2020年12月29日火曜日

2020年 総括 【思い出に残った山旅ランキング2020】

 いよいよ2020年も残りわずか。
今年は誰も彼もが新型コロナウィルスに振り回された1年だっと思います。

自分は茨城県の1人暮らしで通勤は片道15分の自転車通勤。仕事内容もどちらかと言えば研究開発的ポジションなので不特定多数の人と接する機会は少なく、日常生活としては特別な変化を強いられる事はありませんでした。
むしろ、仕事の延長線に近い余計な飲み会やレクイベント、また、出張が減ったおかげで時間に余裕ができたぐらいに感じてます。
ただ、プライベート(趣味)ではご存知の通り、山や温泉のように外出する事を基本としていたので、緊急事態宣言による行動制限は相当ストレスになりました。
しかし、自分はまだ恵まれている方で、高齢の家族と暮らしている方や都市部在住の方はもっと多くのストレスを抱えていた事だと思います。

また、山界隈では多くの山小屋が休業し、夏シーズンの計画を見直し or 断念しましたが、一方では感染予防をしっかりする事で営業してくれた山小屋もあり、そういった場所で感染拡大が起こる事も無く、密にならない趣味という事で夏以降は比較的登りに行ける環境が戻ってきたのは本当に良かったと思います。

では、今年も年末恒例の山旅総括として、登った山リストと「今年印象に残った山旅 ベスト3」をまとめてみたいと思います!

<2020年山旅リスト>
2020/1/3 大山(丹沢)
2020/1/13 筑波山
2020/1/25 磐梯山
2020/2/1 茅ヶ岳・金ヶ岳
2020/2/8 筑波山
2020/2/23 七面山
2020/3/21 武尊山
2020/5/24 筑波山
2020/5/31 難台山
2020/6/6 安達太良山
2020/6/27 平標山・仙ノ倉山
2020/7/18 会津駒ケ岳
2020/7/23 秋田焼山
2020/7/24 八幡平
2020/8/1 常念岳
2020/8/15 雨飾山
2020/8/22 宝篋山
2020/8/29-30 空木岳・南駒ケ岳
2020/9/11 横手山
2020/9/21-22 白山
2020/10/18 荒沢岳
2020/10/31-11/1 三嶺・剣山
2020/11/15 宝篋山
2020/11/21 牛奥ノ雁々腹摺山・大菩薩嶺
2020/11/28 戦場ヶ原
2020/12/5 三瓶山
2020/12/26 石割山・御正体山
(山行日数:31日)

山行日数は31日となり、昨年の46日から大幅減となりました…
やっぱりコロナの影響で多くの山小屋が予約制になった事で動き難くなった点や、重点目標としていた南アルプスの交通機関や山小屋が休業してしまったのが理由かと思います。
あとは、やっぱり例年よりテンションが上がらなかったのもありますね。

とは言え、行けばやっぱり「山は最高ーー!」ってなるので、自分は山が好きなんだと思います!

では、続いて印象深かった山旅ベスト3を紹介!
*リンクは紹介ブログへのリンクです

第3位 「秋田焼山」(秋田県)
2020/7/23

https://hmshiroblog.blogspot.com/2020/08/blog-post_25.html

麓に玉川温泉や後生掛温泉といった名湯を従える温泉好きとしてはずっと気になっていたお山。
山頂付近でこうこうと湧き出る濃厚硫黄泉の湯沼!
そして、それが沢となって流れてる湯ノ沢!
登山道の至る場所から湧き出る良質の温泉!
なんだこの山、天国かよ!!(笑)

八幡平の西側の目立ないピークですが、その異質な存在感に大興奮でした。

第2位!「剣山・三嶺 縦走」(徳島県)
2020/10/31~11/1


(まだブログにしてないのでリンクはありません…)

剣山登るならこのコース!と決めて一年前から暖めていた山旅でした。
どこまでも続く晩秋のササの稜線。
三嶺で見た夕焼けに浮かぶ四国の峰々のシルエット。
四国という神様が近い土地のせいか、中部山岳や東北とはまた違った荘厳さを感じた山旅でした。

第1位!!「空木岳・南駒ケ岳 縦走」(長野県)
2020/8/27~28



https://hmshiroblog.blogspot.com/2020/11/blog-post.html

今年、最初で最後のアルプスの泊りの縦走。
初日の千畳敷からの主稜線歩きは生憎の天気でしたが、二日目の朝は流れる雲と朝陽が描き出すダイナミック絶景のオンパレード!
自粛明け初めての泊りの山旅だった事もあり、感動もひとしおでした。
やっぱり山って最高!!

と、まあ以上になりますが、今年も大きな怪我や病気無く楽しく登らせてもらえて山や自然の神様に感謝します。
そして同時に自分に山に登るという自由な環境を与えてくれている家族や仕事仲間、友人たちに感謝します!
本当にありがとう御座いました!!

来年2021年はどんな世界になっているのか。
色々心配な事も多く、きっと今年以上に大変な時期があるかも知れません。
でも、その先には今よりもっと楽しい世界が広がっていると信じて日々進んで行きたいですね!

2020年のブログはこれが最後になります。
改めて、読んで頂けた方々に感謝します。
来年もよろしくお願い致します!

2020年12月27日日曜日

日本温泉巡り その101 松尾川温泉【徳島県三好市】

今回も前回に続いて四国(徳島県)湯巡りで訪れた温泉の紹介です。

正直、今まで四国と聞くと、お遍路!竜馬!タタキ!四万十川!みかん!というキーワードしか思いつかず(失礼)温泉空白地だと思い込んで事もあり、そもそも温泉について調べる事がありませんでした。

しかし、今秋の剣山登山をきっかけに色々調べてみると、絶対数は少ないものの気になる温泉がちらほら。
その一つとして前回「祖谷温泉」を紹介させて頂きましたが、もう一つ気になる温泉があり、それがその101として紹介する「松尾川温泉」さんです。

この「松尾川温泉」さんも祖谷渓に程近い場所にあり、前回紹介した「ホテル祖谷温泉」に向かう道を途中で外れ、祖谷渓に注ぐ支流沿いの道をしばし進むと到着します。

温泉施設の隣に湯治を目的とした簡易宿泊施設も併設されていますが、温泉施設自体は非常にこじんまりしたものです。

しかし、平日月曜日にも係わらず車もそこそこあり、そのほとんどは地元ナンバー。
地元の人が多く訪れるって事はきっと良い温泉!
期待を胸に頂まーーす!!


湯船は6人も入ればいっぱいになりそうな内湯のみですが、沢沿いに大きな窓があり開放感があります。そして、お湯はほんのり硫黄香り薄い白緑色で非常にトロみを感じるアルカリ性単純硫黄泉の極上湯。

湧出量は少ないので湯船は小さいですが、この源泉の良さを100%堪能できると思えば逆に好印象。
これは噂以上の名湯です!!気に入りました!

温泉好きならば祖谷温泉とセットに是非訪れてみて下さい!

以上です。

来訪日:2020/11/2

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 <超絶名湯オススメ温泉 トップ5> 2020.12月現在
1位 籐七温泉「彩雲荘」(岩手県)
2位 明礬温泉「鶴乃湯」(大分県)
3位 姥湯温泉「桝形屋」(山形県)
4位 乳頭温泉「鶴の湯」(秋田県)
5位 黄金崎不老ふ死温泉(青森県)

<超絶名湯オススメ温泉(ランク外)>
登別温泉「夢元さぎり湯」(北海道)
酸ヶ湯温泉 (青森県)
後生掛温泉 (秋田県)
玉川温泉(秋田県)
銀山温泉「永澤平八」(山形県)
鳴子温泉「滝乃湯」(宮城県)
野地温泉ホテル(福島県)
新湯温泉 共同浴場(栃木県)
奥鬼怒温泉「手白澤温泉」(栃木県)
万座温泉「豊国館」(群馬県)
熊の湯温泉「熊の湯ホテル」(長野県)
白馬鑓温泉(長野県)
祖谷温泉「ホテル祖谷温泉」(徳島県)
塚原温泉「火口乃泉」(大分県)
新湯温泉「霧島新燃荘」(鹿児島県)
吹上温泉「みどり荘」(鹿児島県)

その他、極上オススメ温泉は「全国極上温泉マップ」にて紹介しています!

2020年12月22日火曜日

秋爛漫 「荒沢岳」【新潟県魚沼市】

 秋、それは山が最も多彩な色彩に染まり、山ノボラーにとっても活動最盛期。
特に今年2020年は台風の上陸も少なかったおかげか紅葉の当たり年とも言われており、みなさんも例年以上の紅葉を楽しめたかと思います。

自分は紅葉シーズンは予めざっくりと行きたい場所をピックアップしておいて、その場所での紅葉ピークと天気と休日のタイミングが合ったら突撃している感じですが、同時に秋雨前線がやってくるので、なかなかその3つが揃う事がなく計画通り行けるのはほんの一握りです。

今年も案の定高山帯の紅葉ピークである9月中旬~下旬はなかなか天気と休日のタイミングが合わずヤキモキしてる中、いつの間にか時は流れ「もしかして今年は紅葉登山できないのでは…!?」なんて危機感を感じ始めた10月中旬。
やっと狙いを定めていた越後の奥只見方面の紅葉ピークと休日が合ったので、奥只見の主峰「荒沢岳」に登る事にしました。

さて、今年はどんな紅葉登山ができたのか、レポいってみたいと思います!!

「荒沢岳」(1969m)
*前グラより望む

2020/10/18
コース:銀山平登山口⇔山頂(ピストン)
累積標高: ±1205m

コースは銀山平登山口からの日帰りピストン。
荒沢岳は越後裏三山(越後駒ケ岳・中ノ岳・荒沢岳)に含まれ、その三山は銀山平からの周回コースができるので、避難小屋泊でセットで登る人も多いそうです。
…まあ、中には日帰りする人もいるそうですが(汗)尚、周回CTは24hオーバー

銀山平駐車場は15台くらいですが、周辺の路肩も広いのでピーク時でも停められない事は無さそうです。綺麗なトイレもあり、山の知名度の割には設備は充実。ありがたい!
*写真は下山後です

登山口には「ハチ注意!」や「危険箇所多し!引き返す勇気を!」みたいな注意書きが多くなんだか物騒な感じ。
確かにに事前調査で初心者向けの山では無いとの知っていたので、気を引き締めてクライムオン!


スタートは樹林帯の中、緩やかに標高を上げていきます。
早朝は朝霧がかかってましたが陽が当るにつれとれていき、そこに広がるは鮮やかに染まった錦の世界。
まさに紅葉プロムナード!今日が最高の登山になる事が約束されたようなもんですね!


標高を上げると眼下に奥只見湖を覆う雲海、右手に越後駒ケ岳が望めるようになります。
奥只見湖湖畔の紅葉にはまだ早かった様ですが、越後駒ケ岳の斜面はちょうど見頃で素晴らしい!

しかし、そんなルンルン気分で登れるのは前グラ下まで。

ここからロープや鎖頼りの急登が始まりますが、ある程度山慣れしてれば問題無いレベルですね。
そして、急登を経て前グラ直下に到着すると…

ふおおおおおーーー!これはカッコイイイ!!
そこには紅葉のモザイク画に彩られた急峻な岩峰「前グラ」が。

これはすぐに進むのが勿体ない!って事で、しばし休憩を兼ねて荒沢岳一番の絶景を堪能しました。

さて、この前グラ直下までもなかなかの難路でしたが、実は本番はここから。

まずは、少し下りながらこの岩峰壁をトラバース。
朝霧せいで岩場は湿っており滑りやすく、鎖に体重を預けなければいけないシーンも多々。

そして、今度は垂直に近い岩場を登り返し。
ちゃんと無理せず3点支持を意識してれば難しくは無いですが、後ろを振り返りたくない高度感は半端ありません。
なんとなく石鎚山の鎖場に近い感覚かも…

これは噂通りの難路。
「引き返す勇気を!」と言いたくなるのも納得。
落石の危険もあるので、持っているならヘルメット持参をオススメします。

経験的にこういうぱっと見危ない場所って、裏に回り込むかして遠回りになりつつも見た目よりは安全な路を登るパターンが多い気がしますが、こいつはほぼほぼ正面突破(笑)

さて、どうにか前グラを登り切ると正面には山頂に向かって延びるウイニングロードが!
端正な山容と紅葉に染まった尾根、こんなカッコイイお山だったとは!
もう荒沢岳にメロメロです。


秋色に染まった尾根道は今までに比べると比較的ゆるやかで景色を楽しみながら安心して登れます。

振り返ればすっかり朝霧のとれた奥只見湖の大展望。
こんな素晴らしいタイミングで登れて感謝感謝!

疲れなんてすっかり忘れて最高の気分で登ってると程なく山頂へ。
ありがとう御座いました!


山頂からは越後駒ケ岳や中ノ岳、更に平ヶ岳・尾瀬の峰々の大展望!
秋を感じる高い青い空に、色彩豊かな山々…
目に映る全てがまさに秋爛漫、そう思わずにはいられませんでした。

その後は山頂で昼食をとり、後ろ髪惹かれる気持ちで下山。
登りでは危険さを感じた前グラの下山路は案の定ヤバみが強く生きた心地がしませんでした(笑)

そして、無事銀山平に下山完了!
お疲れ様でしたーーー!

高山帯の紅葉が次々と終わりを告げる中、出遅れを感じていた今年の紅葉シーズンですが、しっかりピークを掴む事ができて良かった!
ここ近年は紅葉と言えば栗駒山や那須岳に人気が集まっていますが、同時に混雑も凄く自分にとっては紅葉がいくら綺麗でもちょっと遠慮したくなる状況。
そんな訳で今年はほどほどにマイナーな山を探してたので、情報が少なくハズレも心配してましたが「荒沢岳」は大当たり!
上述したように、初心者にはちょっとオススメできませんが、ちょっとでも山慣れした人には是非登って欲しい名山かと思います。

以上です。

2020年12月16日水曜日

日本温泉巡り その100 祖谷温泉「ホテル祖谷温泉」【徳島県三好市】

さて、日本温泉巡りもとうとう記念すべき100回目となりました。

始めた当初は「名湯100選」みたいにまとめて温泉巡りも完結!を考えていたのですが、現在紹介しているのを100選として良いのかと言われると、それはNO。
やはり、巡れば巡る程評価基準も価値感も変化し、正直巡り始めの頃に紹介した湯の中には100選に入れるかどうか迷うものもあり、見直したい気持ちがあります。
また、まだまだ入ってみたい温泉も多々あり(特に西日本方面)、現状で100選を決めても結局見直しが入ると思います。

よって、100回を迎えましたが、何事も無かったかのようにスルーさせて頂きます!
(特に何か仕込むのがめんどくさくなったんじゃありません!笑)

では言い訳はそんなところで…
その100は四国が誇る名湯、祖谷温泉「ホテル祖谷温泉」を紹介!

四国で秘湯・名湯とのワードで検索すると必ず上位に来る祖谷(いや)温泉。
一般的には道後温泉が有名ですが、自分的には泉質やロケーションに刺さるものがあり、四国で訪れたい温泉としてマストに考えてました。

そして今年、剣山登山を絡めてやっと訪れる事ができた次第です。

訪れた季節は紅葉シーズンの11月始め。
祖谷温泉は大歩危・小歩危といった景勝地で有名な吉野川の支流である祖谷渓の奥地。
国道を外れ「こんな場所にホテルなんてあるの?」と思ってしまうような、すれ違いが困難な細い道を20分程走った先に「ホテル祖谷温泉」はあります。

平日月曜の正午くらいでしたが、ホテル前は路肩を含め車でいっぱい。
さすが四国きっての人気の温泉宿ですね。

早速、フロントで立ち寄り入浴の受付すると、なんとお値段¥1,700円!
日帰り入浴料としてはかなりお高いですがそれにはちゃんと理由があります。

ホテルが建っているのは渓谷の中腹ですが、源泉が湧くのは標高約170mも下の渓谷の底。
さすがに温泉に入る為にその標高差を歩いて登り降りするのは酷という事で、なんとこのホテルではケーブルカーで降りるようになっており、この料金はケーブルカー代も含まれての料金になります。

この温泉に来るのは初めてだと、フロントの人がケーブルカーの操作方法を簡単にレクチャーしてくれます。
…って、自分で操作するのかよ!?と思いましたが、必要なのはドアの開閉と動作開始のボタンを押すのみ。

運よく他のお客も居なかったので、思わず童心に戻りワクワクしながらスイッチオン!

約5分の乗車ですが、祖谷渓の迫力を感じるには十分。
この日は生憎の雨模様でしたが、霧を纏い紅葉に彩られた渓谷美は圧巻。

ケーブルカーが着く場所から更に少し階段で下った先に露天風呂があります。
ちょうど前に入ってた人が出てくるタイミングで、なんと独泉!

では四国が誇る秘湯、頂きまーーーす!!

湯船はちょうど渓谷に面するように作られており、清流と対岸の紅葉した木々纏う岩壁の連なりが一望でき素晴らしいロケーション。

お湯は優しく硫黄香り白い湯の華が舞い、更にとろみを感じるアルカリ性単純硫黄泉。湧出量も豊富で10人程入れる湯船のお湯は常に新鮮そのもの。
湯温はややぬる湯ですが、個人的には長湯するのに最適な温度。

清流のせせらぎをBGMにこの俗世とは切り離されたかの様な空間で味わう極上湯。
もう、何も文句のつけようはありません…、最高です。

実際、この湯をポンプかなにかでホテルまで引上げて使うとなると、加温も必要となりここまでの新鮮な状態で源泉の良さを味わう事はできなかったと思います。
ケーブルカー等の設備を作ってでも最高のお湯を最高の状態で堪能できるようにしたホテルには頭が上がりません。
ホントありがとう御座います!

四国が誇る名湯、噂に違わぬ極上湯でした!

来訪日:2020/11/2
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 <超絶名湯オススメ温泉 トップ5> 2020.12月現在
1位 籐七温泉「彩雲荘」(岩手県)
2位 明礬温泉「鶴乃湯」(大分県)
3位 姥湯温泉「桝形屋」(山形県)
4位 乳頭温泉「鶴の湯」(秋田県)
5位 黄金崎不老ふ死温泉(青森県)

<超絶名湯オススメ温泉(ランク外)>
登別温泉「夢元さぎり湯」(北海道)
酸ヶ湯温泉 (青森県)
後生掛温泉 (秋田県)
玉川温泉(秋田県)
銀山温泉「永澤平八」(山形県)
鳴子温泉「滝乃湯」(宮城県)
野地温泉ホテル(福島県)
新湯温泉 共同浴場(栃木県)
奥鬼怒温泉「手白澤温泉」(栃木県)
万座温泉「豊国館」(群馬県)
熊の湯温泉「熊の湯ホテル」(長野県)
白馬鑓温泉(長野県)
・祖谷温泉「ホテル祖谷温泉」(徳島県)
塚原温泉「火口乃泉」(大分県)
新湯温泉「霧島新燃荘」(鹿児島県)
吹上温泉「みどり荘」(鹿児島県)

その他、極上オススメ温泉は「全国極上温泉マップ」にて紹介しています!

2020年12月13日日曜日

最後の三霊山 「白山」【石川県 岐阜県】

 日本は古来より「登拝」という言葉が生まれる程、山に対して畏怖や敬意の念をもって山に向き合う風習があります。
そういった信仰を集めた山は「霊山」と呼ばれ、その中で「富士山」「立山」「白山」は特に信仰を集めた山として日本三霊山と呼ばれています。

「富士山」は日本一のお山、「立山」は山岳リゾート観光の雄という事で、自分は山を始めた早いうちに登らせてもらいましたが、「白山」だけはなかなか行けずじまいでした。

理由というと、やっぱり茨城県から遠いっていうのが一番かと思います。
地図を見ると立山とそんなに変わらない感じもしますが、その間には個人的な感覚としてに大きなラインがあります。立山は前夜発当日朝着がギリギリできる距離なので普通の土日でOKですが、白山は移動日に一日掛けたいといった感覚です。
そうなると行くのはおのずと連休になり「連休=混んでる」という事にもなるので、人混み嫌いの自分としては、足が遠のいていました。

とは言え山を嗜みはじめて8年、そろそろ登っておかないとあかんでしょ…って気持ちも強まり、今夏いよいよ登拝させて頂く事にしました。

では、白山レポいってみましょう!!

「白山」(2702m)
*室堂から望む御前峰

2020/9/21~22
コース:
1日目:市ノ瀬→(バス)→別当出合→(砂防新道)→南竜ヶ馬場野営場(テント設営)→(展望歩道)→室堂→御前峰→(御池巡り)→室堂→山頂おかわり→南竜ヶ馬場野営場(泊)
2日目:→別山→(チブリ尾根)→市ノ瀬

累積標高(上り): 2553m(登り返し含む)
累積標高(下り): 2937m

訪れたのは2020年9月の4連休後半。
市ノ瀬の駐車場に到着したのは前夜23時くらいでしたが既に主な駐車場は埋まっており、路肩に案内されました。
さすがは人気のお山、24時間体制で駐車場に誘導係がいてくれるのは本当にありがたいです。
しかし、混雑覚悟で来たとは言え想像以上。連休中日なので相当数は既に入山してる人のだとは思いますがちょっと不安が募ります。

<1日目>

登山当日朝4時。おはよう御座います…(眠い)
始発のバス1時間前には行列が出来始めていたので自分も急いで列に加わります。
当日の行程は余裕があり昼前スタートでも大丈夫なんですが、早めにテントの場所確保をした方が良いと考え始発のバスに乗る事にしました。

結局、この後も人は増え続け始発前に臨時バスが動き始めてほぼ始発に乗れた自分は5時ちょうどくらいに別当出合に到着。
周りを見るとテント泊装備の人は皆無で、それほど急ぐ必要無いと思い直しヘッデンがいらなくなる程度に明るくなるまで待って出発しました。



砂防新道の名の通り右手に砂防群と不動滝をチラチラ望みながら標高を上げていきます。
山の上は前日の雨のせいか雲が残ってますが薄く空は見えてるので、まあそのうち晴れてくれるでしょ!
登山道も整備され過ぎって思える程整備が行き届いており、本当に登りやすい道でした。

甚之助避難小屋に到着する頃にはガスも抜け爽快な青空が広がってきました。

朝日差し込む別山方面の稜線がなんとも雄大。
今季初めての秋の始まりを感じる冷たい空気も相なって身体も心も引き締まりますね!

下界に広がる雲海を望みながら更に標高を上げていきます。
約1ヵ月ぶりの山だったので気分も爽快!

正面に南竜山荘と南竜ヶ馬場野営場が見えてきました。
これまでに下山する相当数のテント泊装備の人とすれ違ったので、一部の人に話を聞いてみると前日は足の踏み場も困るくらいの混みようだった様で…
昨日より好天の期待できる今夜はどうなってしまうのか…!(戦々恐々)


南竜ヶ馬場に到着。
本来は南竜山荘で受付するようですが、コロナ感染症対策で野営場の自炊錬に簡易受付があり、そこに記帳するシステムになっていました。
噂には聞いてましたは、水が出る自炊錬あり、トイレ完備の山の上のテント場と思えない充実っぷりでほぼ平地のキャンプ場気分。

ちょうど前日泊まりの人たちの多くが撤収しているタイミングだったので、端っこのあまり混み合わない一等地を確保できました!
やっぱりテン場には早着に限りますね。

…さて、テント設営も終えて身軽になったので改めて白山山頂の御前峰に向かいましょう!

野営場付近はちょっとした湿原で木道が整備されてとても気持ちいい路になってます。

しかし、登りに取り付く頃には雲が湧き立ち稜線を隠しはじめました。
あああーー!やめてーー!もう少し待ってて!

北アルプスの展望が広がるアルプス展望台ではすっかり真っ白に…
ああ…無念…
このまま山頂を目指していいのかちょっと迷いましたが「まあダメなら明日また来ればいいや」って軽い考えに切り替えとりあえず山頂に向かう事にしました。
行程に余裕のあるテント泊だと気分にも余裕ができるのが良いですよね。


室堂ビジターセンターに到着する頃にはチラチラと青空は見えるものの基本雲の中。
山頂展望が得られるかは五分五分って感じですが、まだお昼前で時間はたっぷりあるのでしばし山頂で晴れ待ちするつもりで登る事に。

白山山頂、御前峰!ありがとう御座います!
「白山なだけに白いわーー」なんて心の中で叫んでしまった程度にはガスってしまった大混雑の山頂でした(笑)

日帰りだったら泣く泣く下山するのでしょうが、今日はテント設営済みの後は寝るだけゆるゆる行程なので、予定通り防寒着を着こんで晴れ待ちモードに突入。

…そして、1時間半ぐらい待った頃…

きたーーーー!
御池や大汝峰・剣ヶ峰で成る白山の核心と言える山頂の火山地形が広がってくれました!
待った甲斐がありました!

この後すぐまたガスに覆われたので、山頂に後にして御池巡りに。
御池巡りとは白山山頂部の七つの池を巡るコースを歩くことです。
白山に来るならもちろんこれもセットです!




豪快に流れる雲の中、迫力の火山地形と御池を巡るコースは楽しさしかありませんでした。

特に翠ヶ池(一番上の写真)は本当に深い青色で感動。
また、この時期にまだ雪の残る池もあり驚かされもしました。

山頂からの風景も素晴らしいので、満足してそのまま下山してしまう人もいるでしょうが、この御池巡りはしないと損ですね!

御池巡りを経て再び室堂に戻ると御前峰はほぼ雲も抜けピーカン。
…これは、おかわりいっとく?

標高差もそれほど無いので最高峰に向けて登り返し!
時間があるって素晴らしい!(笑)

振り返ると1回目では拝めなかった別山方面も大展望。


そして、本日2回目の山頂。
石川県側は大雲海、山頂の火山地形も一望!白山の雄大さをこれでもかと感じる事ができました。
登り返して良かった!!

南竜ヶ馬場野営所に戻る頃には再び雲が湧き始めましたが、かろうじて夕焼けを見れました。
この日は思いの他テント場も空いており、密集する場所も無く快適に一夜を過ごせました。

<2日目>

おはよう御座います!
今日は別山を目指し、そのままチブリ尾根で市ノ瀬まで戻ります。

白山のピークハントだけなら日帰りで十分なのですが、別山からの白山主峰の展望が素晴らしいと聞いていたので、別山まで歩くのも大きな目的としており、それが今回テント泊にした理由です。
朝食を済ませ6時半に野営所を出発。

野営所の南側には広大な湿原が広がっており、初夏はお花畑が広がるそうです。
白山は雪解けシーズンも人気なので、また来てみたいですね。

白山山頂付近は分厚い雲に覆われ見えません…
天気予報的には今日展望が得られるのは五分五分、別山に着く頃はどうなってるのか、神のみぞ知る状態なので期待を持ちつつ先に進みましょう!

一回標高を落とし急登に取り付き稜線を目指します。
後ろを振り返ると眼下に野営所と白山主峰が。
出発時よりは雲も減り期待値もあげあげ、このまま抜けてーー!

別山までの主稜線に出ました。
この景色が見えた時には思わず歓声。
どっしりと優しさを感じる白山とは違い、迫力の岩峰とそれに向かって延びる細い稜線。
山のカッコ良さを感じられる素晴らしい景色!

歩いてきた稜線と、後ろに白山主峰。

一瞬晴れかけたものの、白山主峰には雲が居座る感じに。
稜線はガスることは無いものの、やっぱりちょっと残念気分。

そして、別山山頂に到着!ありがとう御座います!
うおおーーん(泣)ガッスガスやーー!

ちょうど山頂部だけ雲が掛かる状態だったので、1時間程度晴れ待ちしてみましたが、今回は願い敵わず…
今日は茨城に帰る9時間ドライブが控えているので泣く泣く下山開始。

うう…また来るよ…

稜線からの分岐を経てチブリ尾根に取り付きます。
眼下には途中のチブリ尾根避難小屋やゴールの市ノ瀬まで一望。
なかなか展望がありそうで楽しそうな尾根ですね。

尾根途中から白山主峰を望みます。
白山には引き続き厚い雲。
まあ、今から晴れてもぶっちゃけ悔しいだけなので、もうそれでいいです(泣)

避難小屋を過ぎ、しばらく歩くと樹林帯になるので後は黙々と下山。

市ノ瀬に到着!お疲れ様でしたーー!
連休最終日の昼過ぎだけあって、あれだけあった車もまばらに。
疲れ切った誘導係の人が印象的でした(笑)

とりあえず、やっと白山に登れて日本三霊山無事登拝できて感無量です!
雄大でどっしりとした山容は遠目で見ても存在感抜群で昔から多くの信仰を集めているのも納得。
現在は別当出合からなら誰でも登れる憩いの山に近い存在になっていますが、それだと白山の魅力はあまり伝わらないのかな、とも思えます。
大きな大きな白山、歩いてみたい路はまだまだ沢山ありそうなので、また機会を作って登ってみたいと思います!

長文になりましたが、以上です。
読んで頂けた方、ありがとう御座いました!