日の晴天だったので朝6時頃には8割は埋まっていました。
自分が下山した時には路肩にも駐車されていたので、地味とは言えさすがは百名山ってところでしょうか。

登山口までは峰越林道を30分くらい歩きます。
途中には満開の桜もあって、まだまだ山の春はこれからなんだなぁ~って感じました。
(写真は下山時です)

登山口から川を渡り、いざクライムオン!
樹林帯は特に見所が無さそうなので、良いペースで標高を稼ぎます。
でも、春の木漏れ日が気持ち良いですね。

7合目を過ぎると低笹の尾根になり、一気に展望が開けます。


後を振り返ると、南アルプスや中央アルプスの稜線の大展望!

「地味山なんてとんでもない!素晴らしい景色じゃないですかー!」
予想以上の景色にテンションも上がってきました!

空気も澄んでいたおかげで御嶽山、乗鞍岳、北アルプス南部方面も展望できました。

しかし、山頂が近づくと再び樹林帯へ。
うん、まあ、わかってましたけどね…。
アゲアゲだったテンションもクールダウン。

そして、ふと気付くと山頂へ。
…お疲れ様でした!

山頂には展望台がありますが、登っても展望はありません。(笑)

山頂にいたよく登られている人の話を聞くと、建てられた当初は展望があった様ですが、周りの木々が成長して展望が無くなってしまったそうです。
まあ、そういう事なら納得ですね。

山によっては周りの木々を伐採してまで展望を得ようとしている場所もあるみたいですが、それよりは全然マシな気がします。

山頂より少し先にある山頂小屋までやってきました。
事前情報でこの小屋の裏手にある岩場からは絶景が望めるとの事でしたが、さてさて。

岩場に登ると南アルプスの端から端までの稜線が遠望!
これは恵那山ならでは絶景ですね。いいもの見れました!

この後は小屋前で早い昼食休憩を取り、そのまま下山開始。

帰りの登山道からは、花桃に彩られた月川温泉郷が見えました。
下山後の「花桃まつり」が楽しみ!

そして、そのまま下山完了。
ありがとう御座いました!

では早速、もう一つの目的、阿智村の「花桃まつり」を楽しみましょう!
場所は恵那山登山口のすぐ近く長野県阿智村の月川温泉郷周辺なので、登山帰りにすぐに立ち寄る事ができます。

前日に見た感じは少し標高の低い園原IC近くは散り始めていましたが、登山口近くの標高の高い場所では見頃のようだったので、会場の上の方(登山口に近い方)に車を止めて散策してみることに。




いや~、素晴らしい!!
川沿いに立ち並ぶ花桃の白、ピンク、赤の彩りと周りの山々の新緑がまさに春爛漫!
天気も良かったので、観光客もみんな楽しそうです。

恵那山に登る理由がなかなか見つからない百名山フリークの方は、この「花桃まつり」とセットで来るのがいいかも知れません。
これは一見の価値ありですよ!

最後に、阿智村側から見るとイマイチぱっとしない恵那山ですが、花桃まつりの後に観光で訪れた「馬籠宿」の恵那山展望台からみた姿は圧倒的な存在感があり、昔から人々の信仰を集めていたのも納得。十分に百名山たる素質を備えた山だったのですね。

やっぱり山とは奥が深い。

以上です。