2021年4月4日日曜日

青と白とモンスター 「森吉山」【秋田県北秋田市】

 山を嗜んでいる人はご存知だと思いますが、冬山の風物詩に「樹氷」というものがあります。
「樹氷」は気温が非常に低いことで過冷却状態にある空気中の水分が地表の木々等の地物にぶつかって氷層を作り上げる現象です。
そして、樹木が完全に氷や雪に覆われたものを「アイスモンスター」と呼び、「蔵王」などでは観光資源となっています。
実はこれは寒い場所ならどこでも見れるものかというとそうでは無く、世界的には寒い場所=乾燥した場所である事が多く、モンスターと呼ばれるまで育つのは湿った空気が入りやすい山と海が近い小さな島国である日本ならではの現象だそうです。

山を初めて約8年の自分ですが、実は未だにアイスモンスターを見た事ありません。
やはり樹氷と言えば「蔵王」なので例年のように候補には上げていますが、樹氷が期待できる気候条件と休日が重なるチャンスになかなか巡り合う事ができていませんでした。

そんな中、2021年2月上旬に計画した東北温泉巡りで、道程の途中にある「森吉山」が強い冬型直後の好天の日に登れそうだとわかり突撃してきました。
「森吉山」は「蔵王」「八甲田山」と合わせて日本三大樹氷の山と呼ばれている程に樹氷が育ち易い山という事。

さて、初めてのアイスモンスターに出会えたのか!?レポ行ってみたいと思います。

「森吉山」(1454m)
*石森直下の稜線から望む

2021/2/12
コース:阿仁スキー場山頂駅⇔山頂
累積標高差:±290m
移動距離:5.7Km


スタートは阿仁スキー場から。
ここからゴンドラで標高1167mの山頂駅まで一気に登ります。
ゴンドラを使わず登るコースもありますが、夏場はともかく深い雪に覆われた厳冬期はまず無理なので文明の力に頼る事にしましょう!

この日は一応平日ですが、祝日・休日に挟まれた金曜日で、更にこれ以上ない好天が期待できるとあってなかなかの人手。ゴンドラ待ちをしている人はスキー客というよりはほとんど登山&BC目的の人でした。
自分は混雑を懸念し1時間前から並んでたおかげで3番目にゴンドラに乗る事できスタートは上々!

ちなみに登山客はスキー場の受付に登山届けを出して整理番号をもらわないとゴンドラには乗れないのでご注意下さい。また、下山報告も必要です。


約20分のゴンドラの空の旅。
下界に広がる冬の東北の大展望、山頂方面は混じり気の無い真っ白な雪に覆われた山肌に抜けるような青空。
もう今日が最高の一日になるのは約束されたものでしょうね!

山頂駅に到着。
山頂駅周辺はスキー場と一緒に樹氷見学コースもあり、一般観光客向けにスノーシューの貸し出しをしています。
ただし、あくまで一般観光客向けなので見学コースを外れて山頂を目指す人には貸し出しは出来ないそうです。

ここから見学コースを外れて山頂に向かいます。
森吉山は山頂駅スタートならば基本なだらかなお山なのでアイゼンよりスノーシューメイン。
って言うかこの時期はスノーシューかBC装備じゃないとほぼほぼ登れない感じですね。
ワカンの浮力でも少々キツイ気がします。

登山道に入ると早々にアイスモンスターの大群がお出迎え。
この日にこの場所に居れて本当に良かった!

しかも、前日の降雪のおかげで雪も綺麗!
残念ながら2人に先行されてしまいましたが、モフモフの新雪を踏む事ができ気分も最高です。

最初のピークの石森へ向かいます。
この石森の直下の南側には雪庇が出ているので注意が必要。
正面には森吉山本峰が見え景色が良い方へ行こうとすると、自然と雪庇側に行ってしまうので、ここはグッと我慢(笑)

最初の小ピーク石森に到着すると正面にどどーんと森吉山本峰が望めます。
以前、秋に登った時にはもう少しピークっぽかったのですが、雪が積もるとピークらしさは皆無ですね(笑)

そして森吉山本峰へ続くなだらか凌線。
…一番にトレース付けたかった…(悔しい)



山頂直下に来ると自分の背丈程度のモンスター達がお出迎え。
樹氷の育つ方向が決まっているので、本当にみんなで行進しているかのよう。
「モンスター」と生き物に例えたくなるものわかる気がします。

南側に目を向けると薄い雲海の上に鳥海山が。
威風堂々の名が相応しい東北の単独峰。また登りに行きたいものです。

山頂までもう少し!
この先にはどんな景色が広がっているのか!ワクワクが止まりません!

森吉山、山頂!
最高の山頂を踏ませてくれて、ありがとう御座います!!

山頂標識にも樹氷がたっぷりついており、どこの山だかわかりませんが、これで良いのです!

そして、山頂から見えるは…

左から八幡平~岩手山の裏岩手の峰々。更に右奥に薄っすらと早池峰山!

日本海から延びる白神山地と右に岩木山!

八甲田山と十和田湖!

うはーーーー!凄い!凄――――い!
これ以上は無いと言い切れる程の大展望が広がっていました。
これが森吉山の本気か!
こんな日に登らさせてくれて、本当に感謝の言葉しかありません!

…しばし、この天国を心ゆくまで満喫。

そして、山頂もだいぶ賑やかになってきたので下山開始。

稜線もすっかりトレースとBCのシュプールでいっぱい。
これだけ良いコンディションの中での滑走は最高でしょうね~

…やっぱり、BCやりたいぞーーー!!
(毎年言ってる)

以上です!

では、総括ですが、もう難しく語る必要はありません。
最高の日に登らさせてくれてありがとうーーー!
最高のモンスターに出会わさせてくれてありがとうーーー!
森吉山、大好きーーー!

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