2018年12月9日日曜日

修行の山 「石鎚山・瓶ヶ森」 【愛媛県 四国】

 日本には昔から修験道の為の山が数多く存在します。
修験道とは日本固有の山岳信仰と仏教が合わさった日本独特の宗教と位置づけられています。

 有名所では、山形の出羽三山(月山、羽黒山、湯殿山)、富山県の立山、奈良県の大峰山(大峯奥駈道)等がありますが、今回紹介する石鎚山も有名所の一つかと思います。
この石鎚山は近畿以西の西日本の最高峰で、厳しい岩場の多いことから古くから修験道に使われており、石鎚神社が祭られ山岳信仰の対象として崇められていました。また、修行の場としてだけで無く、石鎚山があるおかげで瀬戸内海の安定した気候が保たれているといった理由から、漁師等の海に暮らす人々からも信仰の対象となっていたとの事です。

 山に登る人の多くは絶景目的な人も多いと思いますが、そんな歴史的背景も知っていると色々面白いので登る前にちょっと調べておくのをオススメしたいですね。

 今回、自分が石鎚山に登るに当り楽しみにしていたのが、定番の弥山からの天狗岳の景色と、修験の鎖場を体験する事でしたが、さて、どうなったのかレポいってみたいと思います!

 って、始まりましたが最初にネタバレすると、初日の「石鎚山」は天候に恵まれずイマイチ山旅でしたが、2日目の「瓶ヶ森」では素晴らしい景色を見せてくれたので、最後まで見てくれると嬉しいです!

「石鎚山」(1982m)

「瓶ヶ森」(1897m)

10/7 国民宿舎石鎚→弥山(ピストン)→(車)→瓶ヶ森登山口→瓶ヶ森ヒュッテ跡避難小屋(泊)
10/8 →瓶ヶ森(女山山頂)→男山→瓶ヶ森登山口

赴いたのは10月初めの3連休。
実は最初の計画では四国では無くフォロワーさん3人と一緒に東北の大朝日岳を縦走する予定でしたが、残念な事に東北は台風直撃。
代替案として近場で日帰りって案もでましたが、折角4人もいるので遠征しようって事になり急遽四国へ。

…さすが、ガチ山屋ばかりだと行動範囲が半端ねぇ…(汗)

そんな訳で金曜日に仕事を終わらせ茨城を出発。
都内と川崎でフォロワーさん3人ピックアップし交代しながら一路四国へ!

4人いたとはいえ、片道900キロ強はキツイキツイ…。でも、自分としてはこうやって多人数でワイワイ行くのはあまり無かったのですが…、やっぱり楽しいもんですね!

ちょこちょこ細かい渋滞にハマりながらも、どうにか朝8時には四国入り。
初日は中国地方のやや日本海側を台風通過中で最短コースの鳴門大橋は強風で通行止め。ちょっと遠回りですが瀬戸大橋から入りました。

初日は前泊地の「国民宿舎石鎚」へ向かうだけなので、途中の香川県でうどんを食い~の、愛媛県の松山で鯛めしを食い~の、と四国グルメを満喫しました。(食ってばっかり)

ただ、思ったより時間が無く道後温泉は見るだけだったのが残念無念…。
…また今度ゆっくり来るよ!

前泊地の「国民宿舎石鎚」に到着。
連休初日でしたが、台風の影響でたくさんのキャンセルが出たようで、お客さんは少なめでした。自分たちも運転疲れ&明日は弥山から御来光を見るので午前3時出発って事で早めの就寝。明日は晴れると良いな… Zzzzzz。

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おはよう御座います!予定通り午前3時出発で山頂を目指します!

国民宿舎から山頂に至る尾根路は特に危ない場所も無く、ナイトハイクも問題ありませんでした。途中、空の広い尾根からは満天の星空が見え、山頂からの御来光に期待が膨らみましたが…。

山頂の石鎚神社は濃いガスの中…。
な、なんてこったい。
しかし、日の出まではもう少し時間があるので期待を胸に待ちますが…。


日が上がっても錦に染まる天狗岳の尖峰はガスの中…。
残念ながら一番見たかった御来光&天狗岳はお預け。無念!

でも、このまま帰るのも癪なので、フォロワーのみんなと相談して、今日は時間があるので最悪でも定番の風景は見よう!って事でお昼頃まで粘ってみる事にしました。


…うん、暇だ。

山荘で茶を片手に雑談したりしてましたが、どうにも身体を動かしてないと落ち着かないので、自分にとってのもう一つの目的、鎖場修行に臨んでみることに!


まずは山頂から鎖場の取り付きである休憩所まで一時下山。
登る時はまだ暗かったので気付きませんでしたが、紅葉が凄く綺麗。
これは青空の下で見たかったな~。

鎖場までやってきました。今日は岩場・鎖共に濡れているので細心の注意が必要そうですね。
では、修行開始!

普通の鎖場では、あくまで鎖は補助として考えるべきですが、ここではそんな事言ってられず、鎖同士を繋ぐ輪の部分につま先を押し込み、確実に足場を確保しながらでないと登れません!

しかも、ある程度まで登ってしまうと引き返すのも至難の業。
覚悟を決めて最後まで登り切らないと逆に危なく、途中で動けなくなってしまう人が多いのも納得。
高い場所が苦手な人は絶対やめておいた方が良いですね。

どうにか二ノ鎖を登りきり、お次は三ノ鎖。

こちらは二ノ鎖より鎖を繋ぐ輪が大きく、しっかり足元を確保しながら最後まで登れましたが、ほぼ垂直で高度感が相当なもの。(汗)

晴天祈願をしながら鎖場修行を乗り越えましたが引き続き山頂はガスの中。
まだ時間たっぷりなので、今度は弥山を越え天狗岳まで行ってみることに。


稜線は高度感抜群の岩場歩きで、紅葉も綺麗!
晴れていれば最高の路だったと思います。(泣)

天狗岳山頂!
ありがとう御座いました。
山頂到達祝いか、一瞬だけ青空が見えてくれましたが、本当に一瞬だけでした。

…そして、結局雲は晴れないままお昼を迎え無念の下山。


標高を下げるとちらほらと青空が見え始めましたが、山頂付近は雲の中なのは変わらず。
…まあ、しょうがない!
気分を切り替えて、次の目的地兼、宿泊地の「瓶ヶ森」に向かいましょう!

「瓶ヶ森」は国民宿舎石鎚から瓶ヶ森林道を車で30分程度。
ほぼ山頂直下に駐車場もあり、宿泊に使う避難小屋も登山口から30分程度とお手軽に活用できます。

「瓶ヶ森」の特徴は氷見二千石原と言われる広大な笹原。
避難小屋に向かう途中でも、その広大さは感じられましたが、到着がほぼ日没前だったので今日は早めに休んで明日にかけたいと思います。

では、おやすみなさい…。
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おはよう御座います!
今日も山頂から御来光望むべく2日連続の未明出発!
いやはや、写真ガチ勢のフォロワーさんたちのアクティブさには感服します。

頂上の女山に着くと雲多めですが、空は広がっているのでそのまま御来光を待ちます。
待っている間にも周りの山々が見えたり隠れたりとするのに合わせて一喜一憂するカメラマンの方々が楽しそう。
自分は豪快に流れる雲を見ながらボケ~っと山の空気を感じていました。こういう時間は結構好きですね。

そして、お待ちかねの御来光!
雲の間からなので遅めの御来光となりましたが、広く深い四国山地が朝陽に浮かび上がる様は感動的。
待ってて良かった!


そして同時に朝陽に輝く氷見二千石原の広大な笹原はなんとも幻想的。
これが見れただけでも四国まで来た甲斐があったというものです。


太陽が登りきった後は男山までプチ縦走。
男山の斜面を彩る紅葉はお見事でした。昨日、不完全燃焼だった石鎚山の悶々を上書きできる最高の景色をもらえた気分です。

そして、このまま登山口に下山。
下山中に見えたUFOライン(瓶ヶ森林道)周りの紅葉は綺麗でした。

最寄の登山口から1時間も足らずでこの絶景、「瓶ヶ森」人気の山だけの事はあります!

ただ、登山口に至るこの瓶ヶ森林道、最近は車のCMのせいか交通量がかなり多く、ほとんどの道がすれ違いが困難なので運転が苦手な人はあまりオススメしません。
特に新寒風山トンネル方面から林道に入ると本当に厳しいです。数センチレベルの幅寄せができない人はやめておいた方が無難ですね…。


これにて二日間に渡る四国、石鎚山遠征は無事終了。
お疲れ様でした!!

この後は温泉、昼食を経てお昼過ぎには都内に向かって帰路に着きましたが、連休最終日って事もありちょこちょこ渋滞にハマり、フォロワーの皆さんを送って、結局茨城に到着したのは月曜日の午前3時前。
この日の仕事はフラフラだったのは言うまでもありません(笑)


いやはや、密度の高い3日間でした。
自分としては、こう大人数で山に遠征するのは初めてだったので、とても新鮮で楽しい時間を過ごす事ができました。普段の日常の中ではアクティブだと思っていた自分ですが、今回のメンバーはそれ以上で良い刺激をもらえたと同時に、好きな事の為ならどこまでも行けるパワフルさに感銘を受けました。
自分も見習ってこれからも楽しい事探しにはもっと積極的に行きたいと思います!

以上です!
また、一緒に登りましょう!

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