また、ちょっと長文になりますが、最後までお付き合いしてくれると嬉しいです!
自分はGWやお盆といった長期の連休にはあまり山に行きません。
理由は「混んでるから」っていうのもありますが、それ以上に普段山や旅にとフラフラしている分、家族や昔から友人との時間を持とうというのがあります。
特にお盆は平日に休みをとれない昔ながらの友人と出掛ける事が多いです。
例年は近場の温泉や遠くても車でいける範囲内でしたが、今年は友人の提案で思い切って変わった場所に行ってみようという事に。
そして、その矛先に選ばれたのが…
この「青ヶ島」!!
知らない人も多いかと思いますが、この青ヶ島は八丈島より南に約60キロ、伊豆諸島の最南端に位置します。
そして、最大の特徴はこの地形。
島全体を形作る外輪山とその中央火口丘、火山マニア心酔の絵に描いたような二重カルデラ島です。島といっても海底からは標高1100mの山で、ちょうど山頂のみが海の上に出ている感じです。
自分も初めてこの島を知った時には、日本にこんな場所あるのかよ!!って衝撃を受けました。
見た目通りこの断崖絶壁に囲まれた島は砂浜も無く、南国リゾートって雰囲気は皆無。
正直、観光としては地味なので、行くべきか迷ったのは事実ですが、島のレア度とノリと勢いで決行することとなりました。
では、どんな島旅になったのかレポ行ってみましょう!
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まず、青ヶ島に行く場合の交通手段は二つで、週に4便の船と一日一往復のヘリコプターになります。
もちろん一度に行ける人数は船が多いですが、なんと年間就航率は6割程度。
黒潮の影響を受けやすく、天候によっては10日間以上就航出来ない時も珍しくないとか。
金持ちニートならそんな旅もできますが、一般サラリーマンの我々には、そんなギャンブルできません!って事で、1ヶ月前のヘリの予約開始と同時に電話に張り付いて9席しかないヘリの予約を無事ゲット!
と言ってもヘリも悪天の場合は飛ばないので、天気予報にはドキドキさせられっぱなしでしたが、運が良い事に来島中は天気に恵まれそうなので、意気揚々と出発!
朝一の羽田発の便で起点の八丈島へ到着。
さすが、伊豆諸島でも人気の島。南国リゾート感であふれています。
ヘリの受付も済みいざ出発!
人生で初めてのヘリなのでわくわく感が半端ありません!
お盆休み中だったので、もちろん枠の9席は満席でした。
で、ここでちょっと注意。
羽田から当日中に青ヶ島入りしたい場合は、この飛行機とヘリの乗り継ぎしか手段がありません。
定刻だと飛行機の到着が8:25、ヘリの出発が9:25なので余裕がありそうですが、ヘリの受付が30分前の8:55厳守なので、飛行機の到着が遅れたり、預け入れ荷物を受け取るのに時間が掛かったりするとアウトになります。
ヘリの予約時に注意を受けていたので、自分たちは手荷物だけにして最短で受付に行けるようにしておきました。
約20分のヘリの旅を経て、青ヶ島が見えてきます。
残念ながら低い雲が掛かり全貌は見えませんでしたが、海から延びる断崖絶壁は大迫力!
無事着陸!
いや~、ヘリなんてそうそう乗れるものでは無いので良い経験になりました。
ヘリの発着場はほとんどの島民が徒歩圏内とあって、特に送迎とか関係なくお出迎えに来てくれています。
ヘリはプロペラを止める事なく、帰りの乗客を乗せてすぐに八丈島に去って行きました。
帰りもよろしく~。
とりあえず、徒歩で本日の宿に向かいます。
このねっとりと水分を含み海の香りがする空気と、人気の少ない閉鎖的な雰囲気、当に離島って感じですね!(褒め言葉)
テンション上がります!
お宿は「ビジネス宿中里」さん。
この青ヶ島に訪れる人は観光客よりは工事土木関係者が多く、宿もそういう人向けになっているのであまりサービスとか期待しているとがっかりすると思います。
でも、出入りも自由だし、個人的には寝床と食事をちゃんとしてくれればこれくらいの方が気楽ですね。
チェックインの後、昼食の地獄蒸し用の食材を受け取り、いざ島内散策へ出発!
この食材は島内中央の火口丘近くに、蒸し場があるのでそこで蒸し料理を楽しむものです。
まあ、それは後程って事で…。
とりあえず島内唯一のレンタカー屋「青ヶ島レンタカー」でレンタカーを借ります。
レンタカー屋といっても島内唯一のガソリンスタンドでもあり、スーパーでもありと、色々な意味で島内を牛耳っています。(笑)
借りる時には道が崩壊していて危険な場所の説明をされるので、ちゃんと聞いておきましょう。
地図で見ると小さい島だったので、自分としては徒歩で散策してもいいかな~って思ってましたが、実際に見ると外輪山付近のアップダウンが相当エグいので、普通の人はレンタカーを借りるのが無難かと。
そして、レンタカーを借りる頃には青空が広がっていたので、島内を俯瞰できる島内最高峰の大凸部に向かいます。
大凸部登山口の少し手前に駐車スペースがありそこに車を止め歩きます。
登山道は石畳の階段で私服&普段靴でもなんら問題あません。
標高423m、青ヶ島最高峰、大凸部登頂!
ありがとう御座います!
登山口から約10分のお手軽登山(?)でした。
山頂からは二重カルデラの独特の地形や、大海原、集落と青ヶ島の全貌が一望できます。
なんか、この箱庭感覚が良いですね!
しばし島の風に身をおいた後、昼食時になったので地獄蒸しをしに、カルデラの中心火口丘に向かいます。
途中、外輪山から火口に下る道路から見る火山地形は大迫力。
やっぱり近づいてみると迫力が違いますね…
中央火口丘の麓には島民憩いの場「ふれあいサウナ」と蒸し場があります。
この火口丘からは常に高温の水蒸気が吹き出る場所があり、それを生かして天然サウナや蒸し料理が頂けます。
ちなみに天然サウナは夜のみの営業なのでまだやっていません。
夜の楽しみにとっておきましょう。
とりあえず、天然の蒸し器に食材を入れて、レッツ蒸し料理!
美味しく蒸し上がるには30分くらいなので、お酒片手にボケ~と待ちます。(運転は友人任せ、ありがとう!)
なんか、こういう無駄な時間も許せてしまうのは、離島の雰囲気ならではですね。
30分後、独特の香りがついた蒸し料理が美味しく頂けました。
写真は美味しそうに撮れていなかったので掲載しません!(笑)
…本当に美味しかったですよ!
お次は海の玄関口、三宝港にやってきました。
この日は久々に定期便が就航したようで港には荷物がたくさん詰まれていました。もちろん島には配達業者は無いので、自分の荷物は自分で取りに行くそうです。
それにしても、Amazonさんの荷物が多いこと…。
届くのは遅いですが、物品の入手のし易さは本島とそれほど違いは無いのでしょうね。
船が去った後で地元の親子が釣りをしており、しばし雑談。
小学校3、4年くらい?の子供の「こんな何も無い場所に何しに来たの?」って純粋で尖った一言が印象的でした。(笑)
「何も無いのが良いんだよ」って返しましたが、その意味がわかるのはいったい何年後になるのでしょうか?
波を遮るものは無い絶海の孤島。
写真ではわかり難いですが、凄い高さでうねっており、近づくの怖かったです。
伊豆生まれなので泳ぎは苦手ではありませんが、落ちたら港に這い上がれる自信がありません。
続いて、島の北端の牛の放牧地へ。
意外にも青ヶ島では牛の放牧が産業としてあり、東京ビーフというブランドの中でも青ヶ島産は一目置かれているとの事。
また、年に一回8月初旬に牛祭りが開かれており、その時には多くの人が集まってくるそうです。
今回の旅では食する事は出来ませんでしたが、いつか機会があれば食べてみたいですね。
こちらも北端にある「神子の浦展望台」。
どこまでも続く蒼と青。
断崖絶壁の島だけあって、どこから見ても海は遥か下方に見え、不思議な感覚。
一通り島の観光も済み、宿で夕食を頂きます。
楽しみにしていた島寿司!
青ヶ島では醤油の代わりに「しまだれ」といわれる青ヶ島産の島唐辛子と味噌、にんにく、醤油etcをブレンドした各家庭オリジナルの調味料を作って作ります。
ここ中里さんもオリジナルのしまだれがあり、濃厚でピリリとした辛さがたんぱくな白身魚とマッチして、ウマウマな島寿司でした!
その後、楽しみにしていた先ほどの天然サウナに行きましたが…
なんと、間に合わず!!(泣)
営業は20時までと下調べはしていましたが、受付は19時半で終了との事。
19:40頃に行った時にはもう片付けをしてしまった後でした。
ああああああ~、なんてこったい!
久々にマジ凹み。猛反省。
…また、来れるかな?
…
まあ、凹んでいても仕方無いので、もう一つ楽しみにしていた星空撮影へ!
青ヶ島と言えば星空撮影で有名で冬にはたくさんの天体ファンが集まってくるそうです。
とりあえず今回は夏ですが、空を見ると既にたくさんの星が見えたので頑張ってみました。
上は三宝港、下は北端の放牧地からです。
残念ながら低い雲が多く、満天の星空とは行きませんでしたが、さすがは星空撮影の聖地。十分にその片鱗を味わえました。
冬の晴天なら、どれだけの星に囲まれるのか…。
これは天然サウナリベンジと合わせて、再来島する価値はありそうですね!
夜の楽しみはこれからだ!って事で宿の近くの居酒屋「杉の沢」さんへ!
青ヶ島名物の青酎を堪能しました。
お客は地元の方5名くらいと観光で来ている人が1人ほど。
それにしても、やはりこういう場所に観光で来ている人は相当な物好きであって、離島・秘境トークで盛り上がり、楽しい離島の一夜でした。
…おやすみなさい~。
二日目は10時前にはヘリが来るので、フラフラせずに宿回りを散歩。
朝の静かな島時間がなんとも贅沢。
会う人みんな元気に挨拶してくれるので、こちらも自然と笑顔になります。
ねこねこ。
離島らしくネコがいっぱいいました。
さて、帰りのヘリも無事到着し、島を去る時間がやってきました。
正直、沖縄や八丈島のような南国リゾートやマリンスポーツを期待して来ると相当がっかりすると思います。
でも、旅本来のその土地の風土や食、そこに生きる人たちとの触れ合いを目的にする人は楽しめると思います。
それに、まるで世界がこの島だけになってしまったような隔絶された感覚は、ここでしか味わえない不思議な感覚でした。
また、青ヶ島の人口は168人(2016年統計時)、日本一人口の少ない村って事ですが、集落はコンパクトにまとまっているので、あまりそんな感じがしません。
しかし、島内の図書館で島の資料を少し読んだのですが、10年後には中学生以下の子供はいなくなり、高校以上は島外に出ないといけないので、島外からの移住が無い限り子供がいない島になってしまうようです。
外野からこういう場所を守ってあげたい!って言うのは簡単ですが、現実は厳しそうですね…。
青ヶ島に訪れたい人は早い方が良い気がします。
以上です!
最後まで読んでくれた人、ありがとう御座いました!
てすと。
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